そうだ、原稿合宿へ行こう。
私はプロ野球ファン(横浜DeNAベイスターズファン)を兼任している同人屋です。
今シーズンはポストシーズンが大変激アツな展開(レギュラーシーズン3位から26年ぶりの日本一)でした。
日本シリーズ終了後、テレビや雑誌などの媒体で色んな特集が組まれたり、日本一の記念グッズが発売されるなど非常に楽しい毎日を過ごしていたんですが……
いや、私2月の原稿全然やってないよな!?
というようにプロ野球に夢中になりすぎて、原稿がほとんど進んでいないという有様でした。
せっかく開催される、推しカプのオンリーイベント。しかも、新刊カード集めようと複数の方々へ呼びかけした本人の机の上に新刊がないのはいくらなんでもヤバくない!?と危機感を募らせた私は「一人原稿合宿をやるしかない!」と思い立ちました。
お世話になったホテル
そんな訳で予約したのが【THE RYOKAN TOKYO YUGAWARA】です。
原稿合宿に特化したプランを用意しているという、同人界隈ではかなり有名な宿泊施設。
「とにかく少しでも原稿を進めたい」「作業に集中したい」と思っていたので、利用は初めてでしたが、2泊3日(5食付)の原稿合宿のプランを選択しました。
ホテルに着くまで
持参品
自宅から持参したものは、下記の通りです。
色々用意はしたけど、紅茶とコーヒーがホテルで飲み放題だったので、持参しなくても良かったかな。原稿に使える貸出品(後述)も色々ありました。
部屋着と浴衣のレンタルがあるので、こだわりがない人は着替えだけ持参でOKだと思います。
◆原稿に使うもの
⚪︎iPad+Apple Pencil
⚪︎折り畳み式のBluetoothキーボード
⚪︎ポメラ(iPadが使えなくなった場合の代替機)
◆旅のおとも
⚪︎飲み物(アルコール:缶ビール1本と缶チューハイ1本、ペットボトルのお茶、スティックタイプのカフェオレ、ティーバック)
⚪︎お菓子類(おつまみになるようなもの)
宿泊当日
12:00 小田原駅着
小田原駅からホテルの最寄り駅の湯河原駅までは電車で15分程度ですが、チェックインは16時。
小田原駅で昼食を取った後、小田原城へ登城するなどして時間を潰しました。ついでに近くのスーパーで飲み物やお菓子を調達。
15:45 湯河原駅着
湯河原駅周辺は冗談抜きで何もないです。駅前のコンビニも小規模。飲み物や軽食などをホテルへ持ち込みたい場合は小田原駅など大きい駅で途中下車してから来た方が良いです。
最寄りの家電量販店は湯河原駅からそこそこ距離があるので、なるべく現地調達せずに済むようにしておいた方が良いと思います。
16:00 湯河原駅でタクシーに乗る
湯河原駅からホテルまでは【ホテルの送迎バス(事前予約必須)】または【タクシー】を利用することになると思います。
ホテルのHPではバスでも…と書いてはありますが、周囲は住宅街で坂も多いので【ホテルの送迎バス】を予約しておくことをすすめます。私は送迎バスの予約をすっかり忘れていたのでタクシー利用しました。(タクシー代だけで1600円取られたので、痛い出費でした…)
16:15 ホテル着
ホテルに到着し、チェックインを済ませます。フロントデスクでチェックインの手続きを済ませ、簡単な館内の案内などを受けた後、オプション(後述)として付けていた「インク作り体験」の説明も続いて受けました。
食事の時間もあわせてこのタイミングで決めます。3日間、同じ時間に行くことになります。私は朝食:8時、昼:12時、夜:19時にしました。
原稿合宿をしてみた感想
観光ではなく原稿をしに来ている自分としては、本当に良い環境で作業できました。
今回の合宿で1万字進んだら御の字だな〜なんて思っていましたが、個人目標も達成できて満足でした。
良かったところ
貸出品の種類が豊富
本当に色々なものが用意されています。
浴衣やジャージの他にキーボードやコード、iPadなどが置けるスタンド、液晶モニター、DVDプレイヤー、ボードゲームなどなど…。
私が今回宿泊した「クリエイターズルーム」という一人部屋にはタイプライター型のキーボード(Bluetooth接続可)とスタンド、マウス、クッションが備え付けられています。
iPadユーザはスタンド類は持参しないで良いと思います。あと、貸出品にはWacomの液タブも置いてあった(ざっと見た感じペンタブはなさそう)ので、人によっては液タブも持ち込まなくて良いかも?
集中して作業をするには最高の環境
原稿するには、本当に良い環境です。館内も静かなので、とにかく作業に集中できます。
食事の時間が固定なので、その時間にあわせて作業をする…というサイクルになるので、「この時間までにここまで進めよう」という感じで目標が定められます。
24時間利用が可能なコワーキングスペースは綺麗で広々。色んな本が置いてあり、眺めているだけでも楽しかった。
コワーキングスペースにも栄光の見本誌や紙のサンプルが複数冊置いてあるので、特に特殊装丁の実験本に関しては「新刊の装丁デザイン練り直そうかな〜」なんて刺激につながりました。
また、20時までコーヒー・紅茶・緑茶・ハーブティーが飲み放題。部屋に持ち込んでもOKなので、飲み放題なのはありがたかったです。
女性一人でも安心
3日滞在していて、ほぼ女性にしか会いませんでした。また、私と同じようにほとんど1人で来ているようでした。
昨年に改装したばかりの一人部屋「クリエイターズルーム」の利用でしたが、お部屋はとても綺麗。トイレ・洗面台などの水回りも綺麗。ベッドなので、布団の出し入れもしなくて良いのがとにかく気楽です。
面白い宿泊オプション
予約時にオプションとして「インク作り体験」(有料、宿泊料金に加算あり)などを付けることができます。2泊3日にしたので、私は付けてみました。
①インク作り体験
やり方はとても簡単で10色の中から2〜4色を選び、パレットへインクを出してインク同士を混ぜる…という流れで色を作ります。
原稿とか日々の疲れとかを忘れて、黙々とインクを混ぜて色を作るって作業できて楽しかった。オリジナルインクのレシピが決まったら、指示書をスタッフさんへ渡して作ってもらいます。
②原稿やります宣言
こちらは無料オプションです。
何をするのかと言うと「夕食までに2000字書きます!」とか「ネーム終わらせます!」とか、そういう具体的な目標を事前にスタッフさんに申告して、夕食の時に達成できたどうかを聞かれるというものです。
スタッフさんへ実際の成果物を見せる訳ではないので、達成状況については完全に申告ベース。ただ、具体的な目標を数値化して宣言することでいつも以上に気合いが入ったと思うので良いオプションだなと思いました。
目標を達成すると、夕食の時に注文できるドリンクが無料になるというサービスがあります。
ご飯が美味しい
ご飯が本当にどれも美味しかった。
少食な私にはご飯が多くて食べ切るのが大変でしたが、湯河原で取れたお魚を使った色んな料理がいただけます。味付けも良かったです。
夜には「湯あがりミルクチーズケーキ工房 ふろまあじゅ」(チーズケーキ風のアイスクリーム)がついてくるで、アイス好きの私としては嬉しかった。
【1日目】
◆夜
【2日目】
◆朝
◆昼
◆夜
【3日目】
◆朝
気になったところ
ホテルとしてのサービスは今ひとつ
居心地は良いですが、セルフサービスが多いので、ホテルとしてのサービスに期待して行くと間違いなく肩透かしを食らうと思います。
最小人数で回しているためか、フロントデスクにはスタッフさんがおらず、何か用があれば、フロントデスクの呼び鈴を鳴らす必要があります。ホテル到着時、フロントにはスタッフさんの姿がなく、「土足で上がって良いのか?それとも靴は脱ぐのか?」みたいな感じで、しばらくキョロキョロしてました(靴を脱いで上がるが正解)。「土足厳禁・履き物脱いで上がってください」の看板が出てた方がありがたかったです。
温泉(大浴場)が小さい
大浴場は室内浴場1つのみ。温泉を期待するとだいぶ物足りなく感じます。
決して汚い訳ではないんですが、脱衣所も含めて何だか古めかしい雰囲気でそこそこ年季の入っていると思われます。
なお、大浴場は16時〜翌朝8時までであれば、何度でも自由に入れます。
私はお風呂好きなので、なんだかんだで5回くらい入りました(夕食前や原稿ひと段落した時とか)。
部屋にバス・シャワーがなく、洗面はお湯が出ないので、洗顔も兼ねて朝風呂したりもしました。週末の状況はわからないですが、滞在中は脱衣所も含めて誰とも遭遇することなく貸切状態でした。
支払いはキャッシュレスのみ
宿泊費は前払いのため、夕食時にジュースなどの追加注文を行った場合、チェックアウト時に精算が必要です。支払いに現金は使えず、キャッシュレス決済(交通系ICやPayPay、クレジットカード)のみです。
逆に館内の自販機は電子マネーが使えず、現金のみでした。どちらかに統一するor両方使えるタイプにして欲しかったです。
廊下が寒い
部屋にはエアコンがありますが、11月下旬だったので、廊下がとにかく寒かったです。きっと夏場は暑い。
夜になると、廊下は真っ暗になります。足元しか照らされていないので、大浴場に行く時や階段の上り下りがちょっと怖かった。
総評
気になる点も多々ありましたが、観光ではなく原稿をしに来ている自分としては、2日間本当に良い環境で作業できたと思います。
観光や温泉とか原稿以外のこともしたいって人には物足りないと思うので、隣駅の熱海や、同じ神奈川県内なら箱根などをあたった方が良いかなと思います。
ともあれ、私は作業が捗って本当に良かったので、機会があればまた利用してみたいかなと思います。