浮世絵展@東京都美術館に行ってきた

 東京都美術館の浮世絵展へ。
 浮世絵関連は、散々今までも見てきたし、正直わざわざと思わなくもなかった。
 それでも見送るのはなんとなくひっかかった。
 今思えば直感のようなもの。
 足を運んだ結果、新たな発見をいくつかすることになった。
 一つは、入場時間予約は面倒だが、それなりのメリットもあること。
 ようは、eチケット購入でお金出しちゃったし、行かないのは「もったいない」という、何ともケチな話。(笑)
 二つ目は、絵師たちとの新たな出会い。
 昨年の大浮世絵展(@江戸東京博物館)は、北斎や歌麿、写楽などビッグネームを全面に押し出していた。
 彼らの代名詞的作品はほぼそろっていた。
 海外の美術館からも作品を集めてきて、その事実からも、浮世絵の国際的な人気の高さを再確認した。
 言ってしまえば、これで「浮世絵」ワールドの基本をまとめて抑えられる、実現する難易度高めのドリームワールド。


 対する今回は、日本の三大コレクションがベース。

 浮世絵の祖、菱川師宣の時代の大らかな太い線描のモノクロの版画から、鈴木春信らによる錦絵の誕生、春信美人に代わる新たな「美人画」のタイプを創出した鳥居清長、そして歌麿…もちろん北斎や広重らの名所絵のジャンルも、最近人気の歌川国芳も抑えられている。

 去年の「大浮世絵展」で取り上げられていたビッグネームたちにくらべるとやや隠れてしまう人たちにもきちっと焦点が当てられていたのが印象的だった。

「こんな人がいたんだ」

 と感心した一人が、菊川英山。歌麿の後に出て来た絵師で、渓斎英泉の師匠らしい。

 一世を風靡した歌麿美人に代わる、人形のような美人画(下図参照 展覧会には来ていないのでご了承あれ)で人気を博したとのこと。

英山

 また、美人画を見る時、あるいは役者絵でなにがしかの役を演じている役者たとちの姿を前にした時、その着物のコーディネートが気になってしまったのは、今東京国立博物館で開催中の特別展「きもの KIMONO」を見た後だからだろうか。

 上の絵でも、女性たちの帯を見ているだけでも面白い。

 

 最終的な結論は…まだ見ていない人には、是非おすすめしたい。

 特に「きもの」展、見た後で見ると、面白さが増す。

 

 東京国立博物館の特別展「きもの」。

 国立西洋美術館では、「ロンドン・ナショナル・ギャラリー」展。

 そして東京都美術館では、「浮世絵2020」。

 

 考えれば考えるほど、今の上野はすごいことになっている。(まあ、それが通常の状態といえるか?)

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