黄金パターン
どちらも、『フェルメールと17世紀オランダ絵画』展から。
身繕いをする女性は、オランダ風俗画の型の一つ。
大抵は、小道具として鏡がつきものなのだが、この鏡には、実は「虚栄(ヴァニタス)」の象徴でもある。
つまり、鏡を見ながら、身繕いに夢中になっている女性の姿には、「虚栄に囚われるなよ」というメッセージが込められている。
風俗画へと進むに当たって、こうした表現の黄金パターンというべきものを、フェルメールも十分研究し、自分の頭にストックしただろう。
それに自分なりのアレンジや味付けを加えた一つが、こちらと言うべきか。
女性を側面から描き、さらに左の窓から差し込む光の中に配した点にオリジナリティが光る。
必須アイテムの鏡もちゃんと壁に。
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