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同人小説の原稿、どうやって作成していますか?

新年明けましておめでとうございます。
さて、みなさん、年末年始いかがお過ごしでしょうか。しがない同人文字書きの私は2月のイベントに向けて絶賛原稿中です…汗

締切が1月中旬にまで迫り、かなり切羽詰まっている状況ではあるのですが、原稿を進める中で「みんな原稿(小説)ってどうやって書いてるんだろう?」という疑問が私の中で湧いてきました。

X(旧Twitter)のTLに投げたところで、恐らく答えてくださる方は少ないのでは…?と思ったので、個人的な備忘も兼ねて当記事を作ってみました。
自分はどうしているのかとか、原稿作りにあたって参考にしている本などがあれば教えてくださると幸いです。

作業環境に関して

私が原稿をする際の作業環境については、以下のとおりです。

  • ネタ出し〜プロット :Trello(iPhone)

  • 下書き・本文(7割):縦式(iPhone)

  • 本文・推敲     :一太郎(PC)

  • 入稿データの作成  :JUST PDF/cube PDF(PC)

各作業工程に合わせて色々とツールを使い分ける派です。上記のとおり、私は終盤の工程を除き、スマートフォン(iPhone)を使っています。(通勤などの移動時間も原稿できるので)

アイディア出し〜プロット

【Trello】

主にネタ出しやプロットを練る時に使っています。また、写真なども貼り付けられるので、装丁のコンセプトなどもこちらのアプリケーションを使ってアイディア出ししています。
「Trello」では付箋をいくつも作って、ノートに貼って行く感覚でアイディアを整理できるので

漠然としたアイディア(どんなものが書きたいのか、そのために必要な要素、書きたい場面や台詞等)を出す
→組み込みたいところに放り込んだり、分解したりを繰り返す

といった感じで、頭の中で散らばっているアイディアの整理が手軽にできて便利です。
この段階で使えそうなアイデアと、いったんボツにするアイデア(後で使えるかもしれないので、消さずに取って置く)等を分けたり、シナリオに関しても複数パターンを考えたりします。

プロットを作成する意義

プロット作成の段階ではまだ本文を書いてないので、己の力量等と照らし合わせて実現可否は考えずにトライアンドエラー(自分が「これ良い!」ってなるまで)を繰り返すことに注力します。
私も以前はプロット作りが苦手だったんですが、プロット作成は《物語の始まり〜結末のロードマップを作る=ある程度の着地点を決めておく》ことが目的の作業だと思っています。
ネームを切ってから描き始める漫画とは違って、文字はページ数を無限に増やそうと思えば、増やせてしまいます。ゆえに着地点があまり固まってない状態で本文を書き始めると、展開と展開がうまく繋がらずに手詰まりになったり、急遽、思いついてしまった展開に向かいたいがために本文へ大幅な手入れをしないといけない…という現象が発生します。私はそれで散々痛い目を見てきました…。
後々に物語の流れを見直しや手詰まりになった時の原因を探るのも容易になりますし、この段階での作業は原稿を進めるうえでも重要だと思います。

下書き・本文(7割)

【縦式】

プロットがある程度固まったら、「縦式」を使って下書きを書いていきます。
ちなみに「縦式」は入稿データ(PDFや画像データ)まですべてスマートフォン1台で作れてしまう素晴らしいアプリケーションですが、禁則処理に関してはそこまで優れていません。そのため、私は「縦式」(iPhone・iPad)で書いて、60〜70パーセント程度が完成したら「一太郎」に流し込んでいます。
ただ、入稿データがスマートフォンで作成できて、しかも、人気の本文フォントである「ヒラギノ明朝」が使えるのは「縦式」の強みです。非常に優秀なアプリケーションなので、「縦式」は広告削除だけでも課金することをおすすめします。

本文・推敲

【一太郎】

「Word」でも別に本文は作れなくはないんですが、「Word」は英語などのアルファベットで記述することを前提に設計されているアプリケーションなので、日本語の文章を書いていると微妙にレイアウトがズレてきます。
ある程度本を出すようになると、そういったことが気になってきますし、自然とやりたいことも増えます。(「一太郎」は日本語で記述することを前提として設計されています)
もし今からワープロソフトの購入をご検討されているようであれば、「一太郎」はおすすめのソフトですので、ぜひご検討ください。私はメーカーの回し者ではありません。
「一太郎」のメリットをいくつか紹介しておくと、

  • レイアウト設定済のA5版や文庫本等のテンプレートが収録されている。あわせて目次のテンプレートも用意されているため、簡単に整った目次を作成できる。

  • Pixiv等のサイトへ投稿する際、サイト独自の特殊タグに対応した自動変換を行ってくれる。

  • ファンクションキーに二倍ダーシ(——)や三点リーダ(……)が割り当てられているため、素早く入力できる。

  • 柱の編集や目次の管理が楽にできる。

  • 毎年リリースされるプレミアム版では人気の有料フォントが多数収録されている。(リュウミンや筑紫明朝など)

  • プレミアム版には、本文読み上げソフト「詠太」が同梱されている。

などがあります。
特に本文読み上げソフトの「詠太」は推敲作業に便利です。誤字脱字チェックに関してはPDFを自力で読んでチェックするよりもかなり楽になりました。

きっちりページのレイアウト(版面)を設計することを考えると、Adobeの「In Design」の方が望ましいとは思うものの、評判を聞いていると使いこなすのがだいぶ難しいようなので…。
「一太郎」でも十分原稿データは作れているので、今のところ「In Design」までは導入しなくても良いかなと思っています。

入稿データ(PDF)を作成

【JUST PDF/cube PDF】

本文を書き終えた後は「一太郎」から入稿データ=PDFに変換します。(小説原稿はPDFで受付してくれる印刷所が多く、PSDよりもPDFの方が仕上がりが綺麗なようなので、PDFでの入稿が良いと思います)
PDF化する際のソフトについては、「JUST PDF」または「cube PDF」を使用しています。
「JUST PDF」は「一太郎」のプレミアム版を購入すると、付属してきます。「cube PDF」はフリーソフトです。
使用するフォントの種類によってはフォントの埋め込みが上手く行かないケースがある(レイアウトが崩れたりする)ので、この二つの併用に落ち着きました。


余談

表紙などの作成について

表紙等に関しては「Photoshop」を利用して作成を行なっています。(市販されている素材集やフリー素材などを組み合わせて作成しています)
私は一眼レフのユーザなので、写真の編集(主にRAW現像)や写真データの管理にPhotoshopとLightroomを利用しています。入稿データに関しては色んな形式で受け付けている印刷所も存在しますが、PSDはほぼどこも対応しているので、「課金しても良い」って方はオーソドックスなフォトプランを契約しておけば良いと思います。

プロットについて

プロット作りに関しては私自身があれこれと語れるほど勉強できていないんですが、私の場合は、今のところ下記の2冊を主に参考としています。

プロットや小説の書き方などの本は世の中にたくさんあるんですが、結局は自分が書きたいように・書きやすいように書くのが一番だと思います。
こうした本の中で「プロットは、アナログで作成する(=ノートにペンで書く)べき」という一文を目にするんですが、漫画でネームを切ったり、アニメの絵コンテを作成するのと同様、とにかく「本文を先に書かない」というセオリーさえ守っていれば、ツールに関しては何を選択しても良いんじゃないかなと思います。

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