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【‘‘現在と未来の感度’’】

久しぶりに宮崎駿さんの最新作『君たちはどう生きるか』について、改めて考えるきっかけがありました。
それは、映画の主題歌にもなった米津玄師さんの「地球儀」のMVを見て聴いたからでありました。

 本編の部分的なシーンと音楽が重なり合うMVからは米津さんが映画に込めた歌詞のメッセージ性や宮崎監督の情感の全てが詰まった作品であることは間違いなく、『となりのトトロ』のような子供向きな映画から『風立ちぬ』まで大人向きの映画のふたパターンに分かれられるが、本作の『君たちはどう生きるか』は後者であり、宮崎監督の死生観が色濃く反映されていると感じられました。
宮崎監督が描くキャラクターたちや美しい風景、作品に込められた深いメッセージ性など、アニメーション世界においてはトップレベルであり、ジブリは宮崎監督でしか表現出来ない特別な魅力があると思っています。
宮崎監督の映画は、世界中のアニメ作品に影響を与えたことは確かであり、影響を受けた作品からはジブリの持つ高度なアニメーション技術や作品の感度が伝わるものがあります。
宮崎監督の映画に登場する、魅力的な人や動物たちは、その映画においては重要な役割があると考えられますし、人によってそのキャラクターたちの印象は大きく変わるものがあるのではないかと思っています。
作品で描かれる世界観や自然、風景の特徴はとてもリアリティがあって、本来の美しい風景描写によって見る人たちを魅了することは間違いありません。
こうしたことから、人間のつくりだす創造力というのはAIには負けることは決してない感性が備わっているものであり、ジブリを見た私たちは作品から感銘を受ける。
金曜ロードショーなどで、たまにジブリを見返す機会があって見てみると、ストーリーは既に頭の中に入っていて結末も分かっているのに見る度に新鮮な気持ちで見れるところもまたジブリの魅力なのではないかと感じます。
そうしたことは、見る側にとっての感度が鋭くなっているからなのではないかと私は思います。
進化を遂げたコンピューターやAIでも、ジブリのような素晴らしい作品を生み出すことは不可能なのではないかと思います。
宮崎監督の映画から窺えることは、映画音楽は作品の世界観そのものを象徴するものであり登場人物たちの思いや考え、感情を歌にのせて伝える役割を果たしているのではないかと感じます。
「地球儀」は『君たちはどう生きるか』にとってはかけがえのない存在であり、また逆であってもそうだと思います。
アニメーションと音楽の組み合わせには、まだ見ぬ表現の可能性をさらに広げていくものがあると思いました。


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