ICT支援員への道#2
ICT支援員というものに興味をもって早数年w
やっと重い腰を上げて勉強始めましたので、知識の定着を目的に気ままに書いていきたいと思います。
学校・教員と支援
本格的に始まったICT支援員の勉強の最初は、教員についての理解からでした。そして、最初に学ぶのが教員免許状について。
なぜ?と思いましたが、学習を進めていくうちにその理由が分かります。
日本において、教員になるためには教員免許状を取得する必要があります。この免許状があって初めて教壇に立って授業ができますし、児童・生徒の指導をすることができます。(厳密には教育委員会が実施する教員採用試験に合格する必要がある)
普通、ICT支援員は教員免許状を持っていませんので、教員ができることができません。この理解がまず必要ということで最初に学ぶじゃないかと考えてみました。(ここテストに出るかも)
ということで、教員免許状について勉強してみましょう。
教員養成の仕組み(教員免許状)
教員免許状の種類は3種類あり、免許状取得に必要な学習内容や単位数(教職課程)は国が決めています。そして、免許状の発行は都道府県の教育委員会が行います。
普通免許状
幼・小・中・高・特別支援学校の教諭、養護教諭、栄養教諭
全国的に有効
短大卒業の場合、二種免許状。大学卒業の場合、一種免許状。大学院修士課程卒業の場合、専修免許状が取得できる
特別免許状
小・中・高・特別支援学校の教諭のみ
授与を受けた都道府県内の学校で有効
臨時免許状
助教諭、養護助教諭のみ
有効期間3年、授与を受けた都道府県内の学校で有効
普通免許状を有するものを採用できない場合に限り、例外的に授与される。
教員免許状は、校種・教科によって異なっていて、取得したい免許状に対応した教職課程のある大学・短期大学などで学ぶ必要があります。教員免許法で教育実習を行わなければならないと決められており、幼稚園および小学校では「初等教育実習」を、中学校および高等学校では「中等教育実習」を、特別支援学校では「特別支援教育実習」を行わなければなりません。
教育にかかわる業務と教員の役割
教員は教育にかかわる業務を行います。教員は学習計画を立てて、それに沿って児童・生徒の教育・指導を行っていきます。ただ、学校でのことすべてを教員が行うには、難しくなってきています。働き方改革も教員の仕事を見直すきっかけとなっています。以下、どのような業務を誰が行うべきかを中央教育審議会から提言という形で示されたものです。
基本的に学校以外(地方公共団体や教育委員会、保護者、地域学校協働活動推進員や地域ボランティア等)が担うべき業務
01.登下校に関する対応
02.放課後から夜間などにおける見回り、児童生徒が補導された時の対応
03.学校徴収金の徴収・管理
04.地域ボランティアとの連絡調整
学校の業務だが、必ずしも教師が担う必要のない業務としては
05.調査・統計等への回答(事務職員等)
06.児童生徒の休み時間における対応(輪番、地域ボランティア等)
07.校内清掃(輪番、地域ボランティア等)
08.部活動(部活動指導員等)
教師の業務だが、負担軽減が可能とされたのは
09.給食時の対応(学級担任と栄養教諭等との連携等)
10.授業準備(補助的業務へのサポートスタッフの参画等)
11.学習評価や成績処理(補助的業務へのサポートスタッフの参画等)
12.学校行事の準備・運営(事務職員等との連携、一部外部委託等)
13.進路指導(事務職員や外部人材との連携・協力等)
14.支援が必要な児童生徒・家庭への対応 (専門スタッフとの連携・協力等)
いままでは、01~08の仕事も教員がやっていましたが、01~04を外部人材、05~08は学校と連絡を取りながら外部人材が支援するという方向で提言がさています。
教員との連携
やっと、ICT支援員のにおいがしてきました。ICT支援員は、法的に設置が決められた外部人材です。児童・生徒と直接かかわることが多い仕事で、教壇で話をするよう依頼されることもあります。しかし、教壇に立つ人=教員ではなく、教育業務には教育目標が設定されていて、実行計画を立てるのは教員の仕事です。それが授業を行うという意味でもあります。ICT支援員が教壇に立つ場合は、その計画の中での教材として期待されているのだということを、常に意識が必要です。教員の教育的意図をしっかり確認して、授業の意図を達成できるように、教員と連携を取りながら進めていく必要があります。
ICT支援員の支援業務は大きく3つあり、それぞれの内容は以下のようになっています。
授業者(教職員)支援
授業準備の支援
プリントや提示資料の作成支援
授業で使用するICT機器の準備
教材や資料などの提示、利用機器の切り替えなど、授業中の教員のICT操作の支援
学習状況、成績などの集計・管理支援
情報モラルの指導支援
学習者(児童・生徒)支援
操作・技術の習得学習の支援
情報活用の場面における支援
児童・生徒のICT活用の場面における支援
学校運営と情報管理への支援
校内での情報共有の支援
校務へのワープロ、表計算ソフトなどの活用支援
保護者、地域への情報発信の支援
セキュリティポリシーの運用支援
また、支援だけでなく、ICTの活用に関するアドバイスや提案などを行うこともあるようです。ただ、授業を考える必要はなく、全国の多くの先生方が考えたノウハウに関する情報を提供することでもよいです。これもICT支援員の重要な仕事です。
実際、noteで「ICT支援員」で検索すると諸先輩方がどのようにICT支援員の仕事をしているか分かりますが、ICTにちょっと詳しいおじさんのレベルを優に超えています。日々の情報収集や学習のたまものだと思うので、資格のための勉強だけでなく、ICT活用ノウハウの収集も頑張っていかないといけないです。
教育ポリシーとスクールポリシー
各自治体の教育ポリシーは押さえておくべき内容です。学校が掲げるスクールポリシーにも目を通して、地域や学校の教育理念を把握するように努めましょう。
ICT支援員として重要なのは、上記をベースとして、情報セキュリティポリシーとプライバシーポリシーです。
情報セキュリティの3要素といえば、テスト頻出ワードです。
そして、言わずもがな、プライバシーポリシーは、日本では個人情報取扱規定と呼ばれるものです。ICT支援員は情報のプロとして派遣されていますので、これらの把握は必須事項となります。
学校支援に関するその他の仕事
最後に仕事の報告とコンプレイント(不平・苦情)についてです。
まず、報告書を書きましょうということです。理由は言うまでもないですが、学校や勤務先への報告です。ICT支援員としてどのような業務を行ったか、問題はあったか、ICTの活用状況など、事実を分かりやすく伝えることで、報告を受け取る校長や教育委員会が今後、ICT活用をどのようにしていくか?の判断材料になっていくでしょう。
また、学校側や他のICT支援員との連携という意味でも報告は重要なタスクです。自分がいない間の状況を引き継げると支援内容に差が出てきます。教員の満足度も変わってくるところでしょう。
そして、コンプレイントです。お互いの意思のすれ違いで起きる誤解や思い込みによってもコンプレイントは発生します。コンプレイントが発生しないようにすることは無理な話です。では、どうしていくかというと、情報セキュリティポリシー、プライバシーポリシーが出発点となり、次に契約書の内容を熟知しておく必要があります。やるべき仕事をやるために仕事の切り分けはきちんと行いましょう。仕事の範囲外の依頼に関しては、丁寧に理由を述べて、お断りをします。自分ができそうとかで仕事を引き受けないよに気を付けましょう。
報告書に発生したコンプレイントについても記載をします。何か心に残るような出来事があった場合は、経緯も含めて、方向書に記載します。自身では悪気が無くても、保護者や地域の方にとっては嫌なことはあります。
保護者や地域の方は、子供たちに関わるものに対して、あるレベル以上の品位や節度を期待しています。これは当然の価値観ですし要求事項ともいえるもののです。ICT支援員は、その期待にこたえられるように、資格試験だけでなく、人間としての器も大きく優しく作っていかないといけないようです。