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山と渓谷オンラインに登山レポートが載りました(山エッセイ)

以前に登山メディアの山と渓谷オンライン(ヤマケイオンライン)、読者レポートの募集というものがありましたので応募しました。

読者の目線から登山を記録するという趣旨の企画です。大菩薩に登った時の記録が登山レポートとしてちょっと前の記事になりますが、ぜひ読んでみてください。

今回は読者レポートなので、読者が登った山を紹介するという山と渓谷オンラインの企画なのでライターという立場での執筆ではありませんが、それでも自分が書いたものが掲載されるというのは嬉しいです。

山男になりたての頃、これだけ山が好きになったのだから何か山について文章を書く仕事がしたい、と漠然と考えていました。「とにかく書くことが一番の近道だ」と二年くらい前はひたすら書き続けていましたが、とくにチャンスを得られることなくモチベーションだけ下がり、忙しさにかまけてnoteもあまり更新しなくなりました。最近になって、小説もですがまたモチベーションがすごく高いので山のエッセイも書き直したいと思っています。

書く行為を仕事にしたいから書き始めたのではなく、書く行為が好きだから仕事にしたい、という動機で始めたので、初心を忘れずに地道に書き続けていこうと思います。また読んでもらえたら嬉しいです。

ところで今回、読者レポートの記事で大菩薩で見つけた植物について二種類の写真を使いました。読者レポートのページに載っている写真とは別ですが、下の「アリアケスミレ」「ミツバツチグリ」です。
 

アリアケスミレ

「アリアケスミレ」はスミレ属の植物で、他のスミレに比べて白~薄紫の花で表面に紫の筋が入っているのが特徴です。


ミツバツチグリ

「ミツバツチグリ」はバラ科キジムシロ属の花で、黄色い花はヘビイチゴやキジムシロと似ていますが、ミツバツチグリは葉がギザギザで三枚生えているのが特徴です。三つ葉のツチグリ(という名前の多年草。西日本に分布)というのが名前の由来ですね。

このように「わたくしこの花のことを知っておりましたよ」という体裁で書いていますが読者レポートに応募するにあたり、本屋で野草や花、植物の図鑑を購入して勉強しました。それまでの私は「黄色い花が咲いているが……チューリップでもタンポポでもなさそうだ」「木に花が咲いている。桜か、桜以外だ」程度の認識能力しかありませんでした。

登山を趣味とする人と話していると「この時期は●●山に登ると××の花が見頃だよね」と言われることがあります。世の人はそれほど花に興味があるんだな、といつも驚きます。花の百名山という山の選ばれ方があるくらいだから当然ではあるのですが。あれだけ山に登ってたくさん目にしているはずなのに興味を持たずにいたのはもったいないな、と今さら感じています。花を見てキレイだなと思うことはあっても、それを今までは調べようとは思っていませんでした。

でも不思議なもので、一度調べ出すと他の植物についても興味が出ます。

これは塔ノ岳で見かけた花です。

足元に咲いていた小さな薄紫の花


「キレイな花だな。帰ったら調べてみよう」
と写真に撮って家で図鑑を引きました。調べてみると「ヒメツルニチニチソウ」という外来種で、明治頃に観賞用として日本に持ち込まれたものが野生化したのだとか。なお毒性があり少量の摂取でも死亡の危険がある。

観賞用に日本に入れられたとしても鳥や獣のように自分で移動するわけではありませんから、それが塔ノ岳の登山道に咲いているのは、誰かの登山靴に種が付着していたか、もしくは風に乗って山まで来たってこと? 外来種が広がると植生が崩れるからあまり良い出来事ではないのでしょうが、どうやってここに咲いたのか、花の来歴まで考えると楽しくなります。

こうして興味を持ち出すと、それまで道の脇に生えているだけだった名もなき花たちまですべて興味の対象になります。早速道の脇に咲いてるこいつを調べました。白い花だ。小さくてキレイだな。さぞかし名のある花に違いない。さてこいつは……

ドクダミでした。

ドクダミ! お前がドクダミだったのか。爽健美茶にも入っている……!

調べると昔から繁殖力が高く薬膳として重宝されていたので、名前も毒に効果があるという意味の「毒矯み」になったという説があります。

※矯む、矯める……曲がったものをまっすぐにする、悪いことを改める。

一度気付いてみると、ドクダミはどこにでも咲いていました。これだけ一日で目にするのに今まで気付いてなかったなんて。目を向けていなかっただけで山だけではなく、道の脇にもたくさんの花があるのです。

ゼニアオイ


ヤグルマギク
ナガミヒナゲシ。外来種で、毒もある厄介者。

一度気が付くと、街の中でもそこら中に植物があふれているのに気づきます。写真を撮って、図鑑と眺めて、どの花もしくは野草なのか特定すると楽しくなってきます。

写真だけだと見え方によってまるで違う植物にも見えるし、似た色や形でどれなのかよくわからない植物もたくさんあるしで、眺めていると迷うばかりです。でもそうやって調べていくのが楽しいんですよね。

山のこと、植物のこと、あとは小説のことや色々と挑戦していきますので、これからもよろしくお願いします。

大菩薩から富士山を眺める。





また新しい山に登ります。