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形・デザインはどこから思いつくのか?ジュエリーを作るアイデア。

今日はどこからデザインや形を思いつくのか?について書いてみます。

製作するときは、石の美しさを引き立てるシンプルなデザインにする場合もあれば、石からインスピレーションを得てデザインが浮かぶときもあります。

作りたいイメージやデザインが明確に決まっている場合は、デザインにあわせて石を選ぶこともあります。

個展をする時にハガキに載せる作品を1点製作するのですが、載せる作品はいつもテーマを決めてデザイン画を作成してから製作しています。

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奈良で初めて個展をする際に、奈良の神獣である「鹿」をモチーフに作りたいと思ってデザインしました。奈良では鹿が”神様の使い”ということで尊ばれてきました。テーマが神聖なもの、神秘性。正倉院宝殿の宝物も見に行き、展示されている宝物からもヒントをもらいました。周囲の炎は不動明王のイメージから、描きました。

手描きで描いた後で、パソコンでトレースして原寸サイズのデザイン画を製作しします。プリントしたものを金属に貼り付け、切り出して作ります。

鹿ブローチ

最終的に仕上がったものがこちらです。(鹿のブローチ/売却済み)

真鍮の板の後ろにチタンの金属をはめ込みました。タガネや刻印で模様をいれて、目に石を留め完成させました。


こちらは別の個展で、ネックレスを作ろうと思いデザインしました。

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最初に板状のシェルと銀板を組み合わせるというアイデアがあり、デザインを考えました。

シェルの柔らかく潔白なイメージから、ハスの花をモチーフに選びました。テーマは優美、上品、女性らしさ。

ハスの花のスケッチをたくさん描いて、形をきめ、配置しました。全体の形はモロッコ模様のタイルから選びました。

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デザイン画の段階で何度も美しいラインや形を考え、パソコン上で実際に製作が可能か、美しいラインの細さや大きさをチェックして仕上げます。
使用する石も決めて配置します。

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最終的に出来上がったネックレスがこちらです。


透かした銀板の後ろにシェル(貝)を挟んでいます。中央にスフェーンを石留し、上下にアコヤパールをつけました。チェーン部分も淡水パールを使用した繊細で上品なネックレスに仕上がりました。

こんな風に完璧なデザインを描いてから作ることもありますが、手を動かしていく中で、出来上がったものもあります。思いもよらずに、美しく出来上がった場合は自分でも感動します。

デザインを考えるうえで、美しさを見極める審美眼を磨くことが必要だと思います。美術館や、工芸展で美しいものを見る。美しい模様や形をインプットする。スケッチブックにストックする。そして、自分の感性を取り入れてアウトプットする。

何かを生み出す力。

形のないものから形にしていくこと、目に見えないものを物質化すること、それが私にとって楽しい作業です。



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