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【魅力が集まるシェアハウス】“うら町base”オーナー やまぐちさんインタビュー


こんばんは。ライターのアズです。

今回は長野県松本市にあるシェアハウス
「うら町base」オーナー兼カメラマンのやまぐちなおとさんにインタビューさせていただきました。

・だれかにとっての「行きつけの家」
・だれかにとっての「暮らし」と
 「拠点」が混在する家

といういくつもの顔を持つ、うら町base。

ふらっと遊びに行く人、暮らす人、様々な目線からインタビューしてみました。最後まで読んでもらえれば、うら町baseの魅力が存分に伝わる内容となっていますので、ぜひお楽しみください。

記事中の写真も実際にやまぐちさんが撮影されたものです。うら町baseの空気感も合わせて感じてみてください。


***


ーでは早速インタビューさせていただきます。
最初に、うら町baseはどんな場所にあるんですか?

うら町baseは長野県の松本市にあります。

その松本市の、さらに駅から20分ぐらい歩いたところに昔、夜の町として栄えた裏町っていう場所があって。周辺にはスナック街の看板が残るような場所にうら町baseは立ってます。


ーそうなんですね。どんな人が遊びにくるのですか?

どちらかというとインスタを見て遊びに来る人が多いです。年齢層はだいたい大学生から30代ぐらいまでが多いですね。


ーなるほど。じゃあ、うら町baseをわかりやすく一言で表すとしたら、どんな言葉になりますか?

最初に決めたのは、「行きつけの家にする」ということです。

シェアハウスだけど気軽に遊びに来れる家を作ろう、というのが1番でした。今でもそれが1番しっくりきています。


ー今暮らしてる人は何人ぐらいいるんですか?


暮らしてる人は僕含めて今3名で暮らしています。それ以外にも遊びに来る人はいっぱいいます。


ーなるほど。遊びに来る人を含めて最大何人ぐらい来ることがあるんですか?


バーベキューをやると外を使うので、そういう時は30人ぐらい来ますね。


ーそれはインスタを見てくる人がいたり、人が人を呼んできたりするのでしょうか?

そうですね。最初の頃は僕が周りに声をかけ始めて、みんなで鍋を囲んで食べていました。

バーベキューは年に2回やっています。8月にやった時はインスタで集客かけたり、僕が周りに声かけたりしていました。大学生が後輩連れてきた日もあったので、それが重なって結局30人ぐらいになりましたね。


ー30人というと結構な人数ですね。

はい。食材の量もすごいです。肉の量、5キロくらい焼きました。

ー5キロ。すごい。


ーそこで気になるのが、 このうら町baseに人が集まる理由ってなんだと思いますか?

1番はご飯です。ご飯を囲んで食べて、 それを言い訳にいろんな人と関わることを目的にしてる人が多いと思います。


ーご飯はやまぐちさんが作られてるんですか?それともみんなで作ってるんですか?

最初は僕が作って食材買ってきて、僕がカットして鍋作ったり、人数分のもの作ったりしてました。最近は僕が食材買ってくるだけで、みんなでカットして、 みんなで作って、みんなで片付けて協力しながらやってもらっています。


ーそれはその住民の人関わらず、来た人みんなで協力してご飯を作るっていう感じなんですか?


基本的にはそうですね。


ーじゃあ、暮らしてるっていうよりは、集いの場所みたいなイメージの方が強いんですかね。


そうですね。シェアハウスという名前ですが、ひとつのコミュニティスペースみたいな感じです。


ーなるほど。協力してご飯を作ることで集まるきっかけを作ってる、っていう感じなんですね。

そうですね。それはただのきっかけでしかなくて。家に来ることで、大人が学生に会えたりとか、学生が大人に会えたりっていう時間にもなっています。

すぐ近くの大学の学生が来るのですが、大きい大学なので、学年一緒で学部が違うだけで会ったことない人が、うちで初めて会ったり仲良くなってご飯行くようになったりしています。

大人もそうです。みんなうちで会うようになって、一緒にご飯行ったり、酒飲みに行ったり交流が生まれています。


ー集まるのはお昼が多いですか?それとも夜が多いですか?


基本は夜ですね。夜集まってみんなでご飯食べて酒飲むことが多いです。


ーそこでは初めましての人が集うのだと思うのですが、 どういった会話をしたり、どういう交流が多いですか?

大学生だったら何年生なの?って話したり、ここのお店美味しいよねとか、 こういうとこ行ったよ、って話したり。普通の会話ですね。


ーそうなんですね。たわいもない話しをして、いろんな交流が生まれてるっていう感じなんですね。


そうですね。


ーところで、うら町baseに何回も来ている人はいますか?

最初の片付けの段階から何度も来てくれてる大学生が1人います。

シェアハウスは去年始めたのですが、その子が1人と、最初のご飯会から来てくれてた人が何人か来ています。


ー何回も来て交流を深めてくれてる、うら町baseを気に入って使ってくれてるっていう人も何人かいるんですね。


はい。大体15、6人はいますね。


ーそんなにいるんですね。


そうですね。1回きりで終わる人ってのはなかなかいないですね。

ーすごい。何回も来たくなるっていう場所ってなかなか地域にも少ないので、それって本当にすごいことだなと思います。



ーこの場所を作られるまでの、やまぐちさん自身の苦労ってなにかありましたか?

いや、実は僕、苦労してなくてですね。

全くと言っていいほど苦労がなかったっていうと、それはちょっと違うんですけど。例えば10人住んでもらうためにはどうしたらいいか、とかも何も考えることはなかったです。

シェアハウスを開く前から実は4名の入居が決まっている状態で始まってるので、 そこも苦労せずでした。ここを始めたときの最初のご飯会でも11人で鍋を囲んで食べたんですよ。

なので、今でも「ご飯食べるよ」って呼びかけると10人は来ますね。むしろ入りきらないからバーベキューを企画して30人集まった、ってイメージなんです。


ーなるほど。それはすごい。


来たい人がずっといっぱいいて。基本はインスタで呼びかけしてます。僕のインスタとうら町baseのインスタのストーリーとか投稿で世界観を作るようにしています。

うら町baseってこういうとこです、って発信すると気になってくれたり、一度行ってみたいですって思ってくれる方がいて、そういう方にお声がけいただけてます。


ーへえ、そのきっかけを作れるのがすごいなと思いました。



ー今聞いてて気になったのが、うら町baseのインスタの写真や映像もやまぐちさんが作られてるんですか?

そうです。あそこに上がってる投稿の文字も写真も映像も、僕が作ってます。


ーインスタの写真や映像を見ると、古民家風のなかに新しさもあるというか、そういった世界観がしっかり作り込まれてるなっていう印象をすごく受けました。何か意識してることとか、コンセプトはあるんですか?

見せる場所はちゃんと決めてますね。基本的には人が集まる場所、リビング、キッチンをメインで写して、それ以外の場所はそんなにいらないかなと思って写してないです。


ー来る人が「ここ動画で見た!」という風になるように、っていうことですね


そうですね。みんな言いますね。「ここは見たことある」って。


ー確かに共用スペースを見せた方がわかりやすいですね。そこを来る前に見せておくという世界観の作り方はすごい良いなって思いました。

ありがとうございます。


ーさっきは拠点にしてくれてる人、来てくれてる人についてフォーカスしたのですが、逆に暮らしてる人のことを聞いてみたくて。

ー暮らしている人の中で習慣づけていることとか、共通して取り組んでることとか、これだけは一緒にやるようにしていることってありますか?

実は、暮らしてる人にルールの強要をしてなくてですね。

何かを一緒にやろうっていう取り組みはなくて。例えばみんなご飯会やるので絶対来てね、とか一緒に準備しよう、なんてことも言わないんですよ。


ーそうなんですね。

暮らしについて何にもルールがないんです。

ただ、 なんとなく共通認識として持っといてほしいのが、人の暮らしの中に自分が暮らしてるって感覚を持ってほしいということは常に言っています。

「誰かの暮らしの中に自分がいる」ということさえ意識すれば必ず掃除はするし、必ず人に気を遣って生きることになるので。

それが絶対必要だということは、最初の内見のタイミングでお伝えしています。 それが1番の共通認識だと思いますね。


ーなるほど。その共通認識があるから、それを各々が行動に移しているんですね。


そうですね。誰かがやってるからやろうではなくて、次の人が使うからやろう、っていう感覚になってもらいたくて。

「トイレがちょっと汚かったら嫌だな」とか「食器置いたままじゃダメだな」って思うように暮らしてもらいたいなって。そういう認識をしてもらっています。


ーじゃあ、暮らしの中で役割は特に決めてないんですね。

何も決めてないですね。「1人暮らしをちゃんとしてください」という意識を持ってもらっています。


ーあ、なるほど。それぞれが1人1人で暮らしてるんだよっていう。

共同生活だけど「1人暮らしをするように自分で考えて暮らしてください」っていう認識ですね。例えば、トイレットペーパーって共用なんですよ。洗剤とかいろんなものが共用なんですよね。調味料とかもそうです。

ただ、僕が必要なものを買ってくるんですけど、何も言わなかったら僕は何も買わないです。僕はお母さんじゃないから、気づいたら買ってくるってことはしないです。


ー自分がやらないといけないこととか、 自分で考えてやるっていうことを1人1人意識してるから、そういう暮らしが成り立ってるんだなっていう印象を受けました。


そうですね。


ーでもそれを共同生活だからこそ、1人として自立して生活するっていうのは共同生活の上ではすごく大事だと思うので、それで生活が成り立ってるっていうのはうら町baseの魅力だなってことは思いました。

そうですね。本当にみんな大人で自立してます。「誰かがやってくれるからいいや」という感覚は持って欲しくないです。


ーでは、それら全部を踏まえた上で、うら町baseの魅力ってなんだと思いますか?

うら町baseの魅力ってたくさんあるんですよ。

うちのリビングって、大きい円卓があって、 みんなでご飯食べられるんです。円卓でご飯食べれるって他にはないと思うんですよね。物理的な魅力って言うと、やっぱうちのリビングが魅力ではあります。

交流的な目線で言うと、やっぱり人がたくさん来続けるっていうのが1番の魅力です。やっぱり人に会い続けることができることだと思います。おそらく松本で1番人が来る家です。いろんな価値観を持った人と交流できる場所ですね。


ーそれって今の時代では珍しい場所ですよね。直接交流できる場所ってあんまりないので、 そういう場所を作れてるってこと自体が、うら町baseの魅力だと感じました。


その通りでして。作れるだなんて思ってもなかったので、 言っては見たものの、「まさか本当にこんな早く作れるとは」「そんなに人って家に来たいんだ」と思いました。


ーやまぐちさんのその自然体なところが、人を集めてるんだと思います。


ありがとうございます。



ーうら町baseとしてこれからありたい姿ってありますか?

あります。これはうら町baseを始めた時に決めたことでもあるんですけど。

まずはここで仕事ができる環境を作るということが僕の中で目標にしていることです。

個人事業主の人、例えばイラストを作る人、デジタルクリエイトする人、グラフィックデザインをする人、得意なものを仕事にしてる方がいると思います。

僕もカメラマンをしているんですけど、そういう人たちが来たくなる家を作りたいと思っていて。で、そのためにはどうしたらいいのか考えてみたら、僕が仕事を抱えればいいんだっていう考えになったんですよ。

で、僕が仕事を持ってきて、うちに住む人、関わってくれる人たちに仕事が振れる状況が起こるのが、今の僕が考えてるうら町baseの最終段階って思ってて。


ーなるほどなるほど。それって人が集まる場所だからこそ、良い循環が生まれそうだなって思いました。

はい。実際に今、1つのカフェでそういうことが起こっているんです。

僕がモーニングとかメニューの撮影をさせてもらって、仲良くさせてもらってるのですが、そこのオーナー自身もうら町baseにご飯食べに来たり、酒を飲みに来たりとかしてて。

うちによく来るイラストレーターの女の子がいて、その子と僕で今メニューの写真とメニューのイラストを担当させてもらっています。

また新しく写真とメニュー開発があるのですが、 その時のイラストの写真も僕とそのイラストレーターの女の子でやらせてもらっていて。

かつ、うちに今住んでる住人で、元々バーテンダーをやってた子がいるんですけど、 その子が今そのカフェの夜のカクテルメニューの開発の方に携わっています。

メニューブックを作る時に、うちにたまたま来た子がグラフィックデザインをやっていたので、そのデザインをもしかしたら起用するかもしれないという話にもなっています。ちょっとずつ理想に近づいてる感覚があります。


ーうんうん。1個のコアワーキングスペースみたいな感じなんですね。


そうですね。コワーキングスペースでもあって、1つのチームとして動いてるってイメージで、ここに声をかけてもらえれば、集まったクリエイターに仕事を振ってなんでもできるっていう風に感じていて。


ーそれぞれの得意分野を生かし合えるってすごい素敵だなって思いました。


そうですね。本当にそうなるのが理想です。


ーそれでさらに人を呼んでくるという感覚ですね。


そうですね。そのためにずっと人を呼び続けてます。なので、最終的にはそういう人たちが住み続ける家であってほしいんです。

東京と松本とか、長野2拠点してる人がうちに住むようになって、東京からも仕事が来るようになって1つのハブになったらいいなと思っていて。


ーなるほど。じゃあ理想は、クリエイティブで自分の特技を持ってる人に来てほしいなっていうのはあるのですね。


ありますね。全部できる人ってよりかは、1個のものに特化してでも仕事をしたいんですって人がいたらいいなって思いますね。


ーその方が良い循環をさせてくれますもんね。



ーでは最後に、この記事多分読んでくれてる人に対してのメッセージをお願いします。

これは僕のインスタでも言ってるのですが、とにかく一旦来てみたらいいと思うんですよ。

なんか迷ったりとか、気になったりとか、ちょっと面白そうかもって思ったりとか、少しでも疑問が出たら一旦来てみたらいいと思うと思うんですよね。

で、来てみると、すごいハマるんですよ。

なんでかって言うと、みんな「変」なんですよ。 みんな揃って「変」なんです。

「変」っていう形でちょっと冗談っぽく言ってるんですけど、 深掘りしていくと、僕の中ではそれぞれが何かしらの特性を持ってうちに来てるなっていうことを感じていて。

例えば、僕もやっぱり何かを持ってると思うんですよ。で、同時に何かを欠損してる人間ではあると思うので、その欠損具合が異常な人が多かったりするんですね。僕も含めて。


ーなるほど。「変」っていう表現がおもしろいです。

うん。で、この特性を自分で認めてる人が来る家だなと思っていて。

「私は何やってもダメだ」って人ではなくて、ちょっと諦めついてる人がたくさんいるので、来てみた人は、すごい荒波に揉まれちゃうこともあるんですよ。

そういう人たちの価値観にちょっとでも触れてみて、何か気づく瞬間があったら、どんどんうちに来たらいいんだなって思います

で、 どんどんハマってって、うちを介さずに、その人たちと仲良くなってってほしいんです。

で、勝手に仲良くなって、みんなでご飯食べて、飲み会してくれたら嬉しいです。本当にちょっとだけ来て、ちょっと住んででもいいですし、暮らし体験してみるとかでもいいし。僕はそのきっかけにすぎないので。


僕はよく、「こんな大人にはならないでおこうって思いました」って言われるんです。こんな大人にならないために、ちゃんと大学卒業しようと思いましたって。

深掘りしたくてよく聞いてみると「“なりたくない大人”ではないんです。 ただ、その勇気は今持てません、私たちには」って言われて。

「やまぐちさんみたいな生き方を今私たちはできない」と。「今すぐそれをやれって言われたら勇気がないので、せめて1つ社会は経験したい、経験した上でやまぐちさんみたいになるかどうかを決めたい」って話があったりとか。

そんな風にそれぞれの価値観に勝手に触れて、自分の価値観を変えてみようかなって感じる子が増えているので。

これから来る人たちはどういう人たちかわからないけど、でも少しでも人生に迷いがあったりとか、 この社会ちょっと行きづらいな、って思ったら、ちょっとだけでもうちに来て、変な大人や変な学生を見てみてください

「あれ。私、意外と普通だな」って感じると思います。意外と自分まともに生きてるんだ、って思っちゃうんで、そしたら勝手に自信ついちゃう。

だから、そういうのを感じてもらいたいですね。


ーすごく面白い場所ですね。でもやっぱり変な人がいっぱいいるところって貴重なので、大事な場所としてこれからも守ってほしいなと思いました。


頑張ろうと思いますよね。なるべく手放さないように。

ーそういう思いを聞くとなおさら、やっぱり私も自身も行きたいなってすごい思いましたし。

ー実際に見てやっぱどういう場所だっていうのを判断するのは読者の皆様なんですけど、これを見たからにはぜひ行ってほしいなと思うので、「 記事見て来ました」という人が1人でも現れてくれたらと思います。

ー今日はありがとうございました。

ありがとうございました。


***


ライター後記

オーナーのやまぐちさんの自然体でユーモア溢れるお人柄に惹かれながらも、さらにうら町baseという場所に興味が湧く時間を過ごすことができました。

今の時代、人が集まり、さらに「変な」大人たちが集まる場所が減る中、うら町baseという場所はとても貴重で大切な場所なのだろうな、と感じることができました。

これを読む貴方も、ぜひうら町baseに足を運んでみてはいかがですか?
(もちろんわたしも行きます…!)


↓うら町base Instagram

↓やまぐちなおとさん Instagram


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