夫婦・カップルのためのアサーション#3
今読んでいる本について感じたことなんかを書いていきます。
ものはこれ↑。メンタルヘルスケアの勉強でアサーションという言葉を知り、メンタリストDaigoがお勧めしていたので、これにしてみました。
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第Ⅰ部 夫婦・カップルの関係について理解する
お互いの関係を理解しこそ、アサーティブな関係が築けるということは今までのところで見てきました。第2章~第4章では、夫婦・カップルの関係を、育む・妨げるもの、二人の違い、二人の関係における悪循環が書かれています。この章での感じたことなどをピックアップしてみます。
ギブ・アンド・テイクの公平性
人と人とが関わりを持つということは、お互いにギブ・アンド・テイクが起きていることが多いと思います。そして、自分がGiveしているものは分かりやすいですが、相手からTakeしていることは気づきにくいと著者は言っています。確かに!私の場合で考えると、ここでnoteを書いているときに妻が夕飯を作っています。夕飯を私は何の疑問もなく食べています。トイレに行ってトイレットペーパーがなくなったらホルダーに新しいトイレットペーパーをつけますが、在庫がなくならないように買ってきてくれています。いつもみんなが気持ちよく暮らせるように掃除してくれたり、雑貨などは定期的に新しいものに変えたり、季節に応じて布団を変えてくれたりと身の回りのサポートをしてくれています。私が相談ごとをしたときには話をちゃんと聞いてくれるし、在宅ワークで運動不足になっているからと一緒に散歩してくれます。その他、あれもこれも妻の無償のギブをテイクしています。習慣化によりテイクに無意識になってしまうことで公平性が失われてしまいます。「私はパートナーのためにこんなことをしている。そのことをパートナーはきちんと認めてくれていて、私のためにこんなことをしてくれている」と感じられ、二人がそのように思えることが大切だとしています。つまり、テイクをしたらかギブをしないと!と考えるのではなく、お互いにテイクをしたことを認め、そのことに感謝を伝えること!が大切なんだと思います。
米国のカップルセラピーでは、親密さとは「自分が自分らしくいられ、相手のその人らしさも承認できるような関係」と定義しています。自分が自分らしくいられるためには、「相手に対して重要な事柄を率直に語ることが必要」であり、相手のその人らしさを承認できるということは「相手を変えたり説得したり直したりという要求を抱かずに、自分と異なる考えや感情や信念を持った他者と情緒的な関係を持てること」だとしています。
単に仲が良いとか、考えや価値観が似てるでは収まらずに相手もそのように考えているということ理解して、お互いのアイデンティティを尊重する考え方が素敵です。お互いに向き合っている関係を継続しているわけです。
米国のカップルセラピーでは親密な関係にはいくつかの要素があるとしています。
楽しむこと
お互いをケアすること
二人の関係を守ること
自分とパートナーのありのままを受け入れること
二人の関係に責任を持つこと
傷つきや痛みを分かち合うこと
それぞれの説明は本を読んでいただくとして、二人の関係だけで生活ができるわけではなく、周りの環境や繋がりのある人々も関係してきます。時間の経過による変化、時代の変化、価値観の変化、あらゆることも踏まえても、これらの要素はとても大切で、二人の親密さは成熟した姿であることが分かります。
一方、親密な関係を築こうとした際に、現実にはそれを妨げるような心理が働くことも指摘しています。
依存
自立
優しさ
感情
怒り
コントロールされる・失う
拒絶・見捨てられる
これも個々の説明は本を読んでいただくとして、正しく依存する、正しく自立する、素直に感じ、素直に表現することが大切であるのではないかと思います。これらの親密さに対する知識を正しく持って、できていないからダメとかではなく、相手を理解する手掛かりとして、そして、自分自身を理解する手掛かりに役立てていくのが良いと思います。一度、自己理解のためにこれらの要素で思うこと、感じることなどを書き出してみるのもよいかもしれません。「やりたいことの見つけ方」の中でも、明確な自己理解が大切で、質問に対して頭で考えるだけでなく、書き出してみるのが効果があると中田敦彦のYouTube大学で言ってました。(本は読んでませんがw)
自分との違いに悩む
男女の違いは、性別的な違いはもちろんですが、コミュニケーションや対人関係の在り方など様々な場面で違いが表れてきます。脳の機能の違いや家族体験や文化、メディアや社会での価値観の影響など、様々な影響を受けて、今の相手がいるということ、違いがあることを理解することが大切であると書かれています。著者のカップルセラピーでの経験では、一般的な男女の特徴を理解していないことにより、一般的な夫婦の共通な悩みであるにもかかわらず、非常に深刻なものに発展してしまうということがあるそうです。ここでは大きく二つのことが書かれています。
《人間関係と問題解決とどちらが大切か?》
人間関係維持志向と問題解決志向と二通りの向き合い方があるそうです。
妻「私、頭痛いの」
夫「頭痛薬あるよ」
妻「あなた、何もわかってない!(怒り)」
夫「???」
夫は妻を心配して頭痛を治すために頭痛薬を提案しているのに対して、妻は頭痛薬を飲むのは当たり前で夫からは優しい言葉やねぎらいの言葉を期待しているのに期待が裏切られたことへの失望や怒りを感じているということみたいです。(これを面倒くさいと思ってはいけないみたい)
問題が起きたときにその問題への向き合い方の違いの例として、女性が人間関係維持志向、男性が問題解決志向として書かれています。この志向の違いがちょっとずつ二人の関係を悪い方向へ向けていってしまうのかもしれません。この志向はどちらが悪いというものではありません。相手の言動を問題とするのではなく、違いを理解して歩み寄る姿勢が大切なんだと思います。
《心の成熟度、自己分化度の違い》
第2話でも触れましたが、自己分化度とは、人が持っている感情的な機能と知性的な機能が融合しているか、分化しているかの度合いを言います。
これは統合失調症の家族研究をしたボーエンが、家族療法を体系化したボーエンの理論の基本概念の1つです。感情と知性をそれぞれ豊かに発展させた状態を自己分化度が高いといいます。自己分化度が高い人は、豊かな感情を持ちながら感情コントロールも上手く、物事を冷静に判断することができます。自己分化度が低い人は、感情と知性が融合しているため、感情に振り回されて人や物事を判断する、行動が感情に邪魔されるといったことが起こります。また、自己分化度は、関係性と個別性、自尊心(自己愛と自己卑下)にも影響します。
自己分化度の違いを理解して自己分化度を高める姿勢が大切なんだと思います。
自己分化度の高い人は、同じように高い人をパートナーに選ぶ傾向があります。また、自己分化度が低い人は、やはり同じように低い人をパートナーに選ぶ傾向があるとのことです。つまり、自己分化度が低い者同士では、上記で見た自己分化度の違いによって、二人の仲を悪い方へ変えていってしまうのではないでしょうか。
少し古い記事ですが、自己分化度について端的に書かれているよい記事です。この中で、感情に振り回されないため、「もう一人の自分」が冷静に眺めているイメージを持つことと、感情が高ぶった際は、その感情に集中しないこと、話し合いにおいては、感情を脇に置くということを言っています。
まとめ
第Ⅰ部では、二人の関係性について色々な観点から知るということができました。自己理解を進めてながら、感情のコントロールを身に付ける努力は長期にわたる鍛錬が必要になると思います。時間の流れによっても、周りの環境によっても、変わっていく二人の関係だからこそ、変化を受容し、失敗を認め、よりよい関係をともに模索し続ける努力が必要だと思います。長い目で確実にステップアップできるように、ちょっとした心がけから始めてみてはいかがでしょうか。そんなことを感じた第Ⅰ部でした。
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