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イギリスの学校 英語を理解する その1

小学校5年生で、ローマ字を学んだばかりで、親の赴任に同行し、右も左もわからないイギリスの小学校に転入。そんな中での奮闘記です。

言葉がわからなくても、身振り手振り、観察で日々の学校生活は過ごすことができます。というわけで、それなりに学校生活を過ごし始めました。

しかし、言葉がわからないのはちょっと辛い。そこで、観察の結果、最初に覚えた言葉が「カバヨラバ」でした。

イギリスの学校では、教科書も文具も何も持って行く必要はありませんでした。すべて、学校においてあります。でも、私は日本で使っていた筆箱を持って通学していました。中には削った鉛筆、消しゴム、小さな物差しが入っています。

ある日、近くの席の子が「カバヨラバ」といって私の消しゴムを取っていきました。返してと言えないので、黙ってみているしかありません。ずっと見ていたら、ちゃんと返してくれました。

その後、別の子も「カバヨラバ」といって消しゴムを持っていきます。どの子もちゃんと返してくれます。

家に帰って親に聞きましたが、「カバヨラバ」なんて聞いたことないとのこと。となると、あとは自分で試してみるしかありません。

次の日、自分の消しゴムは持って行かずに、ほかの子が使っている消しゴムを手にして「カバヨラバ」って言ってみました。何も言われなかったので、そのまま使ってから、返しました。なにも問題は起こりません。

「カバヨラバ」って「消しゴム貸して」ってことなんだ!

日本の消しゴムの性能は、本当に優れていました。軽い力できれいに消えるし、素敵な香りもついている。消えたんだか、汚れたんだかわかないような学校の共有の消しゴムではなく、私のを使いたがった仲間の気持ちがわかります。おかげで覚えた「カバヨラバ」。最初に覚えた英語です。

後日、あれはCan I borrow your rubber?だったんだと、わかりました。でも、私は「カバヨラバ」の方が好きです。

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