
当館からのお願い
Webを検索していて、私のNoteで公開している記事を転載した動画を発見しました。
今回は、このことに対する注意喚起をさせていただきます。
私のNote(※以下「当館」と記述)は図書館の理念を志しています。
図書館の目的は「資料提供(Access Provision)」と「資料保存(Material Preservation)」です。「情報の無償供与により公共の福祉に貢献すべし」という図書館学の理念に当館も追随している次第です。
ですので、当館が保有する記事を外部に持ち出して利用する事を当館から禁止する事は基本的にはありません。
また、転載の許可を求める連絡を逐一入れていただく必要もありません。そもそもNoteが基本的にコミュニケーションを取りづらいシステムになっているため、利用者の方々に余計な負担を強いる事はいたしません。
ただし、当館及び他の【セリアン/Therian】や【セリアンスロピー/Therianthropy】そのものを貶める目的で記事を利用する事は禁止します。当館の目的と真逆な上に、公共の福祉を害するからです。
悪意を持たず、正確な情報を共有したいという目的に限り、記事の転載について認めます。
またその際に、引用元として当館のURLを何らかの形で明示していただけると助かります。
これは「図書館を利用する際のルール」というよりもむしろ「情報を配信する際のルール」といえます。
引用する際のルールについては、クリエイティブ コモンズ-by(Creative Commons-by) に準拠する事とします。詳しくはこちらをご覧ください。
去年辺りから若年層を中心に【セリアン/Therian】の知名度が世界中で急速に高まり、それに伴う誤解・語弊が広まってしまっていることは過去の記事で何度も述べた通りです。
日本の若年層の方が【セリアン/Therian】もとい「テリアン」の内容を扱ったショート動画を制作し、ウェブサイトに投稿することも少なくありません。「テリアン」というハッシュタグを付ければ、たったそれだけで一定の再生数が稼げる環境になっていると聞きます。
もちろん、世間で一番流行っているコンテンツを扱った動画の再生数に比べれば、【セリアン/Therian】に関する動画の再生数など微々たるものでしょう。しかし動画を投稿すればとりあえず誰かに見てもらえるという見込みは、努力が確実に報われる可能性が高い、「手堅いコンテンツだ」と動画製作者の方々から考えられても仕方がないのかもしれません。
自分の努力を必ず誰かに認めてもらえる……それはきっととても嬉しい事でしょうし、若い子たちが動画の投稿に夢中になってしまうのも理解できないわけではありません。
とはいえ、目的を遂行する際に蔑ろにしてはならないものもあります。他人が制作した情報を引用する際のマナーです。文章に限らず画像や動画などあらゆる情報を引用する際には、出展元やオリジナルの情報ソースについて出来るだけ正確に明示する事が、誰にとっても望ましい結果となる可能性が高いです。私自身も特に重要な記事では情報ソースを明示して情報の 正確性(Reliability) や 可用性(Availability) を高めるよう心がけています。
当館の情報源について
〔【セリアンスロピー/Therianthropy】の辞書〕では特に注意して参考元を明示してありますが、当館の蔵書は基本的に Therian Guide、Therian Wiki、LGBTQIA+ Wiki、Wikipedia を参考に執筆されています。
それぞれのURLを明記します。
件の無断転載された動画に関して
私の記事を切り貼りし、ショート動画に編集して投稿した方がどんな目的や気持ちで行ったのかは私には分かりません。純粋に正しい情報を広めようとしてくれたのかもしれませんし、或いは自分自身の事や自分が言いたい事を説明するために当館の蔵書が都合がよかったのかもしれません。
しかしいずれにせよ「動画内で表示されている文章は当館からの引用である」という明確な説明が動画内にもキャプションにも確認できない以上、私はその動画制作者に対してどうしてもネガティブな印象を受けざるを得ません。配信者の方は私と個人的に面識があるわけでもなく、私が個人的に転載を許可した覚えもありません。ですので「ある方のblogを引用している」という匿名化された表現をどう受け取ってよいのか、私は量り兼ねています。
動画を公開した際に何らかの問題が起きた場合、当館にまで被害が飛び火しないようにあくまでも自分個人の責任でやりたいという配慮でしょうか? それとも無料で手に入る素材を加工して手軽に成果を上げて再生数を稼ぎたいというのが本音で、素材の入手経路を万人に知られてしまえば自分の利益が損なわれるという打算から来るものでしょうか? 或いは私から個人的に転載の許諾を取りたかったものの、Noteの仕様上コンタクトが取れなかったがために仕方なくあのような形にせざるを得なかったのでしょうか? 全ては私の個人的な憶測の域を出ません。
図書館学の理念に基づいて活動している以上、私個人は見返りや名声を求めたりしません。共有された情報が公共の福祉に貢献するなら喜ばしい事です。
とはいえ、明らかにマナーを欠いた図書館の利用のされ方をすると、図書館司書として正直に申し上げるなら不愉快に思います。
世の中には「無料の物には価値がない。だから好き勝手扱っても良い」と勘違いしている方が時々います。
図書館は無料です。そこで得られる知識や情報もまた無料です。
しかし図書館が無料で利用できる背景には、図書館を支える人々の努力と、図書館に収められた蔵書を書き上げた筆者の方々の並みならぬ研鑽があります。何かを創り上げるため、或いは完成した何かを守り抜くために流された血と汗と涙には、お金には換算できない価値があります。
だから「無料で提供されるもの=無価値」では決してありません。
だからこそ、物理的な紙媒体に限らずあらゆるメディアや情報そのものに対し、敬意を忘れてはなりません。これは私自身に対する自戒も含みます。出展元を明らかにし、誠意を持って情報を取り扱う事は敬意を表する一つの方法だと私は考えます。
また、出展を明らかにする事は読者の情報可用性を高めるだけでなく、情報配信者一人ひとりの身を守る事にもつながります。
自分の論拠について明確にする事によって、情報を受け取る読者の方々にもオリジナルの情報ソースに触れるチャンスが生まれ、さらなる学習の機会を提供する事も出来ます。
そして、あなた自身が無断転載の汚名を着せられないようにするためにも、自分の身の潔白を証明する為に情報ソースを明らかにする事は望ましいと言えます。
先に述べた通り、当館は公式声明として引用や転載を許可します。
ですので、引用元として当館のURLを明示し、当館自身による正式な転載許可も明らかにする事が、延いてはあなた自身の身を守る事にもつながります。
ただし、当館の記事を転載した事により発生したいかなる損害についても、筆者たる私は一切の責任を負わないものとする事をここに併記させていただきます。
仮に私が執筆した文章のみを用いて編集したとしても、単語を一つ省略するだけでも文章の持つ意味が真逆になってしまう恐れがあります。
私は筆者として自分が執筆した内容には責任を負えるよう心がけているつもりです。しかし引用し編集し配信する者が私自身ではない場合、配信される内容は最早私自身がコントロール出来るものではなくなってしまいます。引用し編集し配信する者こそが、配信という行為に伴う責任を負うべきだと私は考えます。
筆者である私がこう述べていたからそれは配信者の責任ではなく筆者の責任だと責任転化するのではなく、転載し配信する決断をした方自身が私の文章について是か非かを判断し、それを世界中の誰もが見られる場所に配信してよいものかどうかを今一度考え直してみてください。
私が述べた事が絶対的に正しい保障などどこにもありません。間違った情報が世界に流布される前に食い止められるのは編集者や配信者だけです。それが編集者や配信者の責任であると私は考えます。
他の記事でも述べましたが、当館はあくまでも図書館です。テレビ局になるつもりはありません。テレビ局に憧れる皆様が報道倫理を順守する事を期待します。
当館がコメント機能をOffにしている理由
ちょうど良い機会と思いますので、当館が基本的にコメント機能をOffにしている理由についても重ねてお伝えします。
これは以前の記事でも少し触れた事がありますが、当館がコメント機能をOffにする理由は「資料保存(Material Preservation)」です。
私がいくら正しい情報を記そうと尽力したところで、悪意ある第三者から心無い言葉をコメント欄に書き込まれてしまった場合、その資料をお読みになる他の利用者の方々に不快な思いをさせてしまう可能性があります。悪意ある第三者からの心無いコメントは、蔵書の価値そのものを傷付けてしまう直接的なリスクになり得ると当館は考えています。よって、「資料保存(Material Preservation)」の原則に従い蔵書のオリジナル性を保存する目的でコメント機能は意図的にOffにしてあります。
利用者の方々にはご不便をおかけするかもしれませんが、何卒ご理解とご協力をお願いいたします。