虚血性大腸炎、ホメオパシーでの初期対応(3)

前回からの続きです。


新幹線での発症からまる30時間以上が経過&朝がきた。夜は比較的よく寝られて、お腹の痛みはなんともうほとんどなかった。多少の違和感が下腹部にあるが、なんなら胃の方は空腹を感じているし、拍子抜けぐらいの勢いである。あのひどい腹痛と下血は一体なんだったのか…。のんびりと8時頃に目が覚めてホメオパスに電話しようか迷ったが、ここはやはり一度普通の(というのも変だが)病院にいっとくか、とぼんやり思った。このままでもなんとなく治りそうだが、気持ち的に不安だし落ち着かないからだ。空腹を慰めようと再びに甘酒&最後のまんじゅうを食べたが、特にお腹の調子は変わらない。便意もない。よし、と思ってお風呂に入って髪を洗い、その間に洗濯機を回し、さらに掃除機をかけて部屋を片付けた。


さて病院選びだが、近所には「内視鏡ならお任せ!」みたいな検査に特化した胃腸病院があった。歩いてすぐだし、そこにしようかなと考えていたところにふと「いやまてよ、叔母が9年前にホスピスでお世話になった胃腸病院があるではないか」と思い出した。叔母は末期の大腸癌が見つかり、50才手前で亡くなったのだった。私は仲が良かったのでよくホスピスに食べ物などを持って通い、様子を知っていた。先生や看護婦さんたちも感じが良かったし、あとあともし大きな病院に入院することになったとしても、まずあそこに行ってみるか、と思い直した。


タクシーで行こうかなとも思ったが、電車と徒歩でもあまり変わらなかったのでてくてくと出かけた。病院ではさほど待たずに副院長(いいキャラである!)が対応してくれて、問診をし終えるや否や「虚血性大腸炎でしょうね。エコーと血液検査、尿検査、それから浣腸で大腸カメラをやりますね」ということになった。


だ、大腸内視鏡…!


下剤を二リットル飲んで、というあれかと思いきや、病変と思しきあたりまでを見るので浣腸でいいという。いいっていったってさ!人生初浣腸、初大腸内視鏡である(胃カメラは何度もやっている)。まあ怖がっていても仕方ないのでなされるがままとなったが、やはり浣腸は辛かった。なんてったってあんな血便を出した後である。お腹が痛まないわけがないだろう、というかお腹にいいのかこれ!?と思ったが乗りかかった船である。案の定、便にはまだ血液が混じっていたし、出した後にお腹が強く痛んだ。幸い痛みはすぐにひいたのでほっとしたが、いやはやである。このあたりの細部は割愛致しましょう。カメラで見た私の直腸がとってもピンクできれいだった、ということだけ記しておきます。


というわけで検査が全て終わり、再び診察室へ。「カメラは、思ってたより病変が奥だったので手前のところしか見えなかったけど、ほら、ここ血が出てますね。あとむくんでいますね〜。むくみはエコーでもとてもよく出ていて、やはり虚血性大腸炎ですね」と告げられた。とほほ、そうですか。


ただ、血液検査はオール正常。出血などがあるわりに、炎症を示す値も正常、白血球も正常。つまり私の身体は発症から32時間程度で、かなり回復傾向にあるということだ。素晴らしい、ありがとう私の身体!ありがとうレメディ!


「治療なんですが、腸を休めないといけないので絶飲食です。今家に帰って普通に生活すると、次来るときは救急車の可能性もあるし、入院を強くお勧めします」


ええ!せ、先生、入院はどちらの病院でしょうか。


「もちろんこの上ですよ」


え、ホスピスだけじゃないんだ!こじんまりとした病院とわかっていたので、とにかくほっとした。近所には大病院がいくつかあるのだが、そんなところだと落ち着けないだろうなと思ったのだ。ならまあいいかな…と気持ちが傾いた。


先生、治療は何をするんですか?


「治療は基本的に絶飲食と食事のコントロールで、電解質等の点滴程度です。積極的な治療はないので、とにかく休んで回復させる感じです。でもお水も飲めないので、自宅だと無理です」


まあ、昨夜も今朝も甘酒飲んだけどな…


と思ったが、あれだけのことがあったのでここは素直に従うことにした。あまり薬が入らないのだったら本望だし、ここは休むか!と腹を括った。


「病状もそんなに重くなさそうだし、今日は点滴一本打ったら一度帰って支度してきていいですよ。」


はい!がんばります!


というわけで入院が決定。そのまま受付で手続きをして、ホメオパスに入院のことをメールで知らせた。個室と大部屋で迷ったが、大部屋ったって二人というので経済的な理由から大部屋を選んだ。部屋に行ってみたら私ひとりだった。ぽつん。


入院の道具を何も持たずに来たので、普段着のまま所在なく待っていたら、担当の看護師さんが来てくれた。点滴なのだが、いわば丸1日以上絶飲食に近い状態なので、点滴の針が全然腕に入らない。血管がぺしゃんこなのだ。さっきの副院長がちらっと覗きに来てくれたりして、そうこうしてる間になんとか(いたた!)入れてもらって、点滴開始。人生2度目の点滴である。ビタミンとか電解質のアレなのだが、腕がめちゃくちゃ痛い。看護師さんが腕を温めるためのカイロを持ってきてくれたが、かなり痛い。点滴を落とすスピードも早かったのだが、とにかくいったん家に返すということもあり仕方なかった。


タクシーで帰宅、荷造り、友人の車で送ってもらい正式に入院。荷造りのあたりからちょっと寒気がして、熱が出る感じがあった。病院に戻ったらすかさず点滴がまた始まった。この日はあと3本の点滴ということで、寝るまでに終わらないんじゃ?と薄々思いながら、寒気があったりちょっと熱が出たり。看護師さんは腸の炎症のせいだろうと言っていたが、理由はわからない。この微熱は翌日まで続いた。


20時頃、ホメオパスと電話。様子を知らせたら、水もダメなのか、ちょっと厳しすぎると驚いていた。病院というのは病気になりやすい場所だから、他の人の病気をもらわないように(インフルエンザとかね)。暇になると思うから、とにかくその暇をゆっくり味わうように。今夜はBryonia 10Mをとって、もうそれだけであとは大丈夫だと思う。ないとは思うけど、もう一度痛くなるようなことがあったら、いつでも電話するように。あとはゆっくりして、退院して落ち着いたらまた連絡を下さい、ということになった。


指示通りレメディを取って、あとはひたすら点滴をしていた。点滴4本はなかなか大変で、結局18時頃から始まった点滴は、次の日の分もつながって翌日の17時頃まで続いたのでした。おかげで睡眠が浅かった。とはいえ、痛みもなく、たまに空腹がつらいぐらいのことで、入院患者としてはなんともお気楽なものだった。看護師さんもみんな感じが良いし、病院が小さいのでなんてったって静かである。点滴の手が慣れないので紙の本が読みにくいが、Kindleと携帯があれば読書もできた。


ホメオパシーによる治療は退院後に続きます。

次回は、入院中のあれこれです。



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サツキアオ
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