【料理にもお客さんにも本気で向き合う】ボンズハウス インタビュー
はじめましての方も、noteをいつも読んでいただいている方も、こんにちは。こんばんは。はじめまして。アズと申します。
今回は、東京都墨田区にあるレストラン「ボンズハウス」の紹介・インタビュー記事を書かせていただきます。
ボンズハウスは私も大好きなレストランのひとつです。オーナーの清登さんをはじめ、スタッフの皆さんは温かい人がばかりで、来店すると「おかえりなさい」と迎えいれてくれます。
ボンズハウスに人々が魅了される理由や、ボンズハウスのこだわりを、ボンズハウスオーナーの清登さんにインタビューしてきました。ぜひ最後まで御覧ください。
ー今日はよろしくお願いします。初めに、ボンズハウスをつくったきっかけを教えて下さい。
清登さん 僕が高校を出てオーストラリアに留学したときに、誰も友達がいなかったり初めての地でなにも分からなかったりで戸惑いました。そこで出会った仲間たちと話すことで得た経験によって、自分の人生に変化が起きていて。
やっぱり人との出会いやコミュニケーション、交流は人生を大きく変えるんだなって実感して。それを日本に帰ってきた時に、誰かと話そうよ、新しいチャレンジをしようよ、というときに、機会がなかったり話せる場所がなかったというのが大きなポイントです。だったら自分がそういう場所とか機会を生むことができる人間になりたいと思いました。
最初は「LIFE BONDS」という会社をつくって、クラブや料理のイベントなどいろんなことをやって、人と繋がるというのはやっぱり楽しいなと思っていて。1年間くらいそれをやったあとに、2018年にゲストハウスを建てました。
ー人と繋がる場所を自分でつくりたかった、というのがきっかけなのですね。
清登さん そうですね。
ー「ボンズハウス」という名前にした理由を教えてもらえますか?
清登さん ボンズハウスの「ボンズ」とは、「絆」「繋がる」という意味で、単一でなく複数繋がってほしいという想いを込めて「BOND」の複数形の「BONDS」という造語を作りました。
ーボンズハウスは「ワチル」という合言葉を掲げて運営をされていると思うのですが、「ワチル」という言葉の意味を詳しく聞かせてもらえますか?
清登さん 僕たちボンズハウスのメンバーは「ワチルクルー」という名前で活動しているのですが、ボンズハウスも、自分たちがやっているワチルブランドも、ワチルクルーのひとつの作品になっていて。じゃあ「ワチル」ってなにかというと、日本の「和」とchill outの「チル」という意味です。
「和」については、日本にはおもてなしや人への気遣いなどのホスピタリティの部分で素敵だなと思ったカルチャーがあって。日本人には「あなたが先に楽しんでもらえると僕も楽しいんですよ」といった特有の考え方があると思っています。
外国の方だと行きたくなかったら「今日無理だわ」のように言うんだけど、日本人は「行けたら行くね」のような曖昧な返事をする。これって日本人特有の、あまり人を傷つけたくないという気持ちがあると思います。そういった日本の「和」、お互いに想い合い、リスペクトしあうカルチャーの意味の「和」です。
「チル」は、「チル」をした先になにがあるのか、ということを僕たちは求めていて。「チル」してゆっくりしたときに話した内容や、その空間でできた友達を重要視しています。その「チル」な空間でできあがった心地よい空間のように日本と海外のカルチャーが混ざりあったときに、なにか人生のきっかけになるんじゃないかなという想いがあって、それをテーマにしています。
ー清登さんの海外の経験も生かされている印象ですね。
清登さん そうですね。
ー私も実際にボンズハウスに行かせてもらって、本当に温かくて、ただいまとおかえりが待つ場所という印象があります。この心地よい空間をつくるために清登さんを含むスタッフさんたちが心がけていることはなにかありますか?
清登さん 1番はお客さんが来た場合と来なかった場合の違いのなかで、どういうふうに変化をつくることができたか、ということを考えています。料理だけが全てじゃないし、空間、スタッフ、サービス、家具、全てが料理に反映すると思っていて、逆にいうと料理がスタッフのサービスを上げてくれるから、どれも欠けちゃいけないと思っています。
そのなかで自分たちのホスピタリティでいうなら、今日来てくれたお客さんに対して「このレストラン美味しかった」だけじゃなくて、「本当にここは違うね」って言ってもらいたいという想いがあります。他の飲食店ではできないカジュアルな接客も意識しています。
サービスだけじゃなくて、料理にも麹を使っています。ひとつひとつ本気で作っているから、来てくれたお客さんが本当に美味しいと言ってくれています。また帰ってきたいと思ってくれるようなサービスを提供できるかということを常に考えています。
ー料理にも接客にも本気で向き合っているのですね。
清登さん そうですね。でもお客さんも本気じゃなきゃいけないと思っていて。料理ってお客さんも作る側も本気だからこそ本当に美味しいものが出来上がると思っています。
お客さんが料理に興味を持っていなかったり美味しさを追求していなかったりすると、どれだけ美味しいものを作っても、それは美味しいと感じないと思います。逆も然りで、お客さんが本気で美味しいもの食べにきていても、作る側が適当なら、いいものって生まれなくて。
だからお客さんも本当に美味しいものを食べに来てほしいし、僕らもそれに対して本気で美味しいものを作るということを心がけています。だからサービスのなかで本気で美味しいものだということを伝えるために、メニューを一個一個説明したり、自分たちのこだわりを説明して興味を持ってもらったりということを心がけています。
ーそれをお客さんに対して伝えたときに、「伝わっているな」という感覚はありましたか?
清登さん そうですね、「麹を使うことによってお肉が柔らかくなること」や「どういう想いで作っているかということ」を伝えると、コミュニケーションがひとつ加わることによって「美味しそう」と言ってくれることが多いから、それが面白いなと思います。
ー私もそれはすごく感じます。1つ1つのお料理に対する説明がすごく丁寧で、料理に本気で向き合っているんだなというのはその接客からすごく伝わってきます。
清登さん ありがとうございます!
ー本気で向き合ってきて、その場でお客さんの変化が起きたエピソードや、お客さんにこうやって本気で向き合ったらこう返ってきた、のような具体的なエピソードはありますか?
清登さん 発信をし続けているからか、下北沢でPOPUPしたときにも、茨城県から自分たちの麹の料理を求めて来てくれたお客さんがいました。あとは自分たちの麹のティラミスをもとに麹のチーズケーキを作ってくれたり、僕たちのエッセンスを使ってこういうふうに改良してみようと考えてくれたり、自分たちが作っている料理が誰かの人生の一部になっているなと思うことは多いですね。
ー誰かの人生の一部に料理がなっているっていう感覚を掴めるというのが本当にすごいなと思います。
ー麹ももちろんこだわりだと思うんですけど、これだけはお客さんにぜひ知ってほしいというこだわりはありますか?
清登さん まず麹については、麹菌が食材の菌と菌と結びつけて新しい発酵という食品に変えてくれるように、自分たちも麹菌みたいな存在になりたくて。人と人を繋げてよりよい空間にしていきたいという気持ちがあるから、麹を使っているというこだわりがあります。
あとは家具を自分たちで手作りで作ることによって、自分たちの理想の配置、高さ、こだわり抜いた角度を再現できるから、それが面白いというところですね。
ー料理ももちろん、温かいボンズハウスのスタッフさんたちに会いに行っているということも、ボンズハウスに行きたくなるひとつの要素だと思っています。スタッフさんみんながブレなくボンズハウスを引き継いでいるという感じがします。それは清登くんがしっかり伝えているからなのかなと。
清登さん そうですね、それはブランド力というかイメージを崩したくないというのがあります。お客さんはここに来るまでに時間や交通費を使って、いろんな想いをもってワクワクしながら来てくれる人もいると思ってて、そのワクワクの期待にどれだけ応えることができるのかっていうのがサービスだと思っています。そこは履き違えちゃいけないし、来てくれて当たり前ではないと思っています。スタッフには、家に友達が来てくれたような気持ちで接してほしい、というのは日々伝えています。
ーそのチームワークの高さというのは私はすごく印象的です。
ー最後に、これから来店されるお客さんに向けたメッセージはありますか?
清登さん この時代はコンビニで安いお弁当も買えるし、値段を考えればある程度美味しいご飯を食べられる時代だけれど、便利になってくることによって本当の食事の面白さというものがなくなってきているのかなと思っていて。
料理はあくまでもツールであって、料理を言い訳に集まる機会ができて、お酒を言い訳に誰かと誰かが繋がって。その空間というものが人と繋がった瞬間に、帰りの電車のなかで楽しかったなと笑えるような、昔懐かしな感覚をボンズハウスでは味わえると思います。
普通のご飯ではもの寂しくなってきたなと思った人には、ぜひスナック感覚でこの空間を味わいに来てほしいなと思います。
ーありがとうございました!
*ライター後記
ボンズハウスのみなさんが料理や接客に本気で向き合っているのが伝わってくるインタビューでした。だからこそ、お客さんひとりひとりにも伝わって、ボンズハウス特有の心地よい空間が出来上がっているのだと感じられました。
皆様もぜひボンズハウスに足を運び、この魅力を生で体感してみてくださいね。
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