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Hi-Fi Rushをプレイしています

808がかわいい

Hi-Fi Rush
発売日:2024年3月19日(PS5版)
価格:4180円(通常版)
ジャンル:リズムアクションRPG
プレイ時間:55時間程度

かねてよりやりたかったゲーム

持ってるノートはゲーミング()PCだったので…

このゲームは2023年の1月にPC(Steam)やXboxにてリリースされていたものをPS5に移植したもので、ゲーミングPCもXboxも持っていなかった私にとって、PS5でのリリースは非常に嬉しいものだった。ただ、機を同じくして、このゲームの製作スタジオ「Tango Gameworks」が閉鎖(スタジオ機能は別会社により継承)されることが発表され、続編などはおそらく出ないであろうことは少し悲しくもある。それくらいにこのゲームは非常におすすめできるものだ。FF7リバースが終わってからこのゲームを始めようとしていたのだが、その後はFF7リバースで捻出した時間のツケを払うかの如く仕事にフルコミットしている期間が続いたため、このゲームは遅々として進めているのが現状だ。そのため、タイトルは今までと異なり「プレイしています」の現在進行形となっている。

ウォール・オブ・フェイム(やり込み度)

プレイ状況としては、上の画像(ウォール・オブ・フェイム)の通りで、おおむね75%程度の達成度といっても良いだろう。ただし、追加コンテンツでもある「リズムタワー」や「BPMラッシュ」などのやりこみコンテンツはまだクリアできていない状況だ。

前語りが長くなったので、そろそろゲームの内容について書きたいと思う。

巨大テック企業とちぐはぐな「チーム」

主人公「チャイ」

本作のストーリーをざっくりと述べると、本作に登場する「ヴァンダレイ・テクノロジーズ」は様々なロボット製品を核として一代にして巨大テック企業となり、会社がもはや一つの町になるレベルまで成長した。その二代目である「ケール・ヴァンダレイ」が新たに提唱した「プロジェクト・アームストロング」は、人間にロボットの義肢を手術により付与するという表面上は素晴らしくクールなプロジェクトで、主人公の「チャイ」は何らかの事情で自身の右腕をロボットアームにすべく、手術に臨んだのだが、その手術の過程でミスが生じ、自身の動力部にもともと持っていたミュージックプレイヤー(今の子はiPodと言って伝わるのだろうか)が組み込まれ、その結果、世の中の全てが「ビート」しているように感じてしまうようになる。

ペパーミントと808

そんな彼はヴァンダレイ社にとってプロジェクトの不備で生まれた「不良品」であり、チャイは手術が終わって間もなく、不良品は存在してはならないという極端に厳しい品質部門の方針により、周囲のロボットが破壊すべくチャイを襲うようになる。わけのわからないまま自身の発するビートに乗ってギター型の得物を振り回し撃退していくうちに、自身のビートにシンクロしたネコ型ロボット「808(やおや)」とその製作者であるハッカー「ペパーミント」と出会う。彼女はヴァンダレイ社の「アームストロング・プロジェクト」のウラに潜む真の目的「スペクトラ」を探るべく、協力者を求めており、地下深くを根城としてヴァンダレイ社の様々な情報にアクセスしようと試みていた。出会った当初は、飛びぬけたHappy-Go-Lucky人間のチャイはペパーミントの真意など当然理解することができず、いがみ合うことも多かったが、ストーリーが進行し新たな協力者が加わっていく中で、彼らはヴァンダレイ社の内なる野望を打倒すべく、ひとつの「チーム」として仕上がっていく。といった感じ。

音楽のセンスも良い
公式が自虐するレベル

ストーリーとしても非常にわかりやすいのはもちろん、随所にたる仲間たちや敵のコミカルなやり取り、過去のゲームのオマージュ(あれ絶対ゼノギアスDisc2のアレじゃねーか…)が入ったりするのと、このゲームのアメコミ調カートゥーンのレンダリングがめちゃくちゃにマッチしており、単なる高解像度ゲームとは違った視覚的な満足感も素晴らしかった。このゲームの大きな魅力のひとつとして、ゲームのレンダリングスタイルが挙げられるだろう。見るだけで楽しいというのは、それだけでも十分にプレイする価値があると思っている。

「簡単」リズムアクション

リズムに合わせて動く

このゲームは3DのアクションRPGなのだが、他のゲームと大きく異なる点は、全ての行動が「リズム」によって支配されている。ステージに流れる軽快なBGMのテンポ(BPM)が自身の攻撃、敵の攻撃、周囲のオブジェクトの動き全てに反映されており、曲の「拍」に入力が合致すると「HEY!!」と軽快な掛け声とともにノリノリで攻撃ができるようになる。私はやったことないが、かつて友人がローグライク+リズムゲーの「クリプト・オブ・ネクロダンサー」をプレイしているところを見せてもらったことがあるが、それに似通ったところがある。

コンボ練習もできる

主人公のチャイは一拍の「弱攻撃」と二拍の「強攻撃」を組み合わせることでコンボができ、コンボによって最終入力に2拍のタメの後に画面表示に合わせて攻撃ボタンを入力することで、強力なフィニッシュ攻撃「ビートヒット」が出るようになる。弱攻撃、強攻撃の組みあわせにより作れるコンボは20個近くあり、リズムアクションならではの「1拍置く(レスト)」ことでコンボが変化したり、入力に応じて地上コンボから空中コンボへ移行するようなものも設定されている。

仲間たちを呼び出して攻撃することもできる

曲のテンポもチャプターごとに違う音楽があるため140bpm近い速いテンポから100bpm程度のゆったり目のテンポもあり、ステージに応じて流れている曲の「ビート」にしっかり乗ってプレイする必要があるのだが、高難易度になりがちなアクションRPGに「リズムに乗る」要素が追加されるとプレイヤーにとって難しいものになるはずなのだが、このゲームはとにかく「リズムに乗る」ことにまずは集中できるような設計がされている。攻撃のエイムは近くの敵に(時に困るのだが)自動で追尾するようになっており、敵ももちろん曲のビートに合わせて攻撃行動をするし、あらゆる攻撃に予備動作や攻撃範囲の表示が設定されている(連続攻撃の場合は攻撃前にリズムを教えてくれるものもある)ため、事前の対策が非常にしやすくなっている。その分集団戦では予告音があるからと画面外からの攻撃が結構な頻度で飛んでくるようになっているのだが、チャイのガード行動「パリィ」は全方位対応のため、タイミングさえ合えば必ず相手の攻撃を防ぐことができるし、相手の攻撃方向にレバーを倒しながらパリィを入力する「ディレクショナルパリィ」を決めるとその後の数拍が無敵になるといった仕様まである。

ステージクリア後に各バトルの評価がされる

「リズムアクション」らしく、ステージ中の各戦闘(コーラス)には、「戦闘スコア」「リズムの正確さ」「クリアタイム」の合計により「ランク」が設定され、特に戦闘スコアについてはいかにリズムゲージ(デビルメイクライのスタイリッシュゲージのようなもの)を高く保ちつつ、同じコンボ一辺倒の立ち回りをしないかが大事になってくる。そして、ゲームが後半になっていくほど、集めたお金(ギア)で様々な技や必殺技が装備でき、リバーブ(必殺技)ゲージを貯めて一気にボスを畳みかけるような動きができるようになってくるころには、このゲームの虜になっているだろう。

「簡単」とは言ったが…

負けるときはあっさり負ける

このゲームは、難易度が5段階に設定されており、特に最上難易度の「リズム マスター」はリズムゲージが最低評価の「D」となった瞬間に即ゲームオーバーとなるシビアな仕様となっている。難易度のリズムマスターでやってると、集団戦で一気に被弾したときにいきなりチャイのHPがストンと0まで落ちすぐにゲームオーバー画面に移行したりすると、結構ビビる。おまけに、リズムゲージの維持のためには「同じ行動を繰り返さない」ことが重要であり、敵が一方的に攻撃する「待ち」のフェーズになるとひたすら回避をリズムよく連打してゲージを持たせたり、やってくる攻撃をできる限りパリィするといった今までの難易度では考えなかったプレイングを意識させられるようになる。

リズムパリィが出ればこっちのもん
ボスキャラは形態移行で演出フェーズに入ったり

別に難易度が最高でなくても、HPがゼロになって負けるというのは初見プレイであればあるあるなのだが、その点はこのゲームは非常に親切にできてあり、大ボスであれば形態ごとにコンティニューポイントが設定してあり、すぐにやり直せるようにしてあるのも良い点ではある(もちろん、そのペナルティとしてステージ全体の評価が一段階下がるといったものもある)
ただ、このゲームにおいて「リズムに乗り続ける」という立ち回りを一部のボス敵では困難にしており、特に上の画像にあるミモザのノーダメージ動画をYoutubeで調べて見ればわかるが、長時間チャイを拘束したうえで一方的に攻撃を繰り出されるような大技をとにかく出させずにひたすらこっちの攻撃を叩き込み続けるような立ち回りをしないとリズムマスターでは結構死活問題でもある。ラスボスもCHORUSパートでかなりの運ゲーを強いられる(一生攻撃せず逃げられるとリズムゲージの維持が少しずつしんどくなってくる)ので、ボス戦は演出重視なのだろうと感じることはあった。

万人に勧めてもいいと思えるゲーム

フォトモードのカスタマイズ性も高い
みんなでヒーローポーズ!

そのような多少の欠点はあれども、このゲームはやればやるほどその楽しさが増幅してくるようなゲームだなと、そこまでやりこんでない私でさえそう思う。良好なビジュアル、40代以上に刺さるであろうロックミュージックの選定とそれを自然にバトルの演出に込める巧さと多くのやりこみ要素があり、これからも時たまやっていけるゲームだなと思った。


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