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商標登録した方がよいビジネス

40代弁理士の石川です。今日は、商標登録を行なった方がよいビジネスについてコメントします。

商標登録に親和性がないビジネスって何でしょうか?

今の時代、あまりないと思うのですが、強いて挙げるとすれば、地元で古くからやっている商店などで、これからも事業拡大する予定がなく、子供などに事業承継もしない場合です。

一方、商標登録した方が良い場合は、地元に根付いている商店や企業であるがこれから新規分野に進出したい場合、インスタグラムなどのSNSでの集客を考えている場合、子供の世代への事業承継を考えている場合などです。理由について順番にコメントします。

1.商標登録不要の場合

もう自分の代で事業を畳むということであれば、あえてコストをかけて商標登録をする必要はないかもしれません。

仮に第三者に屋号と同じ商標を取られてしまった場合でも、先使用権が認められるケースもあるでしょうし、相手の権利がサービスマーク(役務を指定する商標)であって、サービスマーク登録制度が平成3年法改正によって設立される前から、こちら側が継続的に使用している場合には、サービスマークの継続的使用権が認められる場合もあります。

そもそも、地元で細々とやっている商店にわざわざ費用をかけて権利行使するのか、微妙なケースも多いかと思います。

2.新規分野に進出する場合

新規分野に進出する場合には、意図せずに相手の商標権を侵害してしまう可能性があります。主に調査漏れなどが原因です。

新規分野では、こちら側に商標使用実績がなく、先使用権を主張することが難しいので、他社に先んじて、商標登録を行っておく必要があります。

3.SNS、メルカリ等での集客を考えている場合

この場合も商標登録を行う必要があります。2021年に、メルカリなどでハッシュタグに有名ブランドの名前を使用した個人が商標権侵害で差止請求された裁判例が出ました(シャルマントサック事件)。

たとえ、主婦が個人でビジネスを行っている場合でも、インターネットの世界ではいきなり全国区になってしまいますから、個人なので許して下さいという論理は通用しません。

したがって、このような場合も、キチンと商標登録した方がよいケースになります。

また他人が所有する商標権を侵害しているか否かについても、十分に検討するべきです。

4.事業承継を予定している場合

子供の代に事業承継する場合、既存のビジネスとは別に新しいビジネスを始めたり、ショッピングモールなどに新規に出店したりする場合があります。

そのような場合には、2代目の方がSNSやインターネットを使って、大々的に集客をされる場合があります。そのようなタイミングで商標権侵害の警告書を受領をする場合があります。

このような場合も、インターネットによっていきなり全国区になってしまいますから、二代目の方が使用を予定されるビジネスを指定商品・指定役務として、キチンと商標登録をした方がよいです。

私が担当した案件では、先代は屋号にそれほどこだわりがないようでしたが、二代目の方が親が長年使ってきた屋号を残したいということを切望されていました。

しかしながら、ご相談のケースでは、商標権侵害の可能性が疑われ、屋号を変更した方が安全であるというアドバイスをせざるを得ませんでした。

事業承継をさせたい自分の子供に、自分の会社の屋号を使わせることができないとは、何とも残念な話です。

ご自身の大切なビジネスはキチンと商標登録しておくことが重要でしょう。子供に事業承継したい場合は、特にです!

5.まとめ

商標登録が不要なケース、商標登録をしておいた方がよいケースについてコメントさせて頂きました。

もし不明な点がありましたら、個別に弁理士にご相談いただければと思います。


弁理士の石川真一のフェイスブック

facebook.com/benrishiishikawa

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