気になる本~「印象派の歴史(上下二巻本)」
またもや気になる本を書店で見つけてしまった。
印象派は日本でも人気が高い。
カレンダーの絵柄としても定番だし、毎年どこかで必ず印象派関連の展覧会が開催される。(てっとり早く入場者数とお金を稼ぐには良いのだろう。作品も多いからつぶしもきくだろうし)
読みたい。
印象派の歴史を一度自分でもまとめ直してみたい。
印象派の登場は、西洋美術史において、ルネサンスと並ぶ大きな変革期とも言われる。
ギリシア・ローマやルネサンス(特にラファエロ)などの「古典」を最高の手本とし、歴史画を頂点とするヒエラルキーを作り上げたアカデミー、逸脱を許さない在り方への反発として、19世紀多くの美術運動が生まれた。
イギリスではラファエル前派。(これは「ラファエロ以前の美術に立ち返ろう」という理念を持つ、何ともわかりやすい名前)
オーストリアでは、時期は遅れるものの、分離派。
そして、フランスでは印象派。
共通するのは、「当たり前」とされ、浸透してきた「美」の概念への反発と言うべきか。
決まりきった絵ではなく、今という時代にふさわしい絵、自分たちならではの絵を。
具体的な手本とする相手(作品)があることもあれば、手探りで進んでいった場合もある。
そして、そのような「実験」のフィールドとして、アカデミーは向かなかったし、そうあることを許さなかった。
だからこそ、自分たちで「会場」も用意した。
そんなところか。
印象派は時間が経つと、今度はかつてのアカデミスム同様に「反発される」側にもなるのが面白い。
それを考えると、「ポスト印象派」は「後期印象派」とも訳されるが、あまり正しくない気がする。
「〇〇派」といっても、その面子の画風は多種多様だ。表現形態も、絵画だけではない。
「印象派」の登場以後は、「多様性」「自由さ」の時代、とでも言うべきかもしれない。