2020読書の備忘録
「星宙の飛行士」(実務図書出版/油井亀美也
他2名)
この本は、油井さんが実際に宇宙飛行士として宇宙に行った際、ISSから見た景色を撮影した写真集に加えて、油井さんのその時の心境や宇宙飛行士になるまで、なってからを記載したものです。
もともと油井さんのことは、荻上チキさんのTBSラジオ「Session 22」を聞いて知りました。(そこまで宇宙への強い関心があったわけではなく…スミマセン)
写真がすごく綺麗なのはもちろんなんだけど、
わたしの中では、油井さんが宇宙飛行士として訓練等をしていく中で、「自衛隊時代に敵だと思っていたロシア人が、すごくいい人たちで偏見を持っていた自分を恥ずかしく思った」とおっしゃっていたのが印象的で。
大人になったら考え方は変わらないとかって嘘で、自分次第でいろんなことが幾つになっても吸収出来るんだと思ったよ。当たり前かもしれないけど。
あと、陸上ではロシアとアメリカは敵で、みたいないがみ合いとかってあるんだけど、宇宙にいたらみんな仲間で、助けあったりとか、別に誰も戦争なんて望んでなくて、宇宙から地球を見てたらISSにいる人たちの故郷がそれぞれあって、そんな地球を守りたいねってみんなが思ってることとか、すごく伝わってきて、なんだか胸がいっぱいになった。
あと、補給機が届くのに何回か失敗して、ISS内で食糧とか服とかが足りなくなって、ギリギリの時にこうのとりを油井さんが宇宙船?を操作してキャッチするっていう場面があったのだけど。
宇宙での物資不足とか怖すぎるし、ギスギスするのだろうなとか、宇宙飛行士同士って頭が良くてこだわりが強そうだしなんか黙々と作業したり、仲良くないんだろうな、みたいなイメージがあったから、
補給機獲得の時に、アメリカ人飛行士が「あぁ〜あそこに僕のコーヒーが乗ってるね!」とか冗談を言ったり、油井さんのことをおちょくりながらもそんなにプレッシャーをかけないようにする気遣いとか、すごく優しい世界なんだなぁと思った。
油井さんって、自衛隊としてどの国は敵で、どの国は味方でとかって考えを教育されていたからこそ、宇宙っていう広大なところでいろんな人たちと出会って、ひらけた視界も大きかったのかなぁ、なんて思った。
もともと賢かったのだろうから、そんなこともないのかもしれないけど。
こういう物を読んでると、どの国同士もいがみあったりきらいあったりする必要なんかないのになぁって思うのになあ。
むずかしいね。
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