聖林寺十一面観音に会いに、あるいは彫刻を見る楽しみ

今日は、上野の東博へ、十一面観音像に会いに行った。
白洲正子さんの著者『十一面観音巡礼』で読んで以来、どんな像なのか気になっていたが、今回それがようやく叶えられたことになる。

実際、今回のように出てきてくれたのは、一つのチャンスだった。
彫刻のような立体物を見る醍醐味は、見る位置、角度によって見えてくるものが違うこと。
仏像も例外ではない。
が、ほとんどの場合、仏像は崇拝される対象としてあり、真横や後ろから見る機会はほとんど無い。
今回、ガラスケースの中に入った像のまわりをグルグルと何周も歩き回る体験ができたことは貴重と言えよう。

実際、私は回りを歩きながら、腕の柔らかな線、指先の繊細さ、そしてまるでこちらへと歩み寄ろうとするかのように、やや前方に傾いだ上体など、一歩ごとに異なる箇所を見つめた。

千年以上前に作られたこの仏は、明治の廃仏毀釈をも免れ、今に至っている・・・その事実を思い起こせば、感慨深い。

まだ見ていない人へ。
色々と大変な状況になってはいるが、この仏様は、一度見て損はない。
是非に見てほしい。

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