読書ログ_「福岡市が地方最強の都市になった理由」ジブン株式会社経営に当てはめて読める凄い本でした
木下斉さんのファンでVoicyを毎日聴いています。
まちづくりや地方再生のプロの木下さんのお話がなぜ60代のおばちゃんのハートをわしづかみにするのか?
この本を読んですこし分かったように感じます。
木下さんは、自分を一つの会社と見立て、ジブン株式会社経営をしようと呼びかけているのですが、まちづくりも会社経営も一人のウェルビーイングにおいても、共通する考え方ややり方があるからだと思います。
やりたいこと、やるべきことを自分の頭で考え、覚悟を持って前に進んでいく楽しさ、喜び、苦しさは、まちづくりも会社経営も一人の人生も同じなのかなと思いました。
なので、この本は、福岡市がどのようにして地方最強の都市になったのかを読み解く本なのですが、ジブン株式会社経営に当てはめて読むことができるんです。
1.福岡市の個性が光るわけ・・・「制約」を常識破りの発想で打開
周りと同じ事をしていると、金太郎飴のような都市であふれるし、個性や希少性が生まれず価値が生まれにくいというのは、個性より他に合わせる事を重んじる日本人には、耳が痛いことです。
でも常識破りとはいっても、思いつきとかではなく長期的な視点で見直せば、福岡市の考え方や取り組みは、実は極めて合理的な打ち手だったとわかるそうです。
この中で一番ジブン株式会社経営に活かせると思ったのは、4番目の「空港を市街地から動かさない」です。
福岡空港と博多駅、この二つの拠点が福岡市内の中心部に存在し、交通網が1カ所に集約されているのは、実は大変なことだそうです。
この手の開発は、様々な利権が発生するので取り合いになり、力学が働き移転を余儀なくされていくけれど、福岡市は郊外移転をせず市街地空港のままで機能を増強することを決定し、挑戦しているそうです(パブリック・インボルブメント・・・住民と協同し、合意形成を図りながら計画を進める取り組み)。
この章のタイトルが「周りに流されない」です。
たとえば広島空港は、空港移転で利用者が鉄道や他県に分散してしまい、色んなひとの意見を聞き、バランスをとったあまりに裏目に出てしまったケースで、身につまされます。
「嫌われる勇気」という本が流行りましたが、流されない勇気が必要なんだと思いました。
2.「みんな病」に陥らない「覚悟」が原動力
みんなで考えることが目的になり、誰も決定する覚悟を持たず、いたずらに議論だけを繰り返す、苦しい意思決定は先送りして、自分ではない誰かがやってくれるものだと思っている、これがみんな病です。
100人の合意より、1人の覚悟の方が、都市発展において貴重であると木下さんは書いています。
どうして覚悟なのか、それは反対されたりバカにされたりするのは当然で、それに屈してしまったら何もできないので、賛成してくれる人は少ないけれどこれをやるんだという覚悟が必要だというのです。
福岡市を変えた5人を選んで紹介されているのですが、その中で私は以前紹介された本を読んでいたので、川原俊夫氏に強く惹かれました。
明太子の「ふくや」を開業して、明太子を開発し、特許など取らず、明太子のレシピをみんなに公開し、各社が明太子を製造販売できるようにしたそうです。
自分のところだけが儲かっても仕方がない、産業として発展させなければならないという大きな覚悟です。
そしてもう一つすごいのが、稼いだお金を地域に投資したことです。
3.ジブン株式会社経営に取り入れる「福岡メソッド」
①制約から戦略を考える
②新技術を味方につける
③民間資金の力で尖りを作る
1と2はわかるけれど、3については今一つわからないですね。
それは木下さんが普段からよくおっしゃっている、補助金頼みのまちづくりはだめだよということです。
まとめのところで、「自分の頭で考え、自分でリスクを負って物事を進めることこそ重要」と書かれています。
4.おわりに
。。できない、ならどうするか?と打開策を見いだす「ネアカ」力が必要だと最後に書かれていました。
私は、今、マルシェにレモネードを出して売上を上げる体験をしたいと思っていて、食品衛生責任者の資格を取るところで止まっています。
テント持ってないし、屋根のあるマルシェの出展者募集が見つからないし、経費をあまりかけられないしと言い訳ばかり。
このところ、毎日手帳にタスクがマルシェと残り、気分が下がり気味笑)。
ネアカに打開策を見いだせるか、挑戦です。