でっかいレゴを組んだ話
盆休み、でっかいレゴが組みたくなった
盆休み。新型ウイルスの影響もあり勤務先から外出自粛をお願いされた。もちろんそれには強制力がないことを会社も分かっているため、別にどこかに旅行に行ってもよかったのだが、7月中に親族や友人と旅行したので、今年の休みは自宅に居ることに決めた。ただ、自宅でダラダラして過ごすのももったいないので、唐突に定価5万円のレゴを買った。30代独身男性は唐突な出費をする。
買ったのは、ドイツのLIEBHERR(リープヘル)という会社の800tクラスのドラグショベルをレゴにしたもので、800tというのは一般的な油圧ショベルの中では世界最大クラスである。少なくとも、街中で見るようなものではない。
(写真はおそらく150tクラス。2019年のBaumaにて撮影)
組み立てスタート~開封の儀~
開封の儀。レゴの総ブロック数は4100を超える。組み立ては大きく5工程に分かれており、
1) 足回り(走行部および旋回のベース部)
2) 上部旋回体~ブームシリンダ~カウンタウエイト部
3) 作業機部(ブーム・アーム・バケット)
4) 上部旋回体の外装部
5) 仕上げ(キャビンやステップなど)
となっており、レゴおなじみのアイソメトリックなイラストの組み立て説明書に記載される工程は、なんと全部で1000工程。フルカラーの説明書がなんと2冊もつく(上記の公式サイトから組み立て説明書がDLできるので、興味がある方はご覧いただきたい)
レゴテクニックといえば、たとえば車のモデルであれば、エンジンのシリンダブロック部の機構を再現したり、ステアリングすればタイヤが連動したりといったメカニックな部分の再現をするといったものだが、今回のキットはそれだけではない。油圧シリンダをボールねじ機構に置き換え、DC8Vモータの回転によりシリンダが伸縮する。操作はなんとBluetooth。最後にレゴを触ったのが15年以上前の私にとって、すでにこの時点でかなりの衝撃を受けている。マインドストームまだ実家にあったっけ。。
組みあがるのに何時間かかるのだろうかと思いながら、とりあえず1と書かれた袋を開封し組み立てを始めた。
組み立て~第一部~
まずは走行体、左右のクローラーから。たくさんの十字軸と穴あきのビームがテクニック組み立ててるなあって実感させてくれる。
シューおよび旋回ベアリングをつけて下部走行体が完成。
上部フレーム+ブームシリンダ組み立て。
説明書1冊目が終わり。ここまででおよそ7時間半程度。
各工程の終わりに電池ボックス兼制御ユニットと操作アプリをBluetoothでペアリングし、動作チェックを実施。この作業、じつは職場の先輩(同じく30代独身)の家でやっていたのだが、30代のおっさん2名はこの作動テストに感動しっぱなしだった。
組み立て~第二部~
自宅に持ち帰り作業再開。
各シリンダを動かすDCモータは作業機フレーム内に格納される。
リンク部の動力伝達はユニバーサルジョイントを用いる。
シリンダ(ボールねじ)を組付けて、長さを調整して。。。
本体側とドッキング!なお、各部材は3軸(xyz)のうち必ず2軸が固定されるように設計されており、堅牢な構造になっている(なので分解が難しい)
各DCモータと電池ボックスのハーネスの接続先は決まっているが、色分けがなされており、誤組付けしにくいようにできていた。
組み立て~そして完成へ
油圧ホースなどの外装部のディテールアップをして、最終的に完成まで16時間程度かかった。正直めちゃくちゃ疲れた。あと指先がめちゃくちゃじんじんする(2日間くらい痛かった)
11インチのiPadAirにアプリとの比較。わかっていたがめちゃくちゃでかい。ワンルームに置くモノじゃねえ。
アプリと制御ボックスのペアリングはボタンひとつですぐにでき、また動作制限もワンタッチでキャリブレーション(校正)を実施することができる。
操作系統はISOパターンに則っており、油圧ショベルを操作できる人は実機さながらに、そうでない人も直感的な操作ができる。
さらには作業機部の位置制御をタッチで直接操作できたり
動作プログラムを組むこともできる。
感想
レゴすごすぎる(語彙力)
価格はともかく、スケールのでかさ、機構の再現度や操作性は実機さながらで(エンジン音はアプリから出る)、試しに旋回速度を測定すると実機カタログスペックが3.6rpmのところ実測3.4rpmと、スピード感も再現できており、ただただ感服するばかりであった。
退屈になるであろう盆休み、帰省や旅行で使うはずのお金をこのような形で使ってしまったのだが、久々に童心に帰り、機構やパーツが組みあがっていく様に純粋に感動し、出来上がって動かしたときの楽しさを味わい、買ってよかったと思ってる(きっと先輩も退屈していただろうし)。
…問題は、どうやって片付るか。だけど。