東京ポエム
今現在若い方、または若い頃に東京に憧れて移り住んだ方で、今は別の場所にいたり、故郷に帰っているという方は意外といらっしゃる気がします。
その理由は非常に多様でひとくくりにはできないと思いますが、目指していた東京への思いをお持ちでいる(or いた)という部分で共通項があると思います。
そして、noteでは、そのような思いを綴られている多くの記事を目にすることができます。
私が興味を持った方の記事をいくつかご紹介します。
僭越ながら、私はそれを勝手に「東京ポエム」と名付けたいと思います。
私の想像の範囲ではありますが、おそらく30歳くらいまでの若い女性が比較的多いように見えます。
書かれている内容をかいつまんでお伝えしますと・・・
憧れの東京に行きたい、来れてうれしい、新鮮な気持ち、ここが良い・楽しみ、という希望にあふれた言葉。
ネガティブな感情が出てきた、違うかも知れない、思ったように行かない、止めよう、後悔している、という厳しい状況の言葉。
noteのおすすめ機能が優秀だからかもしれませんが、そのような書き手の文章を何度も見ることがあり、読む度にその人の考えや感情、過去と現在の気持ちがリアルに伝わって来ると感じます。
(まったくの余談ですが、「おすすめ」機能の精度を上げるのは非常に難しいので、noteがどうやっているのか気になります)
自分も就職後に一人暮らしを始めた際、当然のように心細さを感じ、こんな状態でこれからやっていけるのか?という不安や、毎日の生活の面倒さ、仕事が忙しくて大変だったなど、ひと通りの経験はしました。
ただ、たまたま実家が都内から近い場所で、いざとなれば実家に帰ればいい(本当はよくないですが・・・)という環境だったため、本当に身一つで憧れの東京に出てきて都会の中で生き抜く、的な厳しさは体験してないのも事実です。
だからかも知れませんが、先に挙げたみなさんの作品を読ませていただき、自分にはない強い感情があると感じています。
東京には女性が多くやってくる
1998年(平成10年)を過ぎた頃から、東京都への人口集中が加速し未だにその勢いは続いています。
コロナで東京都への集中が多少緩和し、外国人の減少や東京周辺への流出が見られはしますが、人口の絶対数は非常に多く、集中は収まっていないようです。
そして、2020年の20代前半女性転出超過ランキングによると、10年以上前から女性の方がより多く都市部、特に東京へ移住していることが分かります。
私が多くの女性の文章を目にするのには、そのような背景が一因としてあります。
現代の都市間競争
現在の世界は、都市間の競争が国同士の競争よりも激しく、世界のメガシティの競争に勝つことが強さの源泉となる、という意見があります。
東京を日本の一都市ではなく世界のメガシティの1つと捉える。
競争相手は上海、メキシコ、サンパウロ、LA、パリ、ロンドンなどであり、もしそうなら、東京以外の地域から見た東京は、世界の多くの人から見たパリ、ロンドンのような都市と同じ存在となると言えます。
大都市にはさまざまな弊害がありますが、それを超える魅力・吸引力があり、雇用、経済などの条件だけでなく、人が多い分だけ多様性があり常に更新され、多くの人の注目を集める存在です。
私はそんな「憧れの存在」というのはあった方がいいと思います。
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私にとっての最初のあこがれの東京は、原宿。
東京にほど近い街に住んでいた中学1、2年の時、友人(男子)が突然、ピンクのジャケットを着てやってきた。
同じ部活である自分や友人達はかなり驚いて「どこで買ったの?」と聞くと「原宿」だという。マジか、すげえと。
そういえば彼の親父は良く知らないけど都内の広告代理店とかいう会社に勤めていて、彼は我ら部活の友達に、親父経由で手に入れた映画のタダ券を配ってくれる素晴らしい(?)ヤツだった。
自分はとてもマネする勇気はなかったが、そのピンクのジャケットを買った原宿はものすごくおしゃれな場所なのだろうと想像して、お小遣いもあまりないので実際は行けなかったが、初めて行きたいと思った。
(もう少し経って実際に行ったのは渋谷のハンズとレコード屋だった)
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いまだにそのことを鮮明に思い出せるくらい、憧れの力は相当に強く心に残るのだと思います。
行きたい、住みたいという憧れや願いの力は確実にあります。
もちろん夢破れて愛憎相半ばの存在になることもありますが、私はそれを原動力にして成長できるのであれば、例え上手くいかなくても必ず残るものはあると思うし、それがポエムであれば読みたいと思います。
[マガジン] 平成って何だったの? こちらからもぜひお読みください!
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