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台湾の神楽はポールダンス?

神楽は、あるいは神様の前で踊るというのは、神様にダンスを捧げることです。
神楽といえば、巫女さんが伝統的な服装を着て、昔から伝わる音楽が流れている中踊る印象が思い浮かびます。


photo credit: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E6%A5%BD

台湾にも神様の前で捧げるダンスがあります。しかし、日本とは、全然違う風景です。台湾の神楽はプロのダンサーがセクシーに踊るのです。
ミニスカートや胸を強調する上着は基本、さらにブラジャーやパンツなどを着たまま舞台に登場するダンサーもいます。ポールダンスやストリップショーもよく見られます。また、現代は昔より少なくなりましたが、葬式や結婚式の中でこのようなパーフォーマンスを用意する主催者もいます。数年前、台湾の葬式ストリッパーが欧米のマスコミで話題になったこともあります。
(ユーチューブで“廟會女孩”、“Funeral stripper”を検索してください)


photo credit: https://www.youtube.com/watch?v=dGCElHodp0U
photo credit: https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=iNrQB6y8Twk

どうして台湾にはこのような特殊な慣習があるのでしょうか?
同じ神様に捧げるダンスなのに、台湾のしきたりと隣の日本では全然違います。
 
理由は三つあると思います:
1.     台湾人にとって、神様は尊い存在であると同時に身近(みぢか)な存在です。台湾に長年暮らしている超・大先輩として見ます。神様も色々面白いものや新しいものに興味があるかもしれないと考えています。神様について言及する時、心に抱いている印象は根本的に日本人やアメリカ人と違います。
2.     昔の台湾は農業社会でした。生活の各方面で親戚や隣の人にたくさんお世話になっていました。神様の誕生日や葬式や結婚式などの行事を行うとき、神様を喜ばせるだけではなく、客達も楽しめ、できるだけ盛り上がるように計画します。
3.     台湾の信仰において、神様と連絡する手段があります。例えば「筊杯(ポエ)」という神様の意思と指示が得られる儀式があります。餃子形の木塊(もっかい)を2つ用意し、投げて落下した後の形や方位からイエスかノー、または決めない(または答えたくない)の答えをもらえます。いくら斬新なアイデアでも、一旦神様から許可が下されると、皆安心して進みます。ちなみに、オープンクエスチョンを質問したい時、「乩童(タンキー)」という台湾のシャーマンに託して、詳しい回答を聞くのも可能です。台湾人にとって乩童は多少ミステリー感がありますか、珍しい存在ではありません。多数の道教寺院(どうきょうじいん)には、憑依される霊媒体質を持つスタッフがいます。
 

photo credit: https://baodao.setn.com/news/634473

台湾に暮らしていた時、宗教行事のセクシーダンスは中国から伝来された慣習だと誤解して、何気なく見ていました。日本に行った後、いろいろな国の人に会って、こういう風景は台湾特有のものだったと気づきました。さらに日本の神楽と比較して、深く考えさせられました。この点による、国の文化と民族性を見ることはとても面白いと思います。


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