訪問リハビリセラピストはよき相談相手となれるように
最近訪問リハビリで思っていること、実際の利用者様とリハビリのお話です。
利用者様の希望の本音
脳出血で片麻痺となられた、お若い男性の利用者様のお話です。今の彼の状態は、麻痺側の脚はいらないっていうくらい、もう切り落としたいくらい慢性疼痛があります。でも、、私がリハビリするのは麻痺に対してなんですよ。最近の葛藤や思ったことを書き出させていただきます。最初のHopeでは内反(足首が内向きになる)を治して歩きたいとお聞きしました。
長期休みのスタッフの代わりに私が担当させていただくことになりました。試行錯誤の一年半。現在は、足の緊張は取れてきて歩容(歩き方)も杖をつく位置も良くなってきました。でもご本人にしたら、「正直特に困りごとが変わってないから意味ないかな」あー・・・だよなあ。。そうなんです。
今は、もう以前とは変わっています。ご本人の思いは足の痛みをなんとかしたいことが一番です。ご本人はこだわりもかなり強くて、車椅子、杖、自分の持ち物などかなりのこだわりがおありな方です。それはとても素敵なことです。
また、気になったことや納得いかないことに長く執着してしまう傾向にあります。周囲の言葉はマイナスにしか聞こえなかったり、聞き入れられなくなります。でも、リハビリ自体は「今日のコンディションはこんなかんじだから、無理だったら途中で言うし、したいのしていいよ」、と言って私の目的を説明したらなんでもさせてくださいますし、嫌だと言われたことはありません。リハビリ後の様子は毎回お聞きし、痛くなった、よかった、と色々言っていただきます。
なのでリハビリ自体は嫌ではないと思うし、痛すぎて休もうか迷った、と言いつつ休まずリハビリを受けてくださっています。なので、脚はいらないという絶望的な思いもあるものの、希望を完全に捨て去ってないのではないか、もしくはよくならないかもしれないけど、私にまあ任せてみようかな、と少しは思ってくださっているのかもしれない、と思いました。ただ、結果という満足度としては高くないかもしれないです。劇的な歩容変化でもないし、痛みをなんとかできてるわけではないので。。
でも、私は可能性としてまだまだ良くなる、と思います。変化として感じられるほどになるか正直わからないし疼痛はリハビリだけで解決は無理かもしれませんが、そのほかの解決策も含めてこれからも考えたいです。他に、一人暮らしを考えられているので、それらの生活に関することもお話をしてくださっています。私も調べてみて、できる情報提供をしたりしています。
「居てもらわなくていい」存在にならないように
リハビリでもどんな仕事でも関係ないと思いますが、めんどくさいとか、事なかれ主義とか、まあこんなもんで、と言った人はいます。その人の意見を聞いてみても、表面的で特に出てこない人がいます。公的保険でやっているうちは、選ばれない、ということはあまり気にしなくて済んでいるので、必死に努力しなくてもいい仕組みとなっているのかもしれません。自分がどんなセラピストにみてほしいのか?家蔵や子供が自分のようなセラピストに見てほしいと思うか?それこそ、信頼できるかどうかですよね。心は正直です。
リハビリ離れ?
訪問リハビリは必要とされることはかなり多い時代ですが、リハビリ始めたけどもういいや、となることも残念ながらあります。
多い理由は、リハビリ内容や結果に満足できないからではなく、伴走者として捉えていただけていないからではないかと感じています。
もちろん前者もあります。しかし、結局リハビリ内容だけではないのです。
クレームとして上がってなくても「リハビリよりデイサービスでいい」、
「もう近所の接骨院に行くことにした」ということで、リハビリの重要性や必要性を感じていただけていないです。晴れて卒業ならもちろん最高なことなのでそれは別ですが。面と向かって「あなたは信頼できない人」と言われないので本人は自覚がないこともありますし、本当にそうなのかはわかりませんが、やはりもっと日々のコミュニケーションやリハビリを通して関係性が築けていたら変わってたのではないかと思います。
これは本当に満足度調査をしたいなと思っています。私自身も緊張しますが、、リハビリしてあげているのではないし、頼まれたからやってるだけではないし、したい治療だけやればいいわけではないし、楽しい話をしてたらいいわけでもないですよね。これまで学校や病院で教わったことや自然と身についてきたこの業界の当たり前も、ゼロベースで見ることも必要だと感じます。
今日は長くなってしまいましたが、ここまでにします。
ありがとうございました!