#3 机上演習の目的と目標の設定
「#2 生成AIは机上演習の効率化に役立つか?」では、ChatGPTを通じて机上演習がどのようなステップで成り立っているのかを確認しました。ここからは、机上演習のステップごとの立案・実施・評価方法について解説していきます(ChatGPTを援用)。今回は机上演習の企画書(or 計画書)の冒頭に掲げる「目的と目標」の設定についてです。
まず「机上演習の目的」ですが、本質的にはどの机上演習も同じなので固定的な文言でよいでしょう。「危機対応能力の向上」や「チーム間のコミュニケーション強化」などを中心に肉付けしてみてください。
次に「机上演習の目標」。これは成果物(達成指標など)や学び(演習を通して参加者にどんな気づきを得てほしいか)などを含むようにします。可能な限り具体的な要素を用いて簡潔に書かなくてはなりません。ここで、ChatGPTに書き方を質問してみます。
Question:机上演習の目標を明確にしたい。大地震が発生した際の初動対応について、次の演習の成果や達成度が分かるように、定量的または定性的なサンプルを示してください。
地震発生直後のオフィス内での社員と訪問者への指示の出し方
地震の揺れがおさまった後の情報収集の流れ
危機対応チームリーダーへの報告内容
オフィスから帰宅できない社員がいた場合の指示の出し方
Answer by ChatGPT:
以下は、各演習の目標を明確にし、大地震発生時の初動対応における定量的または定性的なサンプルです。
地震発生直後のオフィス内での社員と訪問者への指示の出し方:
目標:適切な指示の出し方により、社員と訪問者の安全を確保し、パニックを最小限に抑える。
定量的サンプル:社員と訪問者への避難経路や避難場所の把握率を調査し、演習前後で向上度を測定する。演習前後の適切な指示が得られた社員と訪問者の割合を比較し、効果的な指示の伝達率を評価する。
地震の揺れがおさまった後の情報収集の流れ:
目標:地震後の情報収集の効率化と正確性の向上。
定量的サンプル:演習後、情報収集に関わるチームの情報入手までの時間を計測し、対応速度の向上を評価する。演習後に収集された情報の正確性を確認し、誤った情報の割合を減らすことで得られた改善度を評価する。
危機対応チームリーダーへの報告内容:
目標:危機対応チームリーダーへの報告の適切性と迅速さの向上。
定性的サンプル:演習後に危機対応チームリーダーが受け取った報告書の内容を分析し、必要な情報の欠落や不正確な情報の割合を評価する。演習後に危機対応チームリーダーが報告書を受け取るまでの時間を測定し、報告迅速性の改善を評価する。
オフィスから帰宅できない社員がいた場合の指示の出し方:
目標:オフィスから帰宅できない社員への適切な指示とサポートを提供することによる安全確保。
定性的サンプル:演習後にオフィスから帰宅できない社員への指示の適切性を社員のフィードバックやシミュレーションの評価で判断する。オフィスから帰宅できない社員へのサポートが演習前後で向上したかどうかを定性的なフィードバックをもとに判断する。
【筆者検証済み】
机上演習の目標設定の書き方は色々ありますから、最終的には企画立案者の考え方やセンス、判断の仕方によります。ChatGPTが提示した内容は、やや冗長で多少改善の余地はあるものの、机上演習のプランニングが初めての方にとって、十分に参考になる内容であることは間違いありません。