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葦の岸辺のラグトーリン



どこへ向かうのかもわからない
目的もわからない
ただ知っているのは、いつか終わることと
何かテーマがあること
でもそれは誰にも明かされない

          §


生命は循環する
少しのズレを生み出しながら同じ着地にはならないで
らせん状に進んでいく
変わらないのは 人の思い?

しかしそれさえも 記憶の中で変わってしまう
繰り返し訪れる死と再生
かすかな光だけ不断に輝かせながら永遠の死が訪れない苦しみ


葦の生い茂る原始の川辺に戻ってきたよ。
歌を歌う黒い瞳のラグトーリン
でもそのラグトーリンはあのラグトーリンかな
その歌はあの歌かな
歌のことばをわずかに書き変えたのは誰なんだろう

     萩尾望都『銀の三角』のラグトーリン


そこからねじれていく ずれていく
同じ今日はなく同じ明日も来ない
あの人にももう会えない
思いだけが取り残されていく、飲み込まれていく

あの人はどこへ行った?
私はどこへ向かっている?

わからない
いつか終わりが来るかもしれない
来ないのかもしれない

時間のらせんを流れて
また、葦の岸辺で歌うラグトーリンに出会う
それは瞬きをするわずかな時間


答えはまだわからない



         §




ちょっと考えモードに入ってしまって
モヤモヤとしていました。
毒にも薬にもならないもじゃもじゃを
頭の中でほどいたりまたもつれさせたり。

そこに、くまさんのこちらの記事が。

くまさんからはいつも心地よい刺激をいただけます。さりげなく、興味をひいてくれます。
私のモヤモヤに光が差しこんで、ちょっと方向を示されたような気がしました。

萩尾望都のSF、「銀の三角」の場面が浮かんで
ラグトーリンという登場人物がイメージに入りました。
何万年という時間と空間を移動できる若い女性という設定です。
長い黒髪がターバンからなびいて、思索的な黒い瞳で
マンドリンのような楽器を弾いています。
彼女が生命の始まりと終わりをつかさどっている。
糸をもつれさせ、ほどき、またもつれさせる。
チグリス、ユーフラテス川のほとりで弦を鳴らしている。
という情景が浮かんできました。

ラグトーリンは答えを知らせないで、読者を謎の中に置き去りにする。
何度読んでも、わからない、でも魅力的な作品です。

作品を紹介する記事ではなかったんですが
書いた散文がなんかよくわからんので、ちょっと補足的に。
補足にもなりませんけどね(笑)
書いて外に出してみたかったもやもやです。


読んで下さり、ありがとうございました<(_ _)>

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