【分析】 FE名古屋
第3節
FE名古屋 AWAY戦
GAME1 2024/10/19(土) 15:35-
GAME2 2024/10/20(日) 15:35-
レバンガのミカタでは
より面白く試合観戦できるよう
相手チームの分析を行っています。
特に、選手のプレイタイムは
コーチ陣からの信頼を反映した指標の一つなので
毎回チェックしていこうと思います。
それでは一緒に
スカウティングを始めていきましょう。
◯ 相手チーム成績
開幕4戦 1勝3敗(勝率 .250)
平均得点数 66.0 22位
フィールドゴール成功率 39.0% 22位
3ポイント成功率 26.4% 22位
フリースロー成功率 79.2% 6位
平均失点数 79.5 19位
平均リバウンド数 37.8 11位
平均アシスト数 16.3 18位
昨シーズンは33勝27敗と勝ち越しており、
中地区においても強豪の部類に入るクラブチームです。
ただし、アジア・帰化枠のところで
ルーク・エヴァンスを手放してしまったのと
アーロン・ヘンリーを怪我で欠いているのとで
開幕4試合は苦戦しているように見えます。
対戦相手は、名古屋DD、大阪の4戦であり、
名古屋DD相手の開幕戦で1勝を挙げています。
◯ プレイタイム分析
(開幕4試合平均)
1. #3 並里 成 28:03
2. #54 ショーン・オマラ 26:20
3. #23 保岡 龍斗 25:56
4. #32 ジャスティン・ハーパー 25:29
5. #8 佐土原 遼 20:32
6. #18 内尾 聡理 16:16
7. #10 杉本 天昇 15:02
8. #13 中村 浩睦 14:15
9. #21 笹山 貴哉 12:30
10. #5 アイザック・バッツ 12:24
昨シーズンから継続の# 54 オマラと
2024-25シーズンに新規加入した#3 並里の2選手が
プレイタイムも多く注目です。
また、この2人はピックアンドロール等の
コンビネーションでオフェンスを牽引するので
FE名古屋の攻撃起点として脅威になっています。
日本人選手のプレイタイムが多いのも特徴であり、
# 23 保岡、# 8 佐土原を中心に、
# 18 内尾、# 10 杉本のプレイタイムも
現時点で15分を超えています。
# 5 バッツのプレイタイムが
開幕4戦で、平均12分24秒なのが気になります。
(4戦とも出場していますが、7分47秒〜16分13秒の範囲です)
35歳とベテランの域に達しており、
体重も134kgと大柄なので
ビッグマンの走力が求められる現代バスケでは
プレイタイムを勝ち取るのは難しいのかもしれません。
(怪我等の可能性もありますが、確かな情報はありません)
帰化・アジア枠の選手は
# 88 曾 祥鈞です。
205cm 95kgと体格に恵まれたビッグマンです。
(平均プレイタイムは8:10、平均得点1.8、平均リバウンド2.5)
昨シーズンから加入した# 11 アーロンヘンリーは
怪我で戦線離脱しています。
小野寺HCの事前インタビューにあるように
FE名古屋の臨む理想形とは異なるように感じます。
ハンドラーとして# 3 並里が参入した影響もあってか
# 13 中村(浩)と# 21 笹山のプレイタイムが
昨シーズンと比べて減っています。
プレイタイムを眺める限りでは
2024-25シーズンのFE名古屋は
# 3 並里と# 54 オマラのホットラインが強みであり、
対戦相手として対策を要することが分かります。
◯ シュート試投数
チームからの信頼を測る指標として
プレイタイム以外にはシュート試投数が挙げられます。
一般に、プレイタイムとシュート試投数は
正の相関関係になることが知られているので
このパラメータも見ていきましょう。
(# 1 関野のようにディフェンダーとして期待されて
プレイタイムを維持するような選手は例外です)
開幕4試合平均
( )内は3ポイント試投数を表します。
1. #3 並里 成 13.8 (5.5)
2. #54 ショーン・オマラ 8.8 (0)
3. #32 ジャスティン・ハーパー 8.8 (2.5)
4. #23 保岡 龍斗 8.3 (5.5)
5. #8 佐土原 遼 6.0 (2.3)
6. #10 杉本 天昇 5.8 (4.0)
7. #21 笹山 貴哉 5.0 (3.5)
8. #13 中村 浩睦 4.0 (2.0)
9. #18 内尾 聡理 3.5 (2.5)
ほぼプレイタイム順に
フィールドゴール試投数が並んでいることが分かります。
得点の起点が限られているという点では
守る側としても対策が練りやすいという傾向にあります。
◯ 平均得点
上記のスタッツを踏まえ、
得点源を確認していきましょう。
開幕4試合平均
1. #3 並里 成 12.3 (6/22 27.3%)
2. #54 ショーン・オマラ 12.3 (3ポイント試投なし)
3. #32 ジャスティン・ハーパー 9.5 (3/10 30.0%)
4. #8 佐土原 遼 6.8 (4/9 44.4%)
5. #10 杉本 天昇 6.3 (5/16 31.3%)
6. #23 保岡 龍斗 5.8 (4/22 18.2%)
7. #13 中村 浩睦 5.5 (3/8 37.5%)
8. #21 笹山 貴哉 4.5 (1/7 14.3%)
9. #18 内尾 聡理 2.5 (2/10 20%)
# 3 並里、# 54 オマラ、# 32 ハーパーに得点が偏っており、
FE名古屋の総得点のおよそ半分をこの3名で占めています。
3ポイントの確率が高いのは# 8 佐土原、#13 中村であり、
試投数の割に# 3 並里、# 23 保岡が成功率で苦戦しています。
また# 5 バッツが平均得点で下位にいるのが意外です。
チームとしての3ポイント成功率はB1ワースト3位で26.4%です。
(ワースト1位はレバンガ北海道で22.3%です)
◯ 注目選手
プレイタイムやシュート試投数から分かるように
# 3 並里と# 54 オマラのコンビネーションがポイントです。
この2選手をどのように対策していくのか。
そして、その次のオプションとなる
# 32 ハーパー、# 8 佐土原、# 23 保岡、# 10 杉本らを
どのように止めるのかが重要になります。
#3 並里 成
35歳 172cm/72kg
平均プレイタイム 28分03秒
平均得点数 12.3 (FG% 34.5% 3FG% 27.3 FT% 83.3%)
平均アシスト 4.5
平均リバウンド 3.8
ショットチャートでは、全試投数55本のうち、
トップ~左右45°の3ポイントが20本
ペイントエリア内(ゴール下より遠い距離)が27本と
得意とするシュートエリアが限られています。
# 54 オマラとの連携を強く反映していそうな結果になっています。
今季はミドルレンジのショットはほぼ皆無であり、
コーナーでの3ポイントもほぼありません。
#54 ショーン・オマラ
29歳 208cm/116kg
平均プレイタイム 26分20秒
平均得点数 12.3 (FG% 51.4% FT% 76.5%)
平均アシスト 3.3
平均リバウンド 9.0
ショットチャートは極めて潔い感じの、
ペイントエリアのみの試投となっています。
これは単純にハーフコートバスケのポストプレイだけではなく
ビッグマンが先行する速攻による得点も含まれています。
ペイントエリア内のフィールドゴール成功率は
51.4%(18/34) と非常に優秀です。
ピックアンドロールや速攻、リバウンドと
非常に献身的な素晴らしいプレイヤーです。
リバウンドは1試合平均 9.0であり、攻守の要です。
FE名古屋の4試合での合計フィールドゴール試投数は254です。
うち、
・# 3 並里のスリーポイント、ペイントエリアでの試投、
・# 54 オマラのペイントエリアでの試投
を合わせると83になり、
実に3回に1回のシュートは2人のどちらかが占める
という計算になります。
◯ 見どころ
レバンガ北海道も開幕から複数人の怪我人を抱え、
4連敗と苦戦を強いられています。
しかし、
昨シーズンまで在籍していた中心選手が健在であり、
# 40 ウェルシュ、# 5 クリーナーが調子を上げており、
強豪 長崎相手に一桁差で喰らい付いたことを考えると
さほど悲観する必要も無いと感じています。
前述の通り、# 3 並里 と # 54 オマラのホットラインを
どのように抑えるかが、いちばんの見どころです。
もし、うまく2人を止められた場合には
第2、第3のオプションとして
# 8 佐土原、# 23 保岡、# 10 杉本が3ポイントを中心に
ゴールを狙ってくることが予想されるので、
ウィングポジションのディフェンスにも注目です。
両チームとも、得点面で苦戦をしている点で共通しています。
・レバンガ北海道 平均62.0点 24位
・FE名古屋 平均66.0点 22位
レバンガ北海道のディフェンスは
これまでそれなりに機能していて、
B1中間層の77.3点 15位という結果を残しています。
この2試合に関しては、
どちらのチームがオフェンスで優位に立てるかが
勝敗に大きく影響しそうです。
アウェイ5連戦の最初の2試合を
何としても白星で飾りたいですね。
個人的には東海大の先輩後輩の関野-佐土原の
フィジカル対決に注目しています。
# 5 テリー・アレンも帯広でジャージを着て
ウォームアップに参加していたので
復帰間近とも読んでいます。
チームのピンチを救ってくれるとうれしいですね。
今日も明日も全緑で応援しましょう!
がんばれ、レバンガ!
文=アズマ・リュウセイ
写真=民谷 健太郎