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MISIAのライブ@横浜アリーナ

20数年ぶりにMISIAのライブに行ってきた。2月1日横浜アリーナで行われた「THE TOUR OF MISIA」。二週間前に追加チケット販売情報を見つけて申し込もうとしていると、娘が

「紅白で聴いてすごい上手だったから行って見たい!」

と言うので二人で行くことにした。申し込みをしてから抽選かと思っていたのだが、あっさりチケットが取れた。「申し込み完了」の文字を何度も読んで、徐々に嬉しさがやってきた。
20数年前に行ったライブは大阪ドーム(当時)の追加販売で取ったチケットだった。全盲の友達と二人で梅田で待ち合わせてお茶してから、大阪ドームへと向かった。
人の流れに乗って行くと会場に到着し

「全盲二人でもなんとかなったね」

と話したのを憶えている。立ち見で手を伸ばせば後ろは壁だった。MISIAの声がずっと下から聞こえていた。見下ろす形で聞いているんだなと思っていた。
それから20数年経って、娘と行くことになるのは感慨深い。あの歌声がまた聞けるのかと思うと、二週間、毎日MISIAを聞きながら楽しい気持ちで当日を待った。

迎えた当日。我が家から会場の横浜アリーナまでは電車を三回乗り換えて1時間20分ほどかかる。私が事前に次の路線に乗り換えしやすいよう、降車位置を調べて娘に伝えて行くことにした。電車に乗るときに乗りたい号車を伝え、降りたら

「近くに上り会談があると思うねんけど、わかる?」と尋ねる。
「あるある。目の前に」

それを聞いてほっとしつつ

「じゃぁ、次はJRに乗り換えよう」

という風に進んで行った。こんなこともあった。駅構内を歩いていると、香ばしくて甘いふんわりとした香り、間違いなくワッフルだと分かった。娘に

「ワッフル売ってるね」

と言うと

「ワッフル?どこ?」

すぐに

「ほんとだ。あった!鼻やば」

とのコメント。

「気づいてなかった?」
「ぜんぜん。かわいいコップが売ってるなぁって見てた」

こうやって娘は視覚の情報が目に入り、私は視覚以外の情報が入って来ることが楽しい。
地元から乗った電車が遅れていて乗り継ぎがうまくいかず、1時間半ほどで横浜アリーナの最寄り駅、新横浜に到着した。お昼は事前にお勧めしてもらっていたお店を予約してあった。新横浜プリンスホテルにある中華のお店だ。

「北口から出て徒歩5分ぐらい」

と伝えると、娘はナビを見てくれた。無事に到着し、お店に入った。

「ママ、こんな高そうなお店大丈夫?」

と娘。店内は広く、隣のテーブルまでの感覚が広いことはお客さん同士の話し声でわかった。他にもフカフカの絨毯、大きなテーブル、クロスのかかった椅子、視覚以外でも高級さを感じられた。

「大丈夫。ちゃんと値段調べてきてるから」

そう伝えるとむすめは安心したのかメニューを見始めた。二人で小籠包とチャーハンとゴマ団子を頼んで分けて食べた。ゆっくりジャスミン茶を飲んでいよいよライブに出発。
娘がペンライトを買いたいというので、会場に向かった。MISIAの曲が流れていて、ライブへの気持ちを盛り上げてくれる。購入したペンライトに、持ってきていた電池をセット。ペンライトが着くことを確認したところで、開場時間まではまだ1時間以上あった。寒いのでお昼を食べたホテルに戻って、香水やコスメを見て過ごした。開場時間に間に合うように会場に向かった。たくさんの人が待っている中に、白杖を持った人がいると娘が教えてくれた。話しかけたい気持ちを抑え、スマホでチケットの準備をした。
続々と会場内に入っていく人の足音を聞きながら、これから始まるんだと言う気持ちが高まってきた。
座席に座ってからは、流れてくるMISIAの曲を聴いて、娘と話しながら待った。「わー」という歓声が聞こえ、音楽が流れ始めた。

「始まった!」

MISIAの第一声を待った。待ちわびた第一声を聞いた瞬間、鳥肌が立った。
全部で19曲、力強い声、優しい声、楽しいMC、素敵な心に残る2時間だった。MISIAがマイクを外しアカペラの声が届いたときが一番感動した。少しずつ遠ざかっていく声から、マイクを外したことがわかった。そして、こんなにも距離が離れているのに、しっかり伝わってくる生の声。何時間でも聞いていたい、そんな思いでライブは終わった。娘は感動して何度も泣いたと話してくれた。
ライブの余韻を楽しみながら、帰りは新横浜から東京駅まで新幹線であっという間に帰ってきた。このツアーのファイナルは武道館。一般でチケットを申し込んでみようと思う。もう一度あの歌声が聞きたいから。

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