バウムクーヘンの種類と名称
ふたたびこんにちは、バウムクーヘン情報サイト「バウムの書」note出張所です。今日もバウムクーヘンの話を書いてみたいと思います。
バウムクーヘンと言っても、丸いリング型ばかりとは限らず、四角形であったり、円錐形であったりと、いろいろな種類があります。
日本で売られているものを中心に、名称の違いを書いていきます。
リング型(いわゆる一般的なもの)
こちらは、普通に「バウムクーヘン」といえば連想するものです。ケーキのような大型や、個別包装のミニサイズがありますが、もっとも一般的なものがこちらです。
こちらのバウム写真は、淡路島の「たかた」さんのものです。
バウムシュニッテン(四角、長方形)
四角い形をした、バウムクーヘンです。シュニッテンとはドイツ語で剪定した木を指すようで、カットしてある木の形をしたバウム、という意味だと思われます。ドイツ菓子を出しているお店などによると、スペリングはBaumschnittenです。
この写真は、もう閉店してしまったと思われる、大阪のクラージェさんのものです。
バウムリンデ(四角、長方形)
こちらも四角です。ホレンディッシェ・カカオシュトゥーベ、カール・ユーハイムなどで使われている商品名に、これがあります。
スペリングはBaumrindeで、意味は樹皮のようです。
写真はだいぶ前に購入したホレンディッシェ・カカオシュトゥーベのバウムリンデです。
ピラミッド
バウムクーヘンの焼成機は大型ですので、小規模の店舗や焼き菓子よりも生菓子に力を入れているお店では、なかなか設置できるものではありません。そこで、通常のオーブンで焼ける平らなバウムクーヘンを販売しているお店もあり、名前をピラミッドとしていることがあります。
お店によっては、よりピラミッドのように見えるよう、板状のバウムを斜めにカットして背中合わせにし、三角形にしていることもありますし、あるいは、見た目がバウムシュニッテンのようなものをピラミッドと呼んでいるお店もあります。基本は、平らに焼くものです。
これは今年前半に購入した、都立家政駅「ふじの木」さんのピラミッドですが、このお店ではバウムクーヘンとしてではなく、バタークリームの生菓子として販売していました。
バウムシュピッツ(ひとくちサイズ)
こちらはおそらく、日本でのみの略称ではないかと思います。何軒か、ドイツの有名菓子店のオンライン通販を見て確認してみても、だいたいBaumkuchenspitzen(バウムクーヘンシュピッツェン)と書かれています。
仮にBaumspitzと書いた場合には、木の先端という意味になるので、日本語ではお菓子を連想しますが、ドイツ語ではお菓子を連想しない可能性も。
spitzeという部分に「先」とか「とがっている」の意味があるため、ひとくちサイズとは言っても、真四角のカットではなく、片方が小さめで外側が丸みを帯びている独特の形です。
写真はユーハイム社の、数年前の春に購入した期間限定品です。
ガトーピレネー
でこぼことしたバウムクーヘンです。型をあてて焼く意味での凸凹ではなく、生地をかけながら焼いたのがわかるような、ワイルドな見た目が特徴。
かけながら焼くという意味では、英語でspit cakeと表現されるものと同じ仲間であり、その仲間にはリトアニアのサコティスも含まれます。また、ガトーピレネーと見た目がよく似ている「ガトー・ア・ラ・ブロッシュ」も、この仲間です。
オーボンヴュータンのガトーピレネーは、こちらです。
いかがでしたでしょうか。
これ以外のものもありますので、おいおい追加編集をする可能性があります。たまにご覧いただければ幸いです。
なかなか遠出も難しくなったご時世ですが、落ちついてきたら、普段は電話やメールなどでお世話になっている洋菓子店さんの訪問をしたいと思っています。交通費などに使わせてください。