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グローバルユース防災サミット2023 事前学習会 〜トルコ大地震を振り返る〜【報告】

2023年トルコ・シリア大地震

2023年2月6日、トルコ南東部を震央としてマグニチュード7.8と7.5の地震が二度にわたって発生し、トルコとシリアを中心に甚大な被害をもたらした。両国での死者数は計56,000人を超え、今なお多くの人々が避難生活を余儀なくされている。
あれから8か月、日本と同じく地震の多発国であり、世界でも有数の親日国でもあるトルコに想いを寄せ、地質学の専門家である大阪公立大学都市科学防災研究センター副所長の三田村先生と共にトルコ大地震を振り返った。

トルコの経緯と多民族性

アジアとヨーロッパにまたがるトルコ共和国は、その前身であるオスマン帝国として15世紀から17世紀に掛けて版図を広げ、西はアゼルバイジャンから東はモロッコ、南はイエメンから北はハンガリーに至る広大なものであった。
トルコ共和国として建国された今でも、クルド、アラブ、ラズ、グルジア、ギリシャ、アルメニア人など多数が暮らす多民族国家である。

日本とトルコとの歴史的関係と災害時の相互援助

日本とトルコの関係性を語るうえで切っても切れない出来事が、1890年のエルトゥールル号遭難事件です。当時、明治天皇へのオスマン帝国からの派遣団が帰途の際、和歌山県沖で台風により遭難、乗組員587名が死亡した事件。地元の串本大島の住民が69名を救助し、日本全国から義援金・弔慰金が寄せられ、生存者は日本海軍により送還されました。

この当時の行動をトルコの方々は今も心にとめておられ、2011年の東日本大震災の際にも支援チームが派遣された。

トルコ周辺のプレート

トルコは北にユーラシアプレート、南にアフリカプレートとアラビアプレートがあり、これらに挟まれてアナトリアプレートがある。
それぞれのプレートの動きにより、国内には多くの活断層を抱え、中でも北アナトリア断層(NAFZ)、東アナトリア断層(EAFZ)は、今回の地震の発生個所となっている。

トルコの耐震設計

日本と同様に地震大国であるトルコも1944年以降、耐震設計基準を制定し、何度も改訂されている。しかしながら、基準に沿っていない建物等や、新たな基準制定前に建てられた既存不適格建物も多く、復興の過程で耐震化をより確実なものにする必要性がある。

今後の課題

復旧・復興を困難にする社会的状況として、トルコ国内はシリア難民の被災者や少数派のクルド系住民といった社会的弱者の問題を抱える。
また、シリア国内は内戦の影響で支援の手が届かず、支援の空白地帯となっている。

「世界的共助」の進展のために

被災地の復旧、復興は刻々と状況が変化していく。
その中で相手にとって何が最善の支援なのか、自分たちの思いだけにとらわれず、対話を通じて考え、行動することが私たちが目指す「世界的共助」の進展において最も重要な視点であることを共有しました。

10月28日(土)の「グローバルユース防災サミット」においてトルコのユースたちとの交流と対話の中からたくさんの答えを見出したいと思います。

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