【分析】仙台89ERS
2023/12/6HOME戦 以来の対戦です。
今季4戦あるうちの2戦目となるのが
本日2024/3/20の仙台89ERS AWAY戦です。
前回試合の事前スカウティング記事はコチラ。
↓
これまでの通算対戦成績は
レバンガ北海道8勝 仙台89ERS 6勝と
レバンガ北海道が勝ち越しています。
89ERSブースターのSNSを眺めていると
レバンガ北海道との相性を嫌う方も
少なからずいるという投稿が散見されますが、
(2022-23シーズンはレバンガが4戦全勝しています。)
今季初戦2023/12/6の対戦では
81-90でホームのレバンガ北海道が敗れています。
◯どんな特徴のチームか?
2023年12月6日現在、
7勝9敗の東地区4位でした。
2024年3月20日現在、
18勝24敗の東地区6位という成績です。
(矢印は前回との比較です)
平均得点 78.4点 (13位)↓
平均失点 80.0点 (14位)→
フィールドゴール成功率 43.3% (18位)↓
3ポイント成功率 33.0%(13位)→
平均リバウンド数 40.7本(3位)↑
平均アシスト数 20.5本(3位)→
平均ブロック数 2.79本(10位)↓
平均スティール数 6.4本(17位)↓↓
ここから読み取れるチームの特徴は以下の通りです。
・ボール争いにおける球際に強い(リバウンド)
・その結果として、攻撃回数が多くなる
・アシストによる得点の割合が多い(パス回しが効果的に機能)
・リバウンドが強い(特にオフェンスリバウンド)
オフェンスリバウンドは14.1本/試合であり、
名古屋DDと同率のB1首位となっています。
(ディフェンスリバウンドは26.6本/試合で11位)
間違いなく仙台89ERSの強みと捉えてよいでしょう。
リバウンド数
# 52 ヴォーディミル・ゲルン 12.4本(B1首位)
# 45 ネイサン・ブース 7.4本
# 25 ラショーン・トーマス 6.1本
外国籍陣のリバウンドが極めて強力です。
対するレバンガ北海道は、
# 40 ウェルシュを怪我で欠いてから
平均リバウンド数は36.0本/試合まで低下し
現在、B1で20位の位置にいます。
リバウンドの攻防は
本戦においても必ずキーになる注目ポイントです。
他の着眼点としては、
2ポイントの試投数が挙げられます。
この記事では、
「レバンガ北海道が2ポイント試投を好む」
という点に着眼したコラムを紹介しています。
3/20現在もチームスタイルは変わらず、
2ポイント試投数は
レバンガ北海道 40.9本(3位)
仙台89ERS 43.0本(1位)
となっています。
ただし、どちらのチームも2ポイント成功率は
いずれもリーグ下位に位置していて
レバンガ北海道 50.2%(19位)
仙台89ERS 49.4%(20位)
このように得点の傾向において
非常に似通ったスタッツになっています。
◯ キープレイヤーは誰か?
まず、プレイタイムを比較します。
1) # 45 ネイサン・ブース 30:54
2) # 52 ヴォーディミル・ゲルン 30:18
3) # 13 阿部 諒 28:37
4) # 25 ラショーン・トーマス 22:52
5) # 14 青木 保憲 22:00
6) # 15 渡辺 翔太 19:52
7) # 9 ヤン・ジェミン 18:09
8) # 0 小林 遥太 16:01
9) # 21 渡部 琉 13:11
10) # 91 片岡 大晴 11:40
外国籍は常にオンザコート2の布陣です。
加えて、ヤンジェミン(201cm)が15分以上出場します。
リバウンドの強さは、2m超の選手が常に2,3人いる
というところから来ているのでしょう。
前回対戦のスカウティング記事で
外国籍のスタッツを取り上げているので
簡単に特徴のみを紹介して、
今回は改めて# 13 阿部諒 に注目したいと思います。
# 45 ブースと# 52 ゲルンはビッグマンであり、
# 45 ブースは3ポイントも積極的に打ってきます。
(# 45 ブースの3ポイント試投数は4.1本でチーム2位)
一方、# 52 ゲルンはインサイド特化型のプレイヤーです。
いずれもリバウンドに秀でており、
仙台89ERSを力強く支えています。
# 25 トーマスはシュートエリアが広く、
ペイントアタック・ミドルレンジ・3ポイントいずれも
得意としている選手です。
外国籍選手3名が占める得点の割合は6割程度であり、
12月の対戦時より、外国籍への依存度が増しています。
他方、日本人選手・アジア枠選手の平均得点は
以下のようになっています。
# 13 阿部 14.0
# 15 渡辺 5.7
# 14 青木 5.6
# 9 ヤン 5.5
# 91 片岡 5.0
阿部以外は満遍なくポイントが散らせているので
的を絞りにくい傾向を残すものの、
外国籍選手+# 13 阿部に得点が偏っている傾向が
より顕著になっているようです。
したがって、
前回同様、外国籍3名と# 13 阿部 諒が
キープレイヤーだという点は変わりません。
# 13 阿部 諒
28歳 184cm/82kg
ポジション:ガード
12月対戦時には、
平均得点数 13.0点・平均アシスト数 4.0本でした。
3/20現在では、
平均得点数 14.0点・平均アシスト数 4.8本というように
スタッツを伸ばしています。
シュート成功率こそ下がっているものの
(おそらくどのチームからも激しいマークに合っている)
得点・アシストで結果を残しており、
コートにいるときには攻撃の起点として注意が必要です。
プレイタイムも伸びており、
コーチ陣・チームからの期待が反映されています。
この# 13 阿部をどのように抑えるかが
レバンガ北海道の勝敗の鍵を握りそうです。
前回(12/6)は26分出場、18得点(3Pt 1/4)、8アシストと、
活躍を許してしまう結果となり、敗因の一つとなりました。
◯ 試合展望は?
# 40 ウェルシュが
1/28の信州ブレイブウォリアーズGAME2で負傷して以来、
リバウンドで苦戦を強いられているレバンガ北海道です。
(左肩関節脱臼 2/6にインジャリーリスト登録)
# 40 ウェルシュ離脱以降のレバンガ北海道は
9戦で2勝(どちらも対横浜ビーコルセアーズ)、
現在6連敗と非常に苦戦を強いられています。
内容としては、
B1西地区首位の琉球相手に僅差で惜敗するなど、
サイズのハンディキャップを
全員バスケで補おうとする姿勢が
印象に残ったブースターも多いことでしょう。
それだけに、
あと一歩で勝ちを逃してしまうような試合で
チームもブースターも悔しい思いをしてきました。
そのような状況下で
# 22 リード・トラビス加入という朗報があり、
本日の仙台89ERS戦から出場可能になっています。
レバンガ北海道も
外国籍+# 4 寺園に得点を依存するチームスタイルから
本来目指している全員バスケの理想形に
少しずつ変化しつつあります。
# 81 関野のランニングプレイとコーナースリー
# 66 松下 # 6菊地の3ポイント、
# 7 中野の復調、# 2 ラモスの多彩な得点パターン、等
得点のバリエーションが増えてきています。
ここに# 22 トラビスが加わると、
さらに得点面での安定感と選択肢の数が増すので
残り18試合で1試合でも多く勝ちを手にして欲しいものです。
さて、試合展望を考える上で、
試合前インタビューで小野寺HCが挙げていた
仙台89ERSのチーム・スタッツの補足として
POSSとPACEを挙げたいと思います。
POSS
レバンガ北海道 71.6 (B1 17位)
仙台89ERS 73.9 (B1 4位)
PACE
レバンガ北海道 71.4 (B1 14位)
仙台89ERS 73.7 (B1 4位)
POSSは「ポゼッション数」を表し、
攻撃機会の総数を表します。
このスタッツから、仙台89ERSはB1の中でも
攻撃回数が多いという特徴があることが分かります。
また、
PACEはその名の通り「ペース」を表し
攻撃効率の指標となります。
POSSに類似した数値になりますが、
実際のゲーム時間が反映された値がPACEとなります。
40分間の攻撃回数と
オーバータイムを含めての攻撃回数とで比較すると、
単純にポゼッションの「数」だけで比較できないので
実際のゲーム時間(MPG)を加味した数値がPACEなのです。
PACE = POSS / MPG
したがって、
レバンガ北海道と仙台89ERSとで比べた場合に
2ポイント試投を好むという点では共通している一方で
攻守のテンポの速さに大きな違いがあることが分かります。
アップテンポの試合になれば、
仙台89ERSが主導権を握っているとも捉えられます。
レバンガ北海道としては、
・外国籍+# 13 阿部の得点をいかに抑えるか
・リバウンドを制することができるか
・試合のテンポを自分たちのリズム(遅い展開)にできるか
この3点が勝利の鍵になりそうです。
そのような点で
# 22 リード・トラビスの加入は
プラスに働く要素しか無く、
是非とも勝利に貢献してもらいたいです!
6連敗を味わいましたが、
大きなビッグニュースがありました。
ブースター一丸となり、全緑応援しましょう。
ガンバレ・レバンガ!
文) アズマ・リュウセイ
写真) 民谷 健太郎
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