「どんな感情を味わってきたか」をぶつけるのが、わたしの就活だった。
就職して早二年。
大学時代の自分を振り返りつつ、社会人を経験した今ならなんて声をかけてあげるかな、と考えながら書いてみます。
何をしたかより、何を感じたか
「学生時代に何をしていましたか?」
この質問は就活をしていた人であれば、必ず聞かれる質問だ。
わたしはこの質問に少し疑問を抱いていた。
何をしたかだけで、わたしの価値がある程度判断されてしまうのだろうか?
就活でOB、OG訪問を繰り返すうちに、自分をよく見せるのではなく、学生時代の経験とともに、これまで感じてきた感情を細かく話すようにしていった。
そのほうが本当の自分を見てもらいやすいと思った。
自分が感じた感情だけが、自分らしさ
実際にどんなエピソードを話していたかを振り返る。
わたしは大学時代、体育会テニス部に所属していた。チーム自体は本当に強くて、毎年全国各地からトップ選手がわんさか入部してくる。
最初は体力的にきつくてところどころ記憶を失っているのだが、
日々活動する中で感じた、ある違和感があった。
それは、個々によって考え方や感じ方が異なることを、当たり前のように尊重することができていない、だった。
みんながみんな強すぎるあまり、チームが日本一を目指すことは当たり前の世界。とにかく実力をつける。練習練習トレーニングトレーニングの毎日。
わたしはそんなチームの環境に身を置く中で、
もっと個人の考えを当たり前のように表現できる、自由な環境が欲しいと感じた。
「こんな方法もありじゃない?」と、どんどん幅を広げられるような環境だ。
時代は変わっているのだから、伝統を引き継いでいくことが必ずしも正義じゃない、と考えていたのだ。
どんどんアイディアを出せるということは、自分は肯定されていると安心感がないとできないことだと思うが、おそらくその安心感がない環境だったのだと思う。
実際に現役時代、行動に移せたことはほかの体育会学生とかぶっていただろうし、
特別で目立つ実績もない。
それでも人より、自分が感じたことを大切に観察していた気がする。
このような話をOB訪問でぶつけているうちに、私は確実に、
いわゆる軸を見つけていた。
それは「自由で考えを表現しやすく、面白がってくれる会社」に入ることだった。
自分が感じたことは自分だけにしかわからないし、正解はないし、この感情が自分らしさ。そんな自分を面白がってくれるような会社に入りたいと思った。
これからも、「どれだけの感情を味わったか」
今わたしは、自分の学生時代に共感し、いまは何が好きでどんな価値観を持っているか面白がって聞いてくれる広告会社に就職した。
体育会時代に感じた「あるべき姿」の違和感をもとに、
入りたいと思える会社に出会えたことは本当に幸運だと思う。
社会人としてはたらく今、就活時代の自分に会えるなら
「今のあなたにしか感じることができない感情を、忘れないでね」と伝えたい。
それは決して就活のためだけではなく、あなたにとっての生きがいになるから。
わたしは心が動いた瞬間、感情が生まれた瞬間が、本当に愛おしい。
これまで「どんな感情を味わってきたか」を大切にしてきたように、
これからも「どれだけの感情を味わったか」をわたし人生の意味として生きていきたい。