おおそうだ愛は無限だ
そうだ、すべてのものに、心からの好意を持たねばならぬ。
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善意からする偽悪は、悪意からす偽善に、どれ程まさるかも知れぬ。
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私のあやぶむところは、はたして、これが真の神意か否かということだけだ。
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神の思し召しならば、指も切ろう、爪もはごう、可愛い女房も(もし、あるならば)人に与えよう。
それが神意であるならば、親のかたきの草履もとろう。火の中、水の底、くそ壷の中でも辛抱しよう。
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争い憎み恨むことだけは、私には、どうしてもできぬ。
おおそうだ、愛は無限だ。
他人にやさしいし言葉をあたえるために、わたしの言葉は貧弱にはならない。他人に好意を寄するために、わたしの好意は減るのではない。
たがいに争い、たがいに憎み、たがいに恨み合っていて、この世が、いつの時か平和にならおう。
目に見える神は人間だ。
人間自身の努力によらずして、この世に幸福がどこから来よう。
出口日出麿著、『信仰覚書』第四巻、それが神意ならば