ジャニーズの件の続き
ジャニー喜多川氏が長年にわたってジャニーズの未成年メンバーに性的暴行を行っていた件がとても気になるので続きを書きました。
元ジャニーズ所属の岡本カウアン氏という人物が自身の性被害を告白した会見がNHKの地上波のニュースで流れるなどじわじわと影響が広がっていて、ようやくこの問題に光が当たるかもしれないと感じています。
このジャニーズの深刻な問題が真実と認定され報道されるたびに、ジャニーズのブランドイメージにゆっくりと巨大なダメージが襲うと思います。
ジャニーズからの脱退がさらに加速し、残った人も公式の場に徐々に出づらくなるでしょう。
この事実を知ってしまった視聴者も、彼らを見るたびに必ずこのことを思い出し、今までと同じ熱量で応援することはできないはずです。
岡本氏の会見によれば、「自分は7年前に性被害にあったが、おそらくすべてのジャニーズの人が被害にあっているだろう」ということで、遠い昔ではなくついこの前まで起きていたということに恐怖を覚えました。
ただ私は、ジャニー喜多川氏やジャニーズという団体だけでなく、それを見て見ぬふりをし続けた多くの人々にも問題があると考えています。
・性行為を受け入れなければ事務所として売り出さないという脅迫
・大人がそれを未成年に強要した虐待
・その問題が存在することを無視して起用し続けた芸能界とメディア
・未成年に対する虐待を無視・許容して応援し続けたファンと、そうしてまで売れたい子供の自業自得に過ぎないと突き放した人々
こういった問題が複雑に絡み合っていて、これはひとつの芸能プロダクションの問題ではなく、世の中に一般化しうる問題だと感じました。
それが2回目の記事を書いた理由です。
ブラック企業との共通点
私は社会に出たての頃ブラック企業にいたことがありますが、その会社は採用時に、違法な過剰労働に耐えなければ仕事を与えないという暗黙の了解を求め、それを受け入れることが条件と伝えられました。
さらにそういった労働によって成立する安い商品を違法と知りながら黙認し値下げを要求する取引企業があり、さらに自分の周囲にいる人々は「今は受け入れて我慢するしかないよ」とブラック企業を肯定している、という時代でした。
それらの問題とジャニーズの問題を比較すると、性暴力という部分に関しては大きな違いがありますが、それ以外に関してはほぼ同じだと言えます。
ジャニー喜多川氏はもう亡くなっているので直接罪を追及することはできませんが、ジャニーズ事務所が彼の行為を黙認していたという事実はもっと注目すべき大きな問題だと思います。
未成年に対する虐待は、ジャニーズのメンバーが仮に同意していた可能性があっても、判断力の足りない未成年に対して適切な対応だったとは到底思えませんし、カウアン氏の記者会見で明らかになったように被害を言い出せない人も多くいると思います。
また不法行為の疑いが強い芸能事務所との商取引を長年続け、それが明るみになった今でも取引を止めないメディア企業等は、反社勢力との取引と同じだけの違法性があると思います。
さらに、そういった未成年への脅迫や虐待も売れるためには仕方がないし、それによって推しが日の目を見たのだからむしろ黙って応援すべきと考えるファンは、間接的に脅迫や虐待を肯定しているのと同じです。
もうひとつ、ジャニーズに入りたい子供はそういった危険を承知の上だから自業自得で一般人には関係ないという論理も、その通りの部分もあるかもしれませんが、だからといってその違法性を放置してよいとはなりません。
ひとことで言うと、反社会的な組織に対して行っているのと同じ厳しい対応をする必要があるということです。
芸能界も例外じゃない
かつて黙認されてきた企業や団体の違法行為は現在明らかに許されなくなってきており、今後それが加速するのは間違いありません。
そしてそういった社会の変化に呼応して、長い間一般社会とは違うと思われてきたジャニーズのような芸能事務所にもついに世間が変化を求めはじめた、というのが今回の騒動の理由だと思います。
その証拠にネットでは多くのメディアがこのニュースを大きく伝え、テレビはこのニュースを決して報道しないと言われていましたが、いくつかの局が報道したようです。
さすがに無視できなくなったんでしょう、当然だと思います。
今回の事件が今後どのような展開を見せるかは分かりませんが、ブラック企業がもはや許されないのと同じように、ジャニー氏の過去の問題(被害者にとっては現在も続く問題)は許されないという考えを表明し支持することが大事だと思います。