「神秘」白石一文を読んで
Kindleでの聴き流しと、時々音楽を聴きながら目で読んでいた。
面白かった。上手く面白くさせられたというか。
神秘という題名や、癌を治す為に人を探しに行く、という部分には少し苦手意識が働き、読んで大丈夫かなと思いながら読み始めた。
というのも殆ど白石一文の著作を読んでしまい、他のものが僅かになっていたからだった。
面白かった部分というのは、余命僅かになり、死ぬ気になればなんでもできる、ということから何でもできる境遇になったにも関わらず、何もしたいことがない、という心境から、少しずつ何かを良くしよう、良く生きようと、時間を大切にしていくところだ。
今の自分もまさにそれを願っており、余命は宣告されていないけれど、来年には40になるということで、未来に期待しつつ今を楽しむことが、難しくなってきた。
白石一文の、理性と、こういった神秘との狭間を行ったり来たりするところのような、何かの境界線を行き来するところが好きだ。