精神科入院って何するの?
精神科の入院と聞くと、どんなことを思い浮かべますか?
どんな所なのかイメージがつかず、なんとなくネガティブな印象を持っている方が多いかもしれません。
今回は、精神科での入院の種類と、入院中にどんなことをしているのかお話しします。
◎精神科の入院の種類
精神科の入院は一般的な入院と異なり、法律で定められたいくつかの種類があります。
一般的な病院の入院は「任意入院」といって、患者さん自身が入院することに同意して入院します。精神科にも、同じ任意入院もあります。
それ以外に、患者さんの調子が悪く(自分や周りの人を傷つける可能性がある場合、混乱していて治療が必要でもそれに同意できない場合など)、「任意入院」ができないけれど、患者さん自身を守るために入院での治療が必要と判断された場合には法律に基づいた強制入院が存在します。
これは「精神保険指定医」という精神科の国家資格を持っている精神科医が診察し、入院の適応と判断した場合にのみ、適応されます。
↓↓精神科医の資格についての記事です!
自傷や他害の恐れがあるような緊急事態の時には、患者さんが同意しなくても、精神保険指定医の数に応じて、「緊急措置入院」または「措置入院」という入院になります。
自傷他害の恐れまではいかなくても、状態が不安定で入院した方よいと判断されたけれど、本人はそれに同意ができないような場合は、家族の同意の有無によって「医療保護入院」「応急入院」という入院形態があります。
また、初めは状態が悪く上記のような強制入院で入院になった方も、状態が良くなれば「任意入院」に切り替えも行います。
なので合計で5つの入院形態があるのです!
◎入院中はなにするの?
病気になって入院したら、手術を受けたり、点滴したり、リハビリしたりといったことをイメージする方が多いと思います。
精神科も同じです。
入院した時の状況にもよりますが、入院したばかりの時は、なるべく刺激を減らして、休みます。病院では食事も3食出てきますし、掃除や洗濯もやらなくても生活できます。ご家族がいる方も家事や育児、介護などから距離をおいて、「何もしない」というのも治療のひとつなのです。また、生活リズムを整えることも大事です。
病気や症状に合わせて薬物治療も行います。
精神疾患は、まだ原因が完全に解明されていないものも多いですが、世界中で日々研究が行われ、少しづつ分かってきています。より効き目があり、副作用が少ない薬も出てきています。ただ、精神科の場合、画像や採血でこうなったら治った、ここからは病気などと判断することが難しいです。そのため、治療効果は患者さんと医者の主観も判断材料になります。
例えば、「憂うつな気分」が強くて入院した患者さんが良くなっているかどうかは、採血してもわかりません。でも、毎日の診察での患者さんの訴えや表情、受け答え、日中の様子、夜眠れているか、食事は取れているかといった色々な要素から、変化があるかどうか見えてきます。なので、精神科に入院した場合は、他の科よりも回診(病棟の医者やスタッフみんなで回る診察)に時間をかけることが多いです。
まとめますと、、、
精神科で入院した場合は以下のような事を行います。
・休息:何もしない→少しづつ慣らしていく
・薬物治療:症状に応じて調整を行う、単剤、少量が基本です
・診察:多くの病院では毎日、朝・夕など決めた時間に担当医と話す時間があります
・リハビリ、精神療法:症状に応じて、リハビリ専門のスタッフと体を動かしたり、頭を使ったワーク、課題などに取り組みます。
◎最後に
精神科の入院は怖い、恥ずかしいなどマイナスなイメージを持っている方もいると思いますが、患者さんを守る場所、困った時に頼れる場所でもあります。そして、そのように患者さんやご家族に思ってもらえる場所になって欲しいと思います。
BRAINOではメンタルヘルスに関わる様々な情報発信を行っていきます。
こんな事を知りたいなどご要望がありましたらぜひコメントお願いします!