読書ログ-「動物たちは何をしゃべっているのか?」
動物たちは何を考え、どんなおしゃべりをしているのか?
年の半分以上を森で暮らして、シジュウカラが「鷹が来た」というような文法がある言語を持っていると解明した鈴木先生と ゴリラの権威の山極先生の対談本です。
はじめの方は動物のコミュニケーションの話でしたが、だんだん人間の言語についての話やコロナの弊害などの話になっていきます。
私が面白かったのは、人類にとっては踊りが重要だったという話です。直立二足歩行でないと大きな声も出せないし歌えないし踊りもできない。
「踊るために直立二足歩行を始めたんじゃないかと。」
「それほど人類にとって踊りが重要だったと?」
「人が進化したサバンナには森がないから、何とかして天敵に立ち向かわないといけない。時には自分を犠牲にしてまで集団のために行動する必要だってあったでしょう。だから他者に共感する力が必要になり、そのための踊りや音楽が進化したんだと考えています。共感と言うと言い尽くされた言葉にも聞こえるけど、我々人類にとってはとても重要なものだったんだと。」
「人に限らないけれど、集団で興奮を共有しているからこそ可能な行為ってありますよね。敵の集団に打ち勝つとか。しかし興奮しているだけでは集団としての行動はできません。そこで必要になるのが言語ではないか。そこを攻撃せよとか一定の目標を与える。」
でも感情を伴わない言葉は力を発揮できない、集団を動かす共感や感情のエネルギーがなければ実行できない。そのエネルギーを生むためには音楽的な言葉が必要・・・などちょっと感動。
「オンラインだけじゃ縁は作れないけど、一度会って食事でもして、つまり身体を共鳴させた経験がある相手なら、その後のやり取りはオンラインに移行しても大丈夫だと思う」と、身体性を忘れずに新たな社交をしようと提案されています。
言葉だけじゃダメ、踊ることが大事と何度も出てきて、非言語情報がやっぱり大事なんだなぁと思いました。
踊りも挑戦してみたいと思ったりしています。でも何の踊り?
https://amzn.asia/d/hCqMhhf