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読書ログ_「もしわたしが『株式会社流山市』の人事部長だったら」
木下斉さんの「まちづくり幻想」
を読んだとき、紹介されていた本で、流山という、割と近所のお話だったので興味を持って読んでみました。
私自身は、サードプレイスとか、居場所とかそういうものに興味があるのですが、こちらの本は、そういうことではなくて、著者の手塚順子さんが人材育成にキャリアや興味がある方のようで、何かやりたいことがある人が、仲間に出会ったり、挑戦したり失敗したりして育っていき、夢を自分の力で実現できる人を町に増やすことということでした。
街を学校に見立て、研修と呼ばれる体験を通じて、成長したら、巣立っていくイメージです。
なかなかわかりにくい説明ですね笑)。
著者の手塚さんは、起業する前は会社員として株式会社リクルートに勤務して人事に関わる業務をしていたそうです。
そこで、家庭の事情や身体の状態、社会的な属性などで経済活動の採用基準を満たすことができない人の存在を感じてきたそうです。
世の中が作った流れに乗り、世の中の評価を得るために自分の人生を過ごす人を多く見ましたし、そうでないと自分はダメなんだと感じなければいけない空気に疑問を持ちました。
日本の社会には、まだまだ経済活動に従事している人のほうが偉いという価値観や風潮が根付いています。そうした中で、子どもや退職したシニア、専業主婦、障害がある人、社会とつながりを持ちにくい人たちが挑戦しがいのある活動に継続して携わるには非営利目的でも事業性を持たせて金銭を獲得できる仕組みにこだわる必要を感じるのです。仕事を与えられなくても仕事は作れます。作ればいいのです。自分の好きや得意を軸に強みが換金されていくはずだ、世の中にある流れは変えられるのではないかという仮説を検証したいと思いました。
machiminiという、流山電鉄の使われていなかった駅舎、旧タクシー倉庫をリノベした、コミュニティスペースを基盤に 流山市を一つの企業に見立て、人事部長がいたとしたらどうなるか、と想定して行動した記録です。
発想もアプローチもユニークで だからこそ、その道のりは大変だったのではないかと想像します。
少し前にサイクリングで流山駅に立ち寄り、駅舎があまりにもかわいくて写真におさめたのですが、遠くから眺めただけでした。
その時、この本のことは知っていたのに、machiminiに伺わなかったことが悔やまれます。
また、近いうちに、行ってみたいと思います。
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