![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/158640618/rectangle_large_type_2_8923ef5ef95fa4f7ccc504a8ffe2989b.jpeg?width=1200)
【レポート】第3節 FE名古屋 GAME1
(サムネイルは2023-24シーズンのプレシーズンゲームのものです)
りそなグループB.LEAGUE 2024-25 B1リーグ戦
10.19 [SAT] 15:35 TIP OFF
会場:名古屋市稲永スポーツセンター 人数:1,926人
1Q 2Q 3Q 4Q
FE名古屋 81 | 27 19 25 10
北海道 83| 25 22 19 17
見事に勝ち切りました。
シーズン初勝利、おめでとうございます!
公式さんの写真がとても素敵だったので
リンクを貼り付けておきます。
レポートと称して
GAME2の勝利のヒントになりそうな点を
メモとして残したいと思います。
試合観戦の参考になれば幸いです。
◯ ゾーンディフェンスへの対応
2Qのオフィシャルタイムアウトを
1点のリードで迎えました。
(FE名古屋 35 - 36 レバンガ北海道)
その後、2Q 残り 2:26
# 3 並里のバスケットカウントを喰らい、
今度はレバンガ北海道が
タイムアウトを取った場面に注目します。
タイムアウト後、
# 3 並里がワンスローを沈め、
エンドからのスローインになったとき
FE名古屋がゾーンプレスで仕掛けます。
2-2-1ゾーンプレスで
フロントコートに運ぶまでの時間を削り、
ハーフコートでは、2-3ゾーンで
レバンガ北海道の得点が止まります。
3回連続のディフェンスストップがあり、
その間、# 3 並里の3点プレイと
# 54 オマラから2連続でペイントエリアを攻められ
5点あったリードが溶けて逆転します。
2Q残り43秒でマイボールになったタイミングで
修正を図るべく前半最後のタイムアウトを
レバンガ北海道が取ったシーンも
ここで取り上げたいと思います。
わずか1分半の出来事でしたが、
FE名古屋が7-0ランで流れを取り戻しました。
おそらくは
ゾーンディフェンスへの対応と
# 54 オマラに対するディフェンスの確認が
このタイムアウトで行われたと思いますが、
FE名古屋の川辺ヘッドコーチは
タイムアウト後にマンツーマンディフェンスに戻し
相手の裏をかくという選択をしました。
エンドからのスローインに対し
最初は2-2-1のゾーンプレスの形で守り
再び2-3のゾーンに移行すると思いきや
マンツーマンに切り替わります。
レバンガ北海道が2Qで使った2回のタイムアウトが
うまく相手に活用されてしまったという点で
駆け引きの面白さを感じました。
最終的には# 7 中野の個人技で
何とか2ポイントを獲得して、
1点リードでハーフタイムを迎える結果となりましたが、
2-3ゾーンディフェンスの攻略は
結局のところ出来なかったようです。
レバンガ北海道はこれまでも
ゾーンアタックをうまく対応できているので
特別な対策は必要としないとは思いますが、
相手のチェンジングディフェンスに対して
どう適応していくかがGAME2の見どころになりそうです。
◯ #俺たちの佐土原 vs 内藤耀悠
# 8 佐土原 遼は
東海大学卒の24歳で
3x3の日本代表歴もある選手です。
フィジカルの強さはある一方で
身長は192cmとインサイドプレイヤーとしては
むしろ高さでミスマッチとなりがちです。
しかし、大学バスケの頃も
自分よりも大きいビッグマンと対等に渡り合い、
「#俺たちの佐土原」という愛称で親しまれ
今も注目され続けています。
舞台をB1に移しても、その活躍は止まらず
2023-24シーズンは平均24分のプレイタイムで
平均得点 8.7、平均リバウンド 3.3を記録しています。
事実、GAME1においても
プレイタイム25分27秒で17点、5リバウンドを許してしまい、
非常に素晴らしいパフォーマンスを発揮しています。
試合開始早々に、# 7 中野 を相手に
インサイドプレイで連続得点を重ねて
FE名古屋に良い流れを生み出しました。
# 7 中野ではパワー負けしてしまい、
# 1 関野では高さで攻められてしまいます。
2Q 残り4:25から# 8 佐土原が
コートに再登場したタイミングで
# 18 内藤もコートインします。
4分間の出場にとどまりましたが、
よく# 8 佐土原を抑えていたと思います。
パワー負けしない、身長差もない、
平面でもついていけるという点で
# 8 佐土原を止めるにはピッタリの選手です。
# 18 内藤はシーズン開幕から
怪我で手薄になっていたビッグマンの層を
うまく補う活躍をしています。
外国籍選手を止めるシーンも見られ、
これからの活躍にますます期待が集まります。
18歳、身長191cm 体重 97kgと
サイズ的に# 8 佐土原と似ています。
U15,18では、ビッグマンの役割を
担うことも多かったですが、
B1での登録はウィング(SF)となっています。
身長が191cmより伸びる可能性もありますが、
この身長で止まった場合には
# 8 佐土原や三遠 # 8 吉井が
よいロールモデルになると個人的には思っています。
(吉井裕鷹 26歳 196cm 94kg)
# 8 佐土原 #10 吉井の共通点は
身長差で負けてもパワーやハッスルで
ディフェンスに貢献できることに加え、
3ポイントによる得点が期待できることです。
「# 俺たちの~」という呼び名になりがちなのも
何となく共通しています。(笑)
身長やウィングスパンで劣っていても
世界レベルの外国籍選手を止められるのは
本当に強みでしかありません。
GAME2では、
#俺たちの佐土原 キラーとして
#俺たちのテルチカ の活躍に期待しています。
今後は、佐土原や吉井のように
3ポイントをもっと磨いて
あらたしい世代の日本代表に挑戦してほしいと
切に願っています。
◯ 島谷・中野・寺園の同時起用
GAME1の4Qは、FE 名古屋の5点リードで始まりました。
このときのレバンガ北海道のロスターは
# 15 島谷
# 4 寺園
# 7 中野
# 5 クリーナー
#25 アレン
という珍しい組み合わせでした。
身長のミスマッチが生じやすい
というデメリットを抱えますが
個人的には興味深い布陣だと思っています。
GAME1では# 7 中野が好調で
プレイタイム 30分で22得点(3ポイント 4/9)、
3リバウンド・2アシストを記録し、
EFF 14、+/- 18と勝利に大きく貢献しました。
その陰で# 4 寺園も
素晴らしい働きをしていたことを
見逃してはいけません。
プレイタイム 20分で12得点を記録し、
2ポイント 4/4、スリーポイント 1/1、
フリースロー 1/1と
シュート確率が100%という驚きの結果を残しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1729396891-5eH9g4rF87NPXoyBviRxIWE0.png?width=1200)
昨シーズンもFE名古屋戦で
# 7 中野が大活躍をして勝利に貢献したので
FE名古屋視点で考えると
# 7 中野 を対策せざるを得ません。
他方、
# 4 寺園の得点力の安定感は
レバンガブースターからの信頼も厚く
# 7 中野 との同時起用は
ディフェンスする側としても
焦点を絞りにくくさせると思います。
そのような意味では
# 15 島谷を司令塔に置いて
# 4 寺園、# 7 中野にスコアラーを任せるという作戦は
ディフェンスは度外視として
とても有効で面白い布陣と捉えました。
それにしても
フィールドゴールとフリースローどちらも100%って
すごい記録ですよね!
GAME2も二人の得点に期待しましょう。
◯ ターンオーバーに対する考え方
GAME1では両チームともに
ターンオーバーが目立った試合でした。
(レバンガ北海道 14 FE名古屋 22)
ターンオーバーというと
「単なるミス」と思われがちで
SNSの素人コメントには
「練習して出直して来い」
「プロなのにありえない」などの
心ない言葉を目にすることがあります。
レバンガブースターも同様であり、
負けた試合では特に
残念な投稿を見かける頻度も増します。
Bリーグも設立されてから数年が経ち、
ディフェンスの強度はリーグ全体としても
相当に底上げされています。
常にボールマンに対して
強いプレッシャーがかけられている中で
ドリブル、パス、シュートをしなければなりません。
例えば、ラインクロスを例にとると、
ディフェンスのプレッシャーが無ければ
プロ選手がラインを踏んでバイオレーションになることは
ほぼ皆無と言ってよいはずです。
それでもラインクロスが起こるのは
相手のディフェンスの影響を考えなくてはいけません。
相手のディフェンスが激しいと
進みたいライン取りが出来ず、
進路が膨らんでしまったり
押し負けてしまってトラベリングが誘発されたり、
タフショットになってしまったりと
常にプレッシャーがかかった状態で
どの瞬間もプレイしていることになります。
そのような点で
ターンオーバーは相手のディフェンスの強度を示す指標であり、
数が増えたときには
相手のディフェンスを単純に賞賛するのが
適切なリアクションなはずです。
GAME1に関しては
両チームとも80点越えの中、
ターンオーバー数が多かったのは
ハイレベルなオフェンスで競り合う中で
ディフェンスがお互い激しかった
というような捉え方も出来ると思います。
したがって、GAME2では、
さらに失点を抑える策と
相手のプレッシャーをどう回避するのか、
という点で両チームともに課題があって
そこに見応えがあるのだと思います。
より引き締まった試合展開が予測されるので
今から楽しみですね。
GAME1では
相手に22のターンオーバーを引き起こさせた
レバンガ北海道のディフェンスを
褒め称えたいです。
◯ 総評とGAME2の課題
立ち上がりこそ27失点のビッグクウォーターを許しましたが
複数回のリードチェンジの中、
粘り強く耐え、最後には勝利した点が
何よりもクラブチームの努力の賜物だと思います。
# 2 ラモス、# 34 盛實 を怪我で欠く中で
3人の二桁得点と、
それに次ぐ、
# 15 島谷 9得点、
# 40 ウェルシュ 8得点、
# 1 関野 7得点 は
チーム一丸で戦った証なのです。
アウェイで2連勝することは
決して簡単ではありません。
開幕初戦で1勝をしてから
4連敗を喫しているFE名古屋も
目の前の1勝が欲しいのは自明です。
ただ、
昨シーズン同様、# 7 中野が活躍をして
レバンガ北海道が勝利できたという点で
FE名古屋は # 7 中野の対策を
常に考えなければならないので、
それをうまく活用しない手はありません。
2連勝を狙えるチャンスだと思います。
個人的には、
シュートが入る/入らないは別として
# 7 中野 のプレイタイムと
フィールドゴール試投数が
勝敗を分けると予測します。
GAME1では
プレイタイム 30分01秒、
フィールドゴール試投数 17、
うち3ポイント試投数 9 だったので
プレイタイムを保ちつつ、
積極的にゴールを狙いながら
# 7 中野を囮にして
得点を散らせたら理想ですね。
そのような観点で、
中野の個人ファウルが鍵だと予測します。
ファウルトラブルでプレイタイムが減ると
前述の囮効果が使えないので
どれだけファウルを我慢できるかに注目したいです。
FE名古屋としても
・2-3ゾーンディフェンスの効果的な活用
・# 8 佐土原のアドバンテージ
・# 5 バッツのゴール下での強さ
・# 3 並里 - # 54 オマラのホットライン
これらがレバンガ北海道に効いていたので
どのように対策していくかが見ものです。
実は出場した11選手のうち、
# 23 保岡以外の10選手が得点できており、
ベンチポイントが40点だったことは
FE名古屋にとっては好材料だと考えます。
そのような点では、
レバンガ北海道、FE名古屋ともに
素晴らしい試合展開だったということに
改めて気付かされました。
レバンガ北海道の勝利のヒントとして
・# 7 中野のプレイタイムとシュート試投数
・# 7 中野の個人ファウル数
・#俺たちの佐土原 に対して #俺たちのテルチカ
これら3点を挙げます。
勝利を喜ぶチームの姿が
とても印象的だったので
今シーズン初の連勝を是非とも勝ち取ってほしいです。
がんばれ、レバンガ!
文=アズマ・リュウセイ
写真=民谷健太郎