岐阜へ
岐阜県美術館のルドン展と、織田信長公に会いに、岐阜へ日帰りで行ってきた。
信長ファンの端くれとして、岐阜は昔から行ってみたいと思っていた場所だった。
そこに、300点もの作品が集まるルドン展である。
行かない選択肢はあるまい。
ルドンは、何年か前に三菱一号館美術館の展覧会を取材したことがある。
その時は、「植物」という切り口からルドンを見、書いた。
今回は、ルドンの画業をがっつり扱っている印象が強かったように思う。特に白黒の版画集がまとめて見られるのは、今までなかったように思う。
この光を呑む闇の世界から、様々な出会いを経て、次第に光へと目を向け、色彩溢れる世界へと踏み出していくーーー会場を歩くことで、そんな彼の歩みをたどることができた。
もともと岐阜県美術館は、ルドン・コレクションで前から有名だったらしい。
それを考えても、行って良かったと思う。
もう一つの目当ては信長公。
城のある金華山頂上へは、ロープウェイで。
しかし、そこからさらに歩かなければならない。
馬か人の足がたよりだった時代、こんなところに城を作って籠られたら、厄介なことこの上あるまい。
だが、最上階からの眺めは格別だった。
なんと遠くまで見遥かせるのだろう。
城は再建されたものだし、当時はビルなどなかった。が、うねり流れる川と、スケール感は変わってはいるまい。
信長公にとっては、この難攻不落の城も通過点に過ぎなかった。遠くを眺めながら、彼は次なる目標を、そして天下を見ていたのだろうか?
日帰りで慌ただしくはあったが、今回の遠出で「世界」が少し広がったように思う。