【アサシンクリード3レディリバティ】のトロコン
アサシンクリード3をしっかりじっくり時間をかけて丁寧にコンプリートした後
そのままの勢いで派生作であるアサシンクリード3レディリバティを開始した。
元はPSVITAで2012年の発売で後にPS3でHD版が発売され、PS4のAC3HDリマスターに収録された作品で今回プレイしたのはPS4版になる。
このレディリバティ、なかなかに評判がよろしくなくネット上ではネガティブなレビューが目立つ、というかアサシンクリードの中でも存在感が薄いのか、今となっては攻略サイトやレビュー自体が少ないように思える。
(海外ではAssassin's Creed III: Liberationというらしい)
個人的にPSVITAは所有していなかったが、携帯機ソフトが据置機でHD化されて発売されるソフトがなんか好きなのでちょっと楽しみだった。
小さい画面の中に詰め込まれたグラフィックが大画面で背伸びする感じがなんか好きなのだ(ひと昔前のグラフィックに愛着を感じる部分もある。そういう意味ではSwitchって最高!ソフトラインナップは合わないけど・・・)
そういったグラフィック的な意味ではレディリバティHDリマスターは素晴らしかった。元が携帯機とは思えないほどのグラフィックで、でも3HDリマスターと比べるとどこか足りなくて背伸びしてる感じがたまらなくイイという妙なフェチを満たしてくれるグラフィックスなのだ。
(そりゃグラが美麗なのに越したことはないけど、このくらいの良さってのもあるのよ。しかしライティングとかも元PSVとしてはかなり頑張ってるんじゃないか?それ故、オリジナルはフレームレート等が酷かったとも聞くがリマスター版で本当の力を発揮した模様)
半年ほど前にアサシンクリードシリーズ初携帯ゲーム機ソフトであるPSPソフト
「アサシンクリードブラッドライン」をプレイしクリア済みなのだが、それと比べるとファミコンとN64くらいの差がある。PSP→PSVITAになってるとはいえ2009年発売のブラッドラインから3年でここまで進化するとは・・・
操作性やアクション性も基本はアサシンクリード3を踏襲しており、ふんわりアサクリだったブラッドラインとは違いガッツリちゃんとアサシンクリードになっていて素晴らしい。
(バイユーの沼地のこの迫力を見よ!しかしバイユーの移動はクッソだるい!3のフロンティアを駆け抜ける疾走感が恋しい・・・)
元が携帯機だから、という視点で見ると映像表現は頑張ってる。ゲームシステム面でも据置機のアサシンクリードと比べても遜色ない。シンプルで逆に分かりやすくて良いぐらいだ。うん、以上がレディリバティの良いところである。
正直、ゲームとしてはクソゲーギリギリラインかもしれない。いや、それは言い過ぎか?面白いワクワクする局面もないわけではない、ストーリー自体もメタ的な要素も決して悪くない、悪くはないんだが・・・。
いろいろと必要なものが足りない、何かと足りなくて惜しいゲームとなっているのである。
(衣装を変更して能力をチェンジするというFF10-2のドレススフィア的な要素が今作のウリであり独自要素である。女性主人公ならではという感じ。それ自体はすごく良いシステムなんだが、いまいち活かせてない)
まず一番感じるのは物語の説明不足。これが最大の欠点ともいえる。
話がブツ切りでシークエンス事に年代がどんどん飛び、ついていけないっていうのはレディリバティまでのアサクリでも感じることはあったが今作は圧倒的に説明不足、描写不足なのである。よって物語に没入することが難しく、せっかくゲーム面では面白いのにイマイチのめり込めないのだ。そもそも主人公であるアヴリーンがアサシンになった流れもよく分からないし、アガットって何者?マカンダルって?あの円盤って結局なんだったの?とかいろいろ良くわからない。
2から登場したアニムスデータベースも味気のない質素なものとなっており、データベースによる補完も出来ないから余計に登場人物や物語がイマイチ分からなくなることがある。(物語自体は決して複雑ではないのだが)
(操作、アクション面は基本3と同じで快適、と思いきやなぜか○とXボタンが入れ替わっており慣れるまでめちゃくちゃ時間がかかった)
(一番楽しみにしていたコナーとの共演も短い1シークエンスのみでアッサリ。二人の相性は結構良さそうなのでもっとガッツリ絡んでほしかった。)
キャラクターの魅力もなんだがイマイチ足りない印象。主人公であるアヴリーンはまぁなんとかキャラ立ちしてるが、師匠のアガットはイライラビビり野郎でひたすらムカつくだけだし、バイユーの仲間たちも踏み込みが足りず魅力不足気味。
ジェラールは結構好きだったから、もっと活躍してほしかった。
ラスボスも経緯の説明不足により普通に良い人なんじゃないの感が拭えなかった。
レディリバティはアブスターゴ社の商品で、プレイヤーをアニムスを通して歴史の追体験をするというメタ的な要素があり、テンプル騎士に都合に良い感じにところどころなっているのが余計分かりづらかった(おもしろい設定ではあるが)
一応市民Eミッションという形で真実の歴史?も見れるが、ちょっと地味であまり劇的な変化がないので微妙なのである。
(今作はBGMもいまいち好きになれなかった)
総評として
ちゃんとアサクリしているんだけど、なんか惜しいんだよなーと感じるゲームだった。ボリューム的にはアサシンクリード3の1/5程度という感じか、クリアしてトロコンするのにかかったプレイ時間は15時間。
まぁでも15時間でやりきった感は味わえたし、やってよかった。
ちょっとクソな部分も含めて味と思えば美味しいもんである。