徒然日記

 曲が始まると同時に、雰囲気がガラリと変わった。

 交差した腕ごしに見える、鋭い目。

 戦う人の目だ、と直感的に思った。

 それ以降、食事をすることも、瞬きも忘れてテレビ画面に、羽生結弦選手のFP『天と地と』に見入っていた。

 演技を終え、リンクから戻ってきた時、彼だけ隣にコーチがいない。

 プーさんを抱え、一人で結果を聞いている。

 コロナ禍で直接コーチの指導を受けられなかった、という話は知っていたが、他の選手に比べても、「一人」でこの場を戦うことへの重圧(プレッシャー)や襲ってくる不安感はすさまじかっただろう。

 その中でのあの演技か、と思うと、もう一度見たくなって、録画を再生。

 

 強い人だ、とは前々から思っていたけれど、それを改めて実感させられた。

 あのメンタルの強さは、一体どこから来ているのか。

 以前、何かの記事で、「ノートをつけている」と聞いたことがある。

 「もしもこうなったら」という不安などを全部そこに吐き出してしまう、と。

 実際にやってみるとわかるが、簡単じゃない。

 不安―――見たくない、考えたくないものと、根っこから掘り起こして、取り出して、否応なしに向き合うのだから。

 でも、書くだけ書くと、意外とすっきりしている自分がいるのも事実。

 私の部屋にも、ここ2年で、不安だけではなく記事のアイディアや下書き、日記のようなものなど、ごったまぜに書き込んだノートが15冊ある。

 

 羽生選手は、今回の全日本が、今シーズン初の大会出場になった。次の目標に、世界にすでにその目は向いているのだろう。

 あの謙信が、世界で…。

 想像しただけでワクワクする。


 最後になりましたが、

 羽生選手、優勝おめでとうございます!

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