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【レポート】川崎ブレイブサンダース GAME1
第12節
AWAY 川崎ブレイブサンダース 戦
(会場:川崎とどろきアリーナ)
2024/12/14(土) 18:05 GAME1
川崎 北海道
14 1Q 23
21 2Q 20
20 3Q 26
16 4Q 20
--------------------
71 89
AWAYでの勝利、お見事でした♪
GAME2も勝ちが欲しい!
20試合が終わり、
レギュラーシーズンの1/3の地点です。
7勝13敗と負け越している状態なだけに
クラブとしてもプレイヤーとしても
きっと勝ちを重ねたいと思っているはずです。
もちろん、私たちブースターもです。
GAME1を振り返って、
レバンガ北海道の良かった点と
川崎ブレイブサンダースの攻略ポイントとを
簡単に振り返りたいと思います。
◯ リバウンド数
北海道 川崎
トータルリバウンド数 47 32
オフェンスリバウンド数 15 4
ディフェンスリバウンド数 32 28
事前のスカウティングの時点で
川崎ブレイブサンダースの弱点として
リバウンドについて取り上げました。
いわゆるハッスルスタッツという部類に入り、
単純な高さ(身長・ウィングスパン+ジャンプ力)だけではなく、
スクリーンアウトで体を張ったり
ボールの落下地点の近くまで足を動かしたり
というように
ビッグマン以外にも責任があるスタッツです。
GAME1では
# 40 トーマス・ウェルシュがリバウンドで
キャリアハイの23を記録したので
非常に目立っておりましたが、
他の選手のリバウンドへの意識の高さも
見受けられました。
TR |OR DR
# 40 トーマス・ウェルシュ 23 | 9 14
# 5 ライアン・クリーナー 5 | 2 3
# 66 松下 裕汰 4 | 2 2
# 25 テリー・アレン 3 | 0 3
# 1 関野 剛平 3 | 0 3
# 34 盛實 海翔 3 | 0 3
# 15 島谷 怜 2 | 1 1
他 6 | 2 4
昨シーズンはB1下位だった
トータルリバウンド数も
20試合終了時点で、1試合平均37.4本で
B1 12位という中間層に位置します。
もちろん、
# 40 トーマス選手の活躍の影響も大きいですが、
チーム全体での底上げがデータに表れています。
川崎ブレイブサンダースとしても
GAME2の修正点として
確実にリバウンドを課題に挙げるでしょうから、
それ以上のエナジーで
再度、リバウンドで優位に立ちたいですね。
# 40 トーマスに対するボックスアウトは
徹底してくることが予測されるので、
他のプレイヤーがどれだけ
リバウンドでハッスルできるかがポイントです。
GAME2もリバウンド数が勝敗の鍵を握ります。
◯ 川崎ブレイブサンダースのディフェンス
ロネン ヘッドコーチのスタイルは
「ディフェンスを重んじ、
速いペースのオフェンスを好むスタイルで
チームバスケットを目指している」と
事前スカウティングで紹介いたしました。
20試合終了時点で
上記が達成できている部分と
課題が多い部分とがあるように感じました。
達成できているものとしては、
「テンポの速いバスケット」です。
実際にPOSSのスタッツがB1内でも高く、
攻撃回数を増やすことに成功しています。
しかし、他方で
ディフェンスについては、
失点数やディフェンスレーティングからは
相当に苦戦している様子がうかがえます。
[川崎のハーフコートディフェンス]
もう少し、解像度を高めて分析してみます。
GAME1では、
ハンドラーに対するボールマンプレッシャーは
非常に強いものでした。
スターティングに起用された
# 14 柏倉、# 12 野崎、
セカンドユニットの # 2 小針は
高い強度でレバンガ北海道のハンドラーに
プレッシャーをかけ続けて
ターンオーバーの誘発に成功しています。
ターンオーバー数
# 4 寺園 3
# 15 島谷 1
# 34 盛實 2
チーム全体のターンオーバー数が9だったので、
この3名だけで、6/9を占めています。
これは、
川崎ブレイブサンダースの
バックコート陣のプレッシャーが強く
素晴らしいディフェンスが
複数のターンオーバーを誘発させた
と認めざるを得ません。
ただ、その一方で、
一度 抜かれてしまった後の
ヘルプディフェンスがワンテンポ分
遅いように思えました。
結果的に、有効なパスが通り、
ペイント内のイージーな得点が
成立したという見方も出来そうです。
実際、
確かに上記の3名は
ターンオーバーが目立ちましたが、
それ以上に得点・アシストで
役割を果たしていたので
レバンガ北海道側の反省点としては
何ら問題は無いと考えます。
得点 アシスト
# 4 寺園 18 2
# 15 島谷 7 1
# 34 盛實 15 5
川崎ブレイブサンダース目線では、
「ボールマンのプレッシャーは良かったが
出し抜かれた後のディフェンスに課題がある」
という修正点が見えてきます。
その辺りのチーム内ルールや
コート内外でのコミュニケーションが
うまく行っていないような印象を受けました。
もちろん、
ボールマンへのプレッシャーを弱めれば、
# 4 寺園・# 34 盛實の得点は
さらに増すでしょうし、
# 15 島谷も伸び伸びとプレイできることでしょう。
ディフェンスは習慣が顕在化されるので
なかなか修正が難しいとは思いますが、
川崎ブレイブサンダースにとって
ハーフコートディフェンスについては、
「チームディフェンス」に課題を抱えていそうです。
[川崎のトランジションディフェンス]
もう一つ気になったのが、
3Q後半~4Q前半のトランジションディフェンスです。
3Q 残り5:00の時点で、
51-55まで追い上げられていたにもかかわらず
4Qのオフィシャルタイムアウトまでの約10分で
川崎ブレイブサンダースが9点と停滞したのに対し、
レバンガ北海道は着実に25点を積み重ねました。
この時間帯で、レバンガ北海道は6点の
ファストブレイクポイントを奪いました。
レバンガ北海道のファストブレイクに対して
ディフェンスの戻りが遅れてしまったシーンが
目に止まり、気になりました。
# 24 ジョンソンがファウルトラブルで
プレイタイムが僅か20分28秒に止まったのも
他の2名の外国選手への負担増に
繋がったのかもしれません。
3Qの5分を過ぎたあたりから、
ディフェンスの部分について
コート上の選手たちの足が
少し止まっているように見えました。
GAME2も走り負けずに
レバンガ北海道が
積極的にファストブレイクで
掻き回せられるかどうかが
見どころとしての突破口として挙げたいです。
また、
川崎ブレイブサンダースが
テンポの速いオフェンスを好んで
最初の8秒で果敢にショットを打つことに対して
レバンガ北海道の選手全員が
しっかり速く戻って、
マークマンへのピックアップも迅速で
うまく対応できていたという点も
スタッツに決して表れないハッスルだったと思います。
川崎ブレイブサンダースの
ファストブレイクポイントを
8点に抑えられたのが、その証拠です。
GAME2を語る上での指標として重要視しましょう。
あくまで1試合の観戦での分析ですが、
川崎ブレイブサンダースがディフェンスで苦戦しているのは
・ボールマンが抜かれた後のヘルプディフェンス
・逆速攻を喰らったときの走力、スタミナ
・新規メンバーを含むチームディフェンスのルールや狙い
このあたりに修正点ないし課題が見えそうです。
逆に、対戦相手のレバンガ北海道としては、
これらの要素を弱点と見なし
以下に示すように、
しっかりとアタックしていくのが重要でしょう。
・ターンオーバーを気にせずに果敢にペイントアタックする
・若さを武器に走力で上回る(特にカウンターの速攻)
・リバウンドでハッスルする
◯ 川崎ブレイブサンダースのオフェンス
バスケットLIVEの解説 神作さんも指摘していましたが、
川崎ブレイブサンダースのオフェンスが
うまく機能していた点として、
ピックアンドロールが挙げられます。
レバンガ北海道側の修正点としては
ピックアンドロールをどのように守るかの議論が
行われるのではないでしょうか。
ハンドラーがペイントエリアまで侵入してしまうと
ビッグマンのダイブに合わせられてしまい
ゴール下のイージーな2点を取られる
というシーンが複数ありました。
勢いに乗せてしまいそうな危うい場面も
印象的ではあったので、
ピックアンドロールに対するディフェンスで
修正力を発揮してくれることを期待しています。
事前スカウティングで
ピックアップした # 7 篠山 竜青が
コートに入ってから流れが変わりましたね。
これまでの20試合で
シュートタッチも良い感じですので、
GAME2のバウンスバックには
十分な注意が必要です。
別の観点では
トランジションの速いバスケを意識し過ぎて
シュートセレクションが素人目にも
早過ぎるシーンが多数見られました。
ズレが出来ていないのに
個人技で打破しようとシュートを放ってしまったり、
単発なショットが増えると
逆速攻を喰らうリスクが増えたり、というように
ショット精度の観点からも
相手のファストブレイク機会の観点からも
敵チームながら心配です。
◯ その他、気になった点
他にレバンガ北海道が良かった点を
3つほど紹介して、この記事を締め括ります。
[2Qのクロージング時の采配]
2Q終了直前時点で、
# 4 寺園、# 15 島谷の両ハンドラーが
パーソナルファウル2個という状況でした。
前半終了間際に
# 5 クリーナーがファウルを受け
フリースローを打つ場面で
# 15 島谷をベンチに下げて、
# 1 関野
# 34 盛實
# 6 菊地
# 25 アレン
# 5 クリーナー(シューター)
という5名になりました。
正規のハンドラーが不在です。
小さな配慮かもしれませんが、
ハンドラーのファウルトラブルを
事前に防いでいるという点で
コーチ陣の素晴らしい采配だったと思います。
[# 14 星野のスターティング起用]
直近の試合で、活躍できていて
プレイタイムも少しずつ増えている # 14 星野が
今シーズン初のスターティングに選ばれました。
ゲーム開始直後から、
ボールマンにプレッシャーをかけ続け、
チームディフェンスに貢献していました。
相手に3ポイントを決められた直後に
3ポイントを入れ返したメンタリティと技術も
本当に素晴らしかったと思います。
次戦以降もどんどん活躍してください!
[# 1 関野剛平の貢献]
勝った試合にしろ、
負けた試合にしろ、
クラブを勝利に近づけるような働きをしているのが
# 1 関野剛平だと思っています。
先日の秋田戦GAME2では# 4 寺園が、
今日の川崎戦GAME1では#34 盛實が
ヒーローに選ばれインタビューに応えていましたが
影のMVPは# 1 関野だと思っています。
元々、ディフェンスには定評があり、
優れた予測能力と恵まれた身体能力とで
相手チームのエースを苦しめる
ディフェンスのスペシャリストですが、
チームメイトへの声がけやリーダーシップ、
オフェンス面での貢献と、
非常に頼もしい姿を見せてくれて
毎試合ワクワクしています。
実は、今日もフリースロー5/5、
3ポイント1/1で8得点、
シュート確率100%を記録して
リバウンド3、テイクチャージ2と
レバンガ北海道の勝利に大きく貢献しました。
ここではスペースが足りないので、
選手一人ひとりの魅力について
語る記事もいつか書いてみたいです。
この選手の記事を書いてほしい!
などのリクエストがあれば
是非、コメント等でお知らせください。
◯ まとめ
どうしてもGAME2も勝ちたいので
ブースターとして
何に注目して応援すればよいか
レポートを記してみました。
いかがだったでしょうか?
これまでの記述をまとめると、
GAME2の見どころとして
以下のような点を挙げたいです。
・リバウンド数(特にディフェンスリバウンド)
・ファストブレイクポイント
・川崎の得点数(= レバンガの失点数)
ターンオーバー数は
もちろん、少ないに越したことは無いのですが、
意図的に減らすのが難しいパラメータです。
なので、
意図的に変えられるパラメータが
分析には重要だと考えています。
プレイヤーやコーチ陣は
もっと遥かハイレベルな領域で
GAME2の準備を進めていることと思います。
決して、本記事は、
クラブに対するレポート/評価ではなく
あくまでブースターが
観戦を楽しむための材料として
情報提供が出来れば本望です。
川崎ブレイブサンダースは
GAME1の時点で6連敗を喫し、
クラブ史上、最多の連敗数のようです。
連敗している側のブースターの心理は
幸か不幸か、よく理解できますので
GAME2は勝利に対して
一丸の応援で臨むと予測しています。
川崎ブレイブサンダースのバウンスバックで
ピンチの状況に陥ったとしても
勝利を信じてブースター一丸となって
全緑応援をしていきましょう!
がんばれレバンガ!
文:アズマリュウセイ
写真:民谷健太郎