シリーズ・採用されてたら時代が変わっていたかもしれない機体(1)
このシリーズでは採用寸前になりながら採用されなかった自衛隊機を
特集して行きたいと思う。
なお書かれてることは全て筆者の独断と偏見であり
その可能性は限りなく低いというのを
付け加えておく。
■ミラージュF1
第二次F-Xでは採用寸前になりながらF-4EJに破れたミラージュF1。ダッソーは
当て馬になってると空自のF-Xには二度と入札はしないと激怒したくらいだが
もし当時の防衛庁が当て馬にする予定だったダッソーの救済策と初の国産練習機や
国産戦闘機の開発のためにダッソーと共にミラージュF1ベースの
国産練習機や国産戦闘機の共同開発に踏み切れば三菱T-2やF-1は
ジャギュアに酷似した機体ではなくミラージュF1をベースにした機体になっていただろう。
エンジンはアター9K50から
ロールスロイスのエイヴォンに換装されていたかもしれない。
またこれを機会に日仏の軍事協力は進み、主力戦闘機でフランス製は
アメリカの横槍から難しくとも大型ヘリはCH-47ではなくAS332が導入されていただろう。
■AV-8Bハリアー
海自は1970年代からハリアーとDDV(垂直離着陸機艦載護衛艦)の導入計画を検討し、
フォークランド紛争でそれを確信に変えたことからシーレーン防衛での艦隊防空から
BAe シーハリアー導入を推し進めようとした。しかしシーハリアーが
ソ連軍のT-22Mの迎撃に不向きな上に国内外の世論の反対を恐れたり
制服組の意見を恐れた内局(大半は旧内務省出身の警察官僚で
ゴーストップ事件以降警察官僚は旧軍出身者が多かった自衛隊の制服組を
疑心暗鬼で見ていた)の反対、さらに新造艦で不要になった第二次世界大戦の対潜空母を
日本に売りつけようとして内局の反対からドタキャンされて懲りていた米海軍の反対もあり
1988年での計画への盛り込みは実現しなかった。またこの頃は消費税導入や
リクルート事件で文民指導部がそれどころでは無かったという事情がある。
また空自は海自が戦闘機を保有する事への否定的な見解も実現しなかった理由の一つでもあった。
空自は制空権さえ取れれば艦隊防空はDDGだけでもよいとの見解を1990年代まで持っていた。
その後中国海軍の空母保有計画、自衛隊の海外派遣から海自のAV-8B導入計画が
2000年代より検討されたが小泉政権での緊縮財政政策から実現には至らなかった。
もし1990年代にAV-8Bを導入していたら所属は海自でも人員は空自が担当し
空自のパイロットが運用し、整備は空自の整備員が行っていたであろう。
イギリス軍ではハリアー統合部隊を創設して空軍と海軍のハリアーを
空軍の運用に一元した。空軍のハリアーもフォークランド以降から空母からの運用に
手慣れており、効率性からハリアーの運用を空軍に移管した。この経験はF-35Bでも
活かされている。またこれを機会に防衛庁が空自や海自の募集増員に
踏み切れば平成不況で採用難やリストラに苦しんでいた世代を取り込めたし
企業もリストラや不採用連発の愚かさに気がついてまともな人事政策を
取ることが出来て今の人手不足も少しはマシになっていたかも知れない。
また名目上の海自戦闘機部隊(空自部隊と兼任)も存在したであろう