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徒然日記~正月二日目

昨日今日でやったこと。
・『ニュー・シネマ・パラダイス』をアマプラで見る。
初めて見たのは何年も前。その時は「長いなぁ」というのが感想だったが… … 。
見れば見るほど味の出てくるタイプの作品と言うべきだろうか。
初めて見た時から今回までの間に、何年もの月日があり、その間に沢山の映画を見た。
本当に映画が好きな人からすればまだまだな本数だとは思う。が、経験を積んだ上でこの『ニュー・シネマ・パラダイス』と再び向き合うと、前よりも深く染み込んで来るものがある。
映画館で映画を見ることが、人々にとって唯一のそして最高の娯楽だった時代。
キラキラと目を輝かせながら、映画に見入る主人公トト。彼のように夢中になれるのは、幸せなことだと改めて思う。
そしてテレビやビデオの普及で、パラディーゾ座が閉鎖し、最後は公営の駐車場とすべく爆破されるラストシーン。一つの時代が終わる、もう手の届かないところに行ってしまった、そんな喪失感が胸を穿つ。
世紀の変わった現在では、ビデオはDVD に取って代わられ、さらにそのDVD のレンタルショップすらも、動画配信サイトに押されてらあちこちで閉鎖していきつつある。
古い作品を探しに行く場所が、何となくフラフラと歩き回れる場所がなくなってしまったことには寂しさがある。
同時に思った。
できる限り、映画館で映画を見よう、と。
今年もまた、良い映画と出会えますように。

やったことのその2は、歌川国芳展についての原稿執筆。
どうしてもこの案件がほしくて、半ば無理やりひねり出したのが、
「なぜ、歌川国芳は、『奇想の絵師』なのか?」
というテーマだった。
「奇想の絵師」と呼ばれる条件は何だろう?
奇想天外なアイディア。
斬新さ。
そして、何より重要なのは、卓越した技術が全ての基礎としてあること。
独学であれ、師匠から学ぶ形であれ、基礎をしっかりと体得しているからこそ、その上に建物を建てられる。テキスト通りの絵だけではない。遊び心やちょっとした工夫を加味しながら、やがて自由自在に想像力を羽ばたかせ、他に類を見ないものを作り上げる。
型あってこその型破り、という言葉もある。
だが、自由に自分の心の赴くままに描く、というのは易しいことではない。
とにかく、砕けても良いからやってみようと、実践に向けて踏み出す一歩が大切だ。
その支えになるのも、これまでに身につけた技だろう。
今の自分が持つ全てをぶつけてみる。技も、頭の中のアイディアも、ふとした思い付きも。
その繰り返しが、国芳を歌川派の中でも抜きん出た一人に、そして「奇想の絵師」としたのかもしれない。

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