短編ブーム到来
小説というと、長編ばかりに手を伸ばしてしまう傾向が強い。
(今読んでいる深緑野分さんの『スタッフロール』もそうだが)
が、時々、短編を集中的に読もうか、と思いつくことがある。
短編にこそ、技が詰まっている―――小説の書き方やエッセイ本を開くと、そんな言葉が頻繁に出てくる。
オー・ヘンリー、サキ、モーパッサン、モーム、芥川龍之介、志賀直哉、向田邦子、星新一……
星新一さんのショートショートを読むようになったのは、高校時代、確か手塚治虫さんの著書で「短編」の参考に、と勧められていたのがきっかけだったか。
ちなみに、欧米ではオー・ヘンリーとサキとが、短編の名手として、メジャーらしく、こんな言葉もあると言う。
「泊り客の枕もとに、O・ヘンリー、あるいはサキ、あるいはその両方をおいていなければ、女主人として完璧とはいえない」
オー・ヘンリーは『賢者の贈り物』や『最後の一葉』など、日本では有名な作品が多い。
対してサキは……彼に比べれば日本ではそれほどメジャーではないかもしれない。
が、私個人としては、どちらかと言えば、サキの方が好みかもしれない。
そんなことを先ほど、ちらりと考えた。
ブラックユーモア、と言うのか、「ニヤリ」とせずにはいられない話や、ひねったオチが、私は好きらしい。
ほのぼのする話も嫌いではないが、どうもそれだけでは物足りない。
就職活動時代に、筆記試験対策に書いていた三題噺を思い返すと、そのような趣味が濃厚に出ている。
むしろ、どうやってオチをつけてやろうか、とかなり苦戦していた記憶がある。
今一度、初心に帰って、三題噺でも何でも良い。
短い話を書くことに挑戦してみたい、とも思う。
もちろん、今すすめている記事原稿も完成させたい。
双方をうまく両立させることが、今の私の課題といったところか。