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徒然日記~ゴッホの太陽
ゴッホ展について、どうにか記事案2本分をひねり出し、まとめることができた。
1本については、OKをもらったので、細部変更はあれど、方向は決まった。
「同じ展覧会で二本以上記事を書く」
それを話したら、職場の同僚には「大変じゃないか?」と言われた。
「もちろん大変です」
一本書くのにも、正直エネルギーの消費量が半端ない。
ましてや、今回の相手はゴッホだ。
何回か書いてきたが、書き上げるまでがキツイ。あの火の塊のような男と取っ組み合いをするようなものだ。
よく情報を求めて、彼の書簡にも当たるのだが、これがマシンガントークの活字版ときている。
まあ、自分の作品や考えについて、饒舌にとにかく語ってくれているのでありがたいと言えばありがたい。(手紙を貰った相手がどう思ったかは知らない…真面目に読んでくれただろうか?)
よくもまあ、ここまでポンポンと出てくるものだと思う。
でも、電車などで隣に座りたくないかも。
展覧会記事の書き方について。
実を言うと、展覧会レポートよりは、展示作品をいくつかピックアップして掘り下げる方が自分としてはやりやすい。
複数作品を扱う場合、同じくらいの比重で扱うか。それとも、ストーリー仕立てにするか。それは、その時々。
同じくらいの分量をポンポンと並べていくのも一つの方法だが、やはり一つの作品をメイン、「クライマックス」に据えてそこに至るまでのストーリーを考える方法もある。
今回出した案も、その方法で何とか組み上げた。方向性がある程度決まるだけでも一安心。大変なのは、これからだが。
そのメインに据えたい作品の一つが、これ。
以前にも、noteでも少し言及したことがある。
今回のゴッホ展で、実物を見ることは、楽しみの一つになっている。
……が、改めて画像を見ると、黄色が目に痛い。小さな筆致がいくつも重ねられ、本当に絵から光の粒が放たれているかのよう。
それを背景に、農民が撒いている「種」は、普通の麦だろうか?
農作業をモチーフにする農民を描いた絵といえば、ゴッホの最晩年、「生涯で初めて、そして唯一売れた絵」、<赤い葡萄畑>もそうだった。
黒い輪郭線で縁取られた農民の姿は簡略化され、平面的だ。
そして、空には、<種をまく人>と同じ太陽。
こちらは、そこまでギラギラしていないが、存在を無視はできない。
葡萄畑の赤も印象的だ。
この絵も、<種をまく人>とほぼ同時期に描かれた作品の一つ。
そして、もう一つ。
32cm×40cmの小さな画面の中に描かれた<種をまく人>。
農夫の顔は描かれていないが、その背景にはやはり大きな太陽と、黄色く染まった空。
前景に配された大きな樹は、パリ時代に模写した歌川広重の<名所江戸百景 亀戸梅屋舗>を思わせる。
<種まく人>や他の農民をモチーフにした作品、特に最晩年の作品はもう少し調べておきたい。