Mrs. GREEN APPLE「コロンブス」の歌詞を考察したら意外なことに
Mrs. GREEN APPLE「コロンブス」のMVが差別的だとして炎上し、現在配信停止となっています。
奴隷制度を作ったと言われるコロンブスに扮して未開の地の猿を調教するというMVでしたが、非難の声が上がるとあっという間に消えました。
しかし私はこの曲の難解な歌詞を見て、MVの印象とはまったく違う非常に意味深なメッセージを感じたので、自分なりの解釈で文章化してみました。
まずは曲の歌詞はこちらです。
正直言って一読しただけでは何のことかよく分かりません。
ただ、妙に具体的すぎるキーワードが散りばめられており、それが作者からのヒントだと考えました。
歌詞の中で、僕や私は、君やあなたの「炭酸の創造=人類誕生と文明の進歩」や「コロンブスの高揚=植民地獲得や奴隷制開始」を500万年前の世界に謝りたいと言っています。
※歌詞では西欧とは言っていませんが、コカ・コーラのCM曲であることにかけた「炭酸」、ヨーロッパの大航海時代の象徴「コロンブス」をここに配置して韻を踏んでいることからの発想です。
また、君は「まだまだ傷つけて=差別や戦いを仕掛けて」いて、私は「あなたとは違い、自分は名誉の負傷=被差別や敗戦を経験して卑屈だが、自分を嫌いにはなれない」と言っています。
そういった発想で歌詞を意訳してみました。
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現代の人間として500万年前の世界に謝りたい
未熟な私たちはまだ謝れてないけれど
西欧文明の誤り、つまり発明や発見、文明の進化や革命を
いつか私は、不安だけど確かなゴールにたどりつける奇跡と愛を信じたい
それはいつか西欧文明の人々が、犯した罪から来る苦しい日常にさいなまれ胃が痛くなる寂しさを乗り越え、人としての平等と真実に気づくこと
でも哀しいことにまだまだ彼らは傷つけることをやめない
日本人である私は西欧の人々とは異なる卑屈さを持っているが、そんな自分は嫌いじゃないし、あの敗戦はいわば名誉の負傷で、歴史の呪縛はありつつも受け入れて大切にしたい
いつか私は、不安だけど確かなゴールにたどりつける日々が来ること、彼らとつながりあえること、ずっと楽しく過ごせる時代が来ることを信じたい
私たちはあなたたちを知りたい
まだ誰にも見せていないあなたたちの心の孤独に触れたい
オーロラのようにかすかなあなたたちの素晴らしい心に辿り着きたい
そんな出会いや別れを繰り返して時代は進む
哀しい歴史を超えるため
私とあなたの共通の価値感を見つけることから始めよう
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もしこれが真実に近いなら、あの差別的と言われたMVもまったく見方が変わってきます。
「コロンブスは差別や戦いを仕掛けた愚かな人間で、猿たちはその被害者であるすべての人であり、一見進んでいるように見えた当時のコロンブスに代表される差別的な思想は間違っていた」
「卑屈で負け顔をしている猿のような人々は、実は心の中では愚かで孤独なコロンブスを間違い続けたかわいそうな人と思っているが、そんな彼らともこれからわかりあえたらいいよねという愛と希望を持っている」
…ということでこれは私の想像でしかありませんので、もし違っていても許してください。
しかし、あのMVを彼らのような一流アーティストと制作陣ががうっかりミスで公開してしまうなんてことはさすがにありえず、何らかの意図が(稚拙なMVのせいでまったく伝わらなかったとしても)あったはずと考えます。
Mrs. GREEN APPLEは、常に歌詞に非常に強い思いを込めているという話を目にしたので、こんな過ちを考えもなしにするはずがないという期待を込めてこの文章を書きました。
みなさんはどのように解釈するでしょうか?
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