自己完成に努めよ
なんでもないことを独り気をもんだり、遠慮したりしていては、まるで、この世へなんのために生まれさせられたのか分からなくなる。
各自は異なった使命をもって生まれているのであるから、各自は全力をあげて、よい意味の自己完成をなしたら、それで神もご満足、当人も使命をはずかしめなかったというものだ。
人々が悩むのは、つまり、自分の思うままができぬからだ。
ところが、世の中には、なせば、なんの苦もなくなし得る境遇にありながら、気が小さいところから、何ひとつ、思うようになし得ないで悶えている連中も、そこら一面にある。
また、むやみに、他人の行動に干渉して、是が非でも、自己の思うままにさしたいと骨おるのは、もう時代おくれだ。
できる限りにおいて、その人の望むがままに進まさねばならぬ。わが子、兄弟、友達、子弟、すべて、思うままに行かしたらよいのだ。
出口日出麿著、『信仰覚書』第五巻、自己完成に努めよ