「心が動かされる瞬間」をリハビリから!


心が動かされた時に本気になれる?

ある方のYouTubeの動画を見ていました。
その方は事故で両下肢が不自由になっており、辛い入院生活を過ごされようやくリハビリができるまでになられました。そのままの脚では歩けないので両下肢の装具を作られました。しかし、先生からは「リハビリをして装具を作っても歩けるようになるのは難しいと思う」、と言われていたそうです。ご本人は事故だけでも精神的にも辛かったのに、その現状でさらに人生を諦めかけていました。しかし、担当の理学療法士が「絶対よくするからもうちょっと頑張らせてください!」と、何度も言いながらリハビリをされていたそうです。「担当の先生(理学療法士)がなかなか諦めてくれない方で、そのおかげで、自分も辛くても諦めず頑張ることができました」、とおっしゃられていました。そして本当に見事に回復され、現在は歩けるようになられています。これは、理学療法士の方の熱い想いによって、その方の本来の力が引き出され、それ以上の結果になったと思いました。

なんか心が痛い私

この動画を見て、私はふと自分の臨床を思い返しました。以前から担当しているお一人のことを思い浮かべながら。その方は脳出血で片麻痺なのですが、痛みが酷すぎて鬱っぽくなっています。そりゃそうですよね。薬や他にも今できることを調べて試してこられましたが、なかなか改善せず。リハビリでも、運動によったら疼痛の増強もあったりします。そこで私も控えめにしないと、と守りに入っていたところは否めなかったと思います。リハビリの当初の目的は歩行の改善だったのですが、痛みがあることで全てのことが手につかない、やる気も減退していきました。ご本人も元気がなかったり、周囲の人にイライラしたり、当たっているのがわかりました。(母親やケアマネジャー)ご本人の性格はこの際置いておきますが、もやもやしていた心のうちを話してくださっていました。
「健常者として扱われないけど、自分は対等でありたい。」
「障がい者だけど、低レベルなことで褒められても自分がポンコツだと実感するだけ」
「薬もリハビリも色々な治療も意味があるないかは1/2。期待は強く持ってない」
ふむ、、、リハビリとしては、疼痛をゼロにするのは正直今の私の力量では難しい。改善の程度は不明だが見解としては、可能性はあると思っている。でもいつになるのか約束できないな、、無理かもしれないしな、、と色々脳内で考えていました。でも、そう言わせてるのは私たちでもあるかもな、と。。

心を動かそうとするのではない

Youtubeを見て、本気度ってまだ私に足りてなかった、と気付かされました。利用者さんのもやもやは、「どうせみんな本気で向き合ってくれない」「自分は生きている意味がない」という気持ちをなんとかしようと自分を保つために強く言ったり、ちょっとめちゃくちゃな正当化をしたりしているのかもしれないな、と思いました。私に全ては解決できないけど、リハビリを通して自分の本気を伝えたり、一緒に頑張る気持ちを持っていただくことはできるかもしれないと思いました。もちろん痛みや麻痺を改善することで解決するのですが、全くの元通りは無理です。でも元通りを望んでいるわけではなく、改善のために誰か自分に本気で向き合って欲しい、というメッセージにも思えました。それなら今よりもっと攻めたリハビリもしていけるし、ダメな時はまた考えよう、それで頑張っていこうと思えました。ご本人の希望とこちらの思いにギャップがありすぎるのはよくないですが、ギャップが多少あるからこそ、さらに引き上げることもできるのかもしれないです。
自分が患者だったら、それなりの目標設定だとそれなりのモチベーションだろうし、ここまでが自分の限界なのか、と根拠なく腑に落ちてしまう気がします。可能性が広がっていかないですね。結果は分かりませんが、その結果目指してなんとか踏ん張っていけるサポートも、やはりできるようになりたい、それにはまだまだ甘かった、、!と気づきました。

明日からもまた、強い思いで頑張っていきます〜!

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